生鮮ブロッコリーの輸入量は、大きく減少する傾向にあり、平成30年から令和3年までは、米国産が大きな割合を占めていたが、近年は米国産は大きく減少し、中国産の割合が高まっている。
一方、冷凍ブロッコリーの輸入量は、平成30年から見ると年々増加している。冷凍ものの輸入先としては、中国産とエクアドル産で9割以上を占めている。
生鮮と冷凍を合わせたブロッコリーの輸入量について見ると、平成12(2000)年から令和7(2025)年の25年間の長期の推移は、平成12年頃は、生鮮ものについては約8万トンで推移していたが年々減少し、令和元年には1万トンを下回り、その後も減少して、令和7年は2000トンを下回った。一方、冷凍ものは、平成12年には1万5000トン程度であったが、年々増加して、平成26年に生鮮ものを上回り、この年以降、冷凍ものと生鮮ものが逆転し、令和7年の冷凍ものは9万5000トンを超えた。
次に、国内産ブロッコリーの卸売価格(東京都中央卸売市場)と輸入数量の多い中国産・エクアドル産の冷凍ブロッコリーの輸入価格およびその価格差について、直近
(注1)と20年前
(注2)を比較してみる。為替相場・その他の関係もあり、一概に言い切れないところはあるが、20年前は、国産品と海外産との価格差は、国産品が中国産の2.6倍、エクアドル産の1.5倍であったが、徐々にその価格差は縮まり、直近では、国産品は中国産の1.9倍、エクアドル産の1.3倍となっている。
(注1)直近は令和5~7(2023~2025)年を指す。
(注2)20年前は平成15~17(2003~2005)年を指す。
冷凍を含めた加工・業務用向けのブロッコリーを取り巻く状況を、以下に紹介する。
現在、農林水産省において、加工・業務用野菜の国産シェア奪還プロジェクトが進められており、ブロッコリーについては、国産品と輸入品の価格差が大きくないため、花蕾を小房状にカットするフローレットカット加工に対応する体制を整え、加工業者が必要とする用途で提供することなどにより、輸入品を国産へ置き換えることができる可能性
1)が示唆されている。
実需側では、マーケットインの観点で市場が求める形態を把握し、加工の段階において、ニーズに応じたカットや冷凍などの加工に対応することの必要性など
2)が示唆されており、生産側では、増収と省力化が同時に実現し得る「大型花蕾生産技術」は、加工・業務用ブロッコリーの国産化において非常に有効な手段となり得るとの調査報告もある
3)。消費者への訴求の観点では、冷凍時のブランチング(事前の加熱)処理の方法により、製造過程で生じやすい栄養・機能性成分(主にビタミンC含有量で比較)の低減を改善するために、ブランチング方法や急速冷凍方法などの適切な組み合わせを行い、食味に加えて、栄養・機能性の観点で消費者や実需者へアピールし、価値訴求を行っていくことの必要性なども報告されている
4)。
本誌では、過去において、以下の記事を掲載しているので、詳しくは過去の記事をご参照ください。
(参考)
1)野菜情報 2025年7月号「加工・業務用野菜の国産シェア奪還に向けた品目別課題調査について」
https://vegetable.alic.go.jp/yasaijoho/senmon/2507_chosa2.html
2)野菜情報 2025年7月号「マーケットインの観点から見る加工・業務用野菜の生産振興と商品開発」
https://vegetable.alic.go.jp/yasaijoho/senmon/2507_chosa1.html
3)野菜情報 2021年2月号「加工業務用ブロッコリーに有望な大型花蕾生産について」
https://vegetable.alic.go.jp/yasaijoho/senmon/2102_chosa01.html
4)野菜情報 2025年4月号「加工・業務用野菜の生産・供給拡大に向けた取り組みの方向」
https://vegetable.alic.go.jp/yasaijoho/wadai/2504_wadai1.html