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今月の野菜 だいこん



だいこんの需給動向   調査情報部

  

 8世紀頃に中国から伝わったとされるだいこんは日本最古の書物である「古事記」にも記録が残る野菜である。広く栽培されるようになったのは江戸時代からで、飢餓対策として作付が奨励された。古くは「すずしろ」とも呼ばれ、漬物や切干だいこんなど保存食としても重宝されてきた。

 アブラナ科の1年草で、生育適温が17~20度と冷涼な気候を好むだいこんは、出荷される時期によって春だいこん、夏だいこん、秋冬だいこんと呼ばれ、産地を移動しながら通年、栽培される。また、全国各地にその地方の風土に適した地方品種が発達しており、日本のだいこん品種の数は世界で最も多いともいわれる。

作付面積・出荷量・単収の推移

 作付面積は、25年は3万3700ヘクタール(前年比98.9%)と前年より微減傾向で推移している。上位5道県では、

 ・北海道   3650ヘクタール (同 95.3%)
 ・青森県   2990ヘクタール (同100.0%)
 ・千葉県   2920ヘクタール (同 98.6%)
 ・鹿児島県 2100ヘクタール (同 98.6%)
 ・宮崎県  1970ヘクタール (同100.0%)

となっている。

 出荷量は、25年は11万7200トン(前年比100.3%)と前年並みで推移している。

 ・北海道  15万5900トン (同 98.5%)
 ・千葉県  14万3800トン (同102.3%)
 ・青森県  11万1900トン (同104.8%)
 ・鹿児島県 9万1900トン (同 99.9%)
 ・宮崎県   8万7000トン (同 98.2%)

となっている。

 10アール当たりの収量は、神奈川県の7.94トンが最も多く、次いで長崎県の7.80トン、和歌山県の7.32トンと続いている。全国平均は4.32トンとなっている。

 出荷量で第2位の千葉県は単収でみると第5位となっている。

作付けされている主な品種

 全国的に、首の部分が緑色になる青首総太り系が生産されている。だいこんはおでん用として、需要が伸びているが、近年のコンビニエンスストアなどのおでん商戦は、残暑が残る9月から始まるため耐暑性があり太めの品種が北海道など夏場の産地では生産されている。一方、関東以西の産地では、秋以降の収穫となるため耐寒性のある品種が生産されている。


東京都・大阪中央卸売市場における月別入荷実績

 東京都中央卸売市場の月別入荷実績(平成26年)を見ると、6月から10月は北海道産、青森産が主流となっており、11月から5月にかけては千葉産、神奈川産が大部分を占める。

 大阪中央卸売市場の月別入荷実績(平成26年)を見ると、6月から10月は北海道産、青森産、10月は石川産などの北陸の産地に移行し、11月から6月にかけては長崎産、徳島産、和歌山産が入荷する。

東京都中央卸売市場における価格の推移

 国内産の東京都中央卸売市場の価格(平成26年)は、1キログラム当たり52~122円(年平均78円)の幅で推移している。おでん商戦の開始やさんまが出回るシーズンとなる9月に価格が上がる傾向がある。

輸入量の推移

 平成24年は、前年末からの天候不順の影響を受けて冬から春にかけて供給が不足し、加工・業務用向けによる生鮮だいこんの需要増から、輸入量は大幅に増加した。主な輸入国は中国だが、26年は韓国からの輸入割合が高まっている。

 冷凍、乾燥のだいこんについては、中国からの輸入が大部分を占めており、数量的には横ばいで推移している。

消費の動向

 だいこんは、サラダ、だいこんおろし、漬物や煮物など幅広い献立に使われるが、どちかといえば和食向けの野菜であり、昨今の和食回帰という消費傾向のなかで、さといも、れんこん、ごぼうと並んで注目されている。1人当たりの年間購入数量をみると、平成24年にかけて減少傾向であったが、25年以降は増加傾向で推移している。




今月の野菜「だいこん」 

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