カリフラワーの原産地は地中海沿岸の温暖地とされ、キャベツやブロッコリーと同様に野生種のケールから分化したものといわれている。日本に渡来したのは明治初年であり、その後、独自の品種改良が進められたが、著しい進展はみられなかった。昭和30年代後半になると、生野菜サラダの人気とともにカリフラワーの需要も高まってきたが、その後のブロッコリーの急速な普及に押され、平成に入ると生産量でブロッコリーを下回るようになった。
カリフラワーは、
カリフラワーには、花蕾が白い品種のほかに、オレンジ系や紫系の品種があるが、白系の品種が多く作付けされている。また、黄緑色のゴツゴツとした花蕾が特徴であるイタリア原産の「ロマネスコ」も、最近注目を集めている。
26年の作付面積は、1280ヘクタール(前年比99.2%)と前年より微減傾向で推移している。上位5県では、
・茨城県 117ヘクタール (同102.6%)
・愛知県 104ヘクタール (同 96.3%)
・埼玉県 98ヘクタール (同119.5%)
・徳島県 98ヘクタール (同 99.0%)
・長野県 93ヘクタール (同 88.6%)
となっている。
26年の出荷量は、1万8600トン(前年比100.5%)と前年より微増した。
上位5県では、
・徳島県 2320トン (同 101.8%)
・茨城県 2060トン (同 106.2%)
・愛知県 1730トン (同 96.1%)
・熊本県 1670トン (同 87.9%)
・埼玉県 1650トン (同 126.9%)
となっている。
10アール当たりの収量は、徳島県の2.56トンが最も多く、次いで大阪府の2.48トン、熊本県の2.30トンと続いている。全国平均(単純平均)は1.74トンとなっている。
作付けされている主な品種
花蕾が白い品種では、「輝月」「寒月」「バロック」などが多く作付けされている。白系の品種は、一年を通して流通している。
「オレンジ美星」は花蕾がオレンジ色の品種であり、「パープルフラワー」は紫色の品種である。オレンジ系はカロテンを含み、甘みがあって栄養価が高い。紫系はアントシアニンを含み、加熱した時に緑色になるものと紫色のままのものとがある。
東京都中央卸売市場の月別入荷実績(平成26年)を見ると、1月から3月は福岡産が、4月から6月は茨城産が多く、7月から9月は冷涼な気候が夏場の栽培に適している長野産が大きなウェイトを占めている。また、10月は新潟産、11月と12月は埼玉産の入荷が多くなっている。
大阪中央卸売市場の月別入荷実績(平成26年)を見ると、1月から5月までと10月以降は徳島産が入荷量の多くを占めている。6月から9月までは、東京都中央卸売市場と同様に長野県からの入荷が多くなっている。
東京都中央卸売市場における価格の推移
東京都中央卸売市場の価格(平成26年)は、1キログラム当たり176~299円(年平均222円)の幅で推移している。夏場は産地が限られ出荷量が減少するため価格が上がったが、それ以降は出荷量が多くなり安値で推移した。需要期となる年末は価格が上がる傾向がある。
輸入量の推移
生鮮カリフラワーの輸入量は、平成24年に急増して以降、23年までの水準に比べて多めに推移している。一方、冷凍カリフラワーは、主に外食などの業務用に使用されるが、年々、輸入量が減少している。
国別にみると、26年の生鮮カリフラワーは全量が米国から、冷凍カリフラワーは9割以上が中国から輸入されている。
消費の動向
カリフラワーは本来、冬が旬の野菜であり、11月から翌3月に出回るものは花蕾が大きく、味もおいしい。この時期は、スーパーなどの店頭に欠かせない野菜でもある。
ビタミンCが豊富であり、ゆでてサラダに使ったり、ホワイトシチューなど煮込んでもおいしさを発揮するが、天ぷらや素揚げにするのもおすすめである。消費量は横ばいの状況にあるが、食卓にのせると見た目の華やかさもあり、ほのかな甘みとほろ苦さ、独特の食感といった魅力をもつカリフラワーを、ぜひ味わってみてはいかがでしょうか。