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今月の野菜



メロンの需給動向   調査情報部

メロンは、日本でも古くから栽培されてきたマクワウリに代表される東洋系と、ヨーロッパで改良されてきた西洋系とに大別される。現在出回っているメロンの大半は西洋系で、温室メロン(マスクメロン)と露地メロンに分けられる。

大正14年にイギリスからアールス・フェボリット種(アールスメロン)が導入され、高級品である温室メロンの栽培が始まった。一方では、庶民派の食べものとしてのマクワウリがあり、両者は購買層がはっきりと区別されていた。昭和30年代後半になり、西洋種と東洋種を交配して作られた「プリンスメロン」が登場し、メロンは身近なものとして一般家庭でも広く食べられるようになった。その後、「アンデスメロン」や「ホームランメロン」など、多彩な品種が出回るようになった。

西洋系メロンにあるネット(網目)は、内部の肥大によって表皮に裂け目が生じ、その傷をカバーするように組織が模様になったものである。

作付面積・出荷量・単収の推移

平成26年の作付面積は、7300ヘクタール(前年比96.6%)と、前年より減少傾向で推移している。

上位5道県では、

茨城県 1370ヘクタール(同98.6%)

北海道 1170ヘクタール(同94.4%)

熊本県 1010ヘクタール(同96.2%)

山形県 576ヘクタール(同95.5%)

青森県 555ヘクタール(同94.9%)

となっている。



26年の出荷量は、15万2300トン(前年比99.5%)と、前年より微減した。

上位5道県では、

茨城県 3万7400トン(同102.5%)

北海道 2万5800トン(同100.0%)

熊本県 2万3000トン(同98.3%)

山形県 1万1100トン(同100.9%)

青森県 8690トン(同91.2%)

となっている。



10アール当たりの収量は、茨城県の2.92トンが最も多く、次いで静岡県の2.78トン、熊本県の2.40トンと続いている。全国平均(単純平均)は2.30トンとなっている。



作付けされている主な品種等

メロンの品種は、ネット(網目)の有無によりネット型とノーネット型に、果肉の色で緑肉系と赤肉系に分けられる。

比較的多くの県で作付けされているアンデスやタカミはネット型の緑肉系であり、クインシーやルピアレッドはネット型の赤肉系である。また、イバラキング(ネット型、緑肉系)、夕張キング(ネット型、赤肉系)、肥後グリーン(ネット型、緑肉系)、鶴姫レッド(ネット型、赤肉系)などは、各県や地域のオリジナル品種である。



東京都・大阪中央卸売市場における月別県別入荷実績

東京都中央卸売市場の月別入荷実績(平成27年)を見ると、5月から7月にかけて入荷が集中している。5月と6月は茨城産が過半を占める。7月以降は、山形産、青森産、北海道産と、産地は北へと移動していく。静岡産は、年間を通して一定量の入荷が見られる。



大阪中央卸売市場の月別入荷実績(平成27年)を見ると、5月から9月にかけて入荷量が多い。5月と6月は熊本産や茨城産が、7月から10月にかけては北海道産が大きなウェイトを占めている。3月は、メキシコ産がトップの入荷となっている。



東京都中央卸売市場における価格の推移

東京都中央卸売市場の価格(平成27年)は、1キログラム当たり365~1166円(年平均507円)の幅で推移している。いずれの年も、入荷量が比較的少ない冬場に価格が上がる傾向にある。



輸入量の推移

メロンは、生鮮で輸入されることが多く、平成27年の生鮮メロンの輸入量を見ると、2万3767トンとなっている。23年の3万2948トンをピークに、輸入量は減少傾向にある。また輸入先は、メキシコが7割以上、米国が2割以上占めている。

輸入されているメロンの多くはハニデューメロンで、果皮が白色系で網目模様のないノーネット型である。多くは外食や中食などのカットフルーツの原料として使われている。





輸出量の推移

成27年の輸出量を見ると、生鮮メロンは309.2トンであり、前年比165と大幅に増加している。国別に見ると、香港への輸出が267.4トンと、全体の86を占めている。



消費の動向

1人当たりのメロンの年間購入量は減少傾向で推移し、平成20年は865グラムであったが、27年は629グラムとなった。月別購入量を見ると、5月から月にかけての購入量が多い。減少の要因としては核家族や単身世帯の増加があり、メロンを1個丸ごと買う人が少なくなっていること、他のデザートなどが増えていることが挙げられる。

メロンは、体内の塩分(ナトリウム)を排出する働きのあるカリウムや、コレステロール値を抑える食物繊維であるペクチンを比較的多く含んでいる。また、果糖やブドウ糖など糖質が主成分であり、吸収が速いため即効性のあるエネルギー源としての働きがある。豊かな香りと甘さが魅力であり、ちょっとぜいたくなデザートといったイメージをもつメロンを、さまざまな品種が出回るこの時期に食べ比べ、少し豊かな気分になってみてはいかがでしょうか。








今月の野菜「メロン」 / 

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