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今月の野菜 ねぎ



ねぎの需給動向   調査情報部

  

 ねぎは、ユリ科の植物で中国西部またはシベリアが原産地とされており、日本へは朝鮮半島を経由して8世紀に伝わったとされている。奈良時代の木簡や「日本書紀」にも記録が残っており、平安時代には食用として盛んに栽培されていたという記録がある。

 もともと、冬の野菜で寒さにあたって風味や甘みが増すため、10月から翌2月に入荷が増えるが、家庭での消費だけでなく、外食や中食でも使われる頻度が高い野菜なので年間を通して安定供給されている。

 また、「白ねぎ」「根深ねぎ」と呼ばれる日光をさえぎって白くした葉鞘部を食べる千住群や加賀群、緑の葉を利用する「青ねぎ」「葉ねぎ」と呼ばれる九条群に大きく分類される。

作付面積・出荷量・単収の推移

 作付面積は、25年は2万2900ヘクタール(前年比99.6%)と前年より微減傾向である。上位5県では、

 ・埼玉県 2420ヘクタール (同100.4%)
 ・千葉県 2400ヘクタール (同 98.0%)
 ・茨城県 1910ヘクタール (同102.1%)
 ・群馬県 1080ヘクタール (同 99.1%)
 ・大分県  878ヘクタール (同100.1%)

となっている。

 出荷量は、25年は38万700トン(前年比99.5%)と前年より微減傾向である。上位5道県では、

 ・千葉県 5万8300トン (同 97.2%)
 ・埼玉県 5万1700トン (同106.4%)
 ・茨城県 4万 900トン (同104.6%)
 ・北海道 2万2000トン (同 87.3%)
 ・群馬県 1万5600トン (同103.3%)

となっている。

 10アール当たりの収量は、北海道の2.93トンが最も多く、次いで千葉県の2.77トン、埼玉県の2.63トンと続いている。全国平均は2.09トンとなっている。

作付けされている主な品種

 関東市場では「白ねぎ」、関西市場では「青ねぎ」が主流で栽培品種も異なる。

 かつて関東で青ねぎといえば、わけぎが薬味として多く使われていたが、輸送技術の向上や食文化の広がりから九州の万能ねぎや京都の九条ねぎを店頭で見かけることが多くなった。

 主産地ではF1の品種が目立つが、一方で鍋料理のバラエティーが広がったことを受け、鍋用の品種が開発されたり、在来の品種、伝統野菜も見直されている。


東京都・大阪中央卸売市場における月別入荷実績

 東京都中央卸売市場の月別入荷実績(平成26年)を見ると、茨城産が周年で入荷しているほか、青森産、秋田産が8月から11月、千葉産が12月から翌8月、埼玉産が12月から翌5月まで入荷している。

 大阪中央卸売市場の月別入荷実績(平成26年)を見ると、鳥取産が周年で入荷しているほか、北海道産が8月から11月、大分産が11月から翌8月まで入荷している。

東京都中央卸売市場における価格の推移

 国内産の東京都中央卸売市場の価格(平成26年)は、1キログラム当たり214~373円(年平均279円)の幅で推移している。月別の推移を見ると、秋冬ものが入荷する9月以降は下降基調となり、10月から11月にかけて最も安くなる。作型が切り替わり後続産地と出荷が重なる3月から4月に再び下げ、5月以降、夏場にかけて、価格は高くなる。

輸入量の推移

 ねぎの輸入量を見ると、生鮮、冷凍ともに中国産が大部分を占めている。平成18年のポジティブリスト施行の影響に加え、20年1月に発生した冷凍ギョーザ事件などから、20年、21年は生鮮ねぎの輸入量は落ち込んだ。22年以降は、円高の影響もあり輸入量が増加し、円安傾向となった26年も中国からの輸入量は5万5111トンとなった。

 中国以外では、生鮮、冷凍ともにベトナムからの輸入が増えている。

消費の動向

 そばやうどんの薬味に、また、鍋料理や焼き物、各種料理の具材などに幅広く使われ、日本の食卓に欠かせない存在となっているねぎだが、1人当たりの家計購入量は平成21年以降、減少傾向で、ここ3年は横ばいで推移している。中食や外食では、外葉をむいてカットするため、太めで長いものが好まれる。




今月の野菜「ねぎ」 

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