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今月の野菜 にんじん



にんじんの需給動向   調査情報部

  

 にんじんは、アフガニスタン周辺が原産とされており、そこから東西2つのルートに分かれて東洋種および西洋種の二系統のにんじんが、わが国に伝わった。

 東洋種は、13世紀に中国に広まり、16世紀末から17世紀にわが国に伝わったにんじんで、現在、栽培および流通している品種には、金時にんじんがある。

 西洋種は、12~13世紀に欧州に伝わり、江戸時代末期に欧州から長崎に伝わったものと、19世紀に米国を経由してわが国に伝わったものがあり、現在、栽培および流通している品種の大部分を占めるものである。

 にんじんの生育適温は18~21度で、高温条件下では病気が多発する一方、3度以下の低温条件下では、肥大が停止する。

作付面積・出荷量・単収の推移

 作付面積は、25年は1万8500ヘクタール(前年比97.9%)と、微減傾向で推移している。上位5道県では、

 ・北海道  5140ヘクタール (同 93.8%)
 ・千葉県  3210ヘクタール (同 99.7%)
 ・青森県  1270ヘクタール (同 99.2%)
 ・徳島県  1030ヘクタール (同101.0%)
 ・茨城県  864ヘクタール (同 99.1%)

となっている。

 出荷量は、25年は53万5900トン(前年比98.5%)と作付面積同様、微減傾向で推移している。上位5道県では、

 ・北海道  16万1400トン (同 93.1%)
 ・千葉県  10万1200トン (同 99.5%)
 ・徳島県  4万7900トン (同107.6%)
 ・青森県  3万7400トン (同 98.4%)
 ・長崎県  2万9700トン (同 93.7%)

となっている。

 10アール当たりの収量は、徳島県の5.12トンが最も多く、次いで和歌山県の4.21トン、愛知県の4.17トンと続いている。全国平均は3.26トンとなっている。

作付けされている主な品種

 主産地では、極早生種の愛紅あいこう彩誉あやほまれ、向陽二号といった早生種で濃紅色の品種が多く作付けされている。

 主産地の動向として、北海道では、府県産同様の春期出荷を目指し、6月下旬から7月上旬には種した雪中栽培(注)による春掘り技術を、土壌凍結しない多雪条件地域で実証した。

 千葉県では、加工・業務向けの省力栽培技術として、栽植密度を株間8センチメートル(収穫時の栽植密度は、1平方メートル当たり27~30本)にした1粒まき無間引き栽培を実証した。

注:収穫できる状態になったものを積雪の中で貯蔵する栽培法。


東京都・大阪中央卸売市場における月別入荷実績

 東京都中央卸売市場の月別入荷実績(平成26年)を見ると、周年で国産にんじんが入荷している。産地ごとの入荷状況を見ると、北海道産は7月から11月まで、千葉産は11月から翌7月まで、徳島産は3月から5月までの入荷となっている。

 大阪中央卸売市場の月別入荷実績(平成26年)を見ると、北海道産および徳島産以外に、長崎産が11月から翌7月まで、鹿児島産が12月から6月まで入荷している。

東京都中央卸売市場における価格の推移

 にんじん価格の月別推移は、冬ものが入荷する11月以降は上昇基調となり、春もの(トンネル栽培)の入荷が始まる4月の価格が最も高くなり、その後、春ものの入荷が本格化する5月以降は価格が落ち着き、秋ものの入荷が本格化する10月に向かって安くなる傾向がある。

 しかし、平成26年については、春先の徳島県、夏場の千葉県、冬場の北海道と順調な出荷が続いたことから、値段は1キログラム当たり85~156円(年平均119円)となり、特に冬に向けて安値で推移した。

輸入量の推移

 生鮮にんじんの輸入量は、平成22年以降増加傾向となり、24年は8万2951トンとなったが、その後の輸入量は減少傾向となり、26年は7万3581トンとなっている。にんじんジュースは、20年以降減少傾向となり、22年は3万1114トンとなった。その後は増加に転じ、26年は4万9108トンとなっている。

 26年の生鮮にんじんの輸入先国を見ると、中国(87.5%)、ベトナム(4.4%)となっている。また、にんじんジュースについては、主に米国(63.5%)、ニュージーランド(16.5%)から輸入している。

消費の動向

 にんじんは、和食、中華、洋食と、幅広い料理に使用されるだけでなく、ジュースや菓子などの材料にも利用されるなど、家庭内で汎用性の高い野菜である。また、近年増加している加工・業務用需要も、カット野菜、冷凍野菜、ジュース用原料など、さまざまな需要がある。それぞれの用途で求められる規格は、家庭用がM~L程度の大きさで、加工・業務用は、加工歩留まりを高めるため、2L以上の大型のものとなっている。

 にんじんの1人当たり年間購入量の推移をみると、平成26年は年間を通して安値で推移したこともあり増加した。




今月の野菜「にんじん」 

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