オクラは、東北アフリカが原産で、わが国へは、江戸時代末期から明治時代初期に中国から伝わったと言われている。わが国で、オクラの栽培および消費が一般的になったのは、サラダ需要が伸び始めた昭和50年代である。
オクラは暑さに強く、気温の高い熱帯では多年草として扱われるが、10度以下の低温条件下では生育が停止し、霜にあたると枯死するなど、寒さには非常に弱いため、わが国では、越冬ができずに一年草として扱われている。
作付面積は、24年は799ヘクタール(22年比106.7%)と22年より増加している。
上位5県では、
・鹿児島県 315ヘクタール (同 99.2%)
・沖縄県 110ヘクタール (同139.2%)
・高知県 90ヘクタール (同102.8%)
・熊本県 50ヘクタール (同180.4%)
・宮崎県 33ヘクタール (同 97.1%)
となっている。
出荷量は、24年は1万1224トン(22年比102.9%)と22年より増加している。上位5県では、
・鹿児島県 4383トン (同102.5%)
・高知県 1946トン (同112.4%)
・沖縄県 992トン (同 83.5%)
・熊本県 898トン (同196.5%)
・宮崎県 523トン (同 76.8%)
となっている。
作付けされている主な品種
主産地の作付品種は、極早生種で主枝の着莢数が低節位から多い「アーリーファイブ」が多い。また、早生種の「ブルースカイ」の作付けも多い。
主産地の動向として、高知県は、トンネル早熟栽培における不織布ベタがけを行うことにより、3月上旬は種ものの苗立ち率を向上させ、安定した早出し出荷を行っている。群馬県は、5月中旬は種と6月中下旬は種を組み合わせることで収穫量を平準化し、夏期の安定出荷を行っている。
東京都中央卸売市場の月別入荷実績(平成26年)を見ると、4月から12月まで国産オクラが入荷している。産地ごとの入荷状況を見ると、鹿児島産は4月から10月まで、高知産は5月から10月まで、沖縄産は5月から12月までの入荷となっている。また、7月から9月までは近在産地の群馬産も入荷している。輸入ものについては、10月から翌6月までフィリピン産やタイ産が入荷している。
大阪中央卸売市場の月別入荷実績(平成26年)を見ると、鹿児島産や高知産以外に、徳島産が6月から10月まで、福岡産が7月から10月まで入荷している。輸入ものについては、タイ産が10月から翌6月まで、フィリピン産は11月から5月まで入荷している。
東京都中央卸売市場における価格の推移
国内産の東京都中央卸売市場の価格(平成26年)は、1キログラム当たり672~2232円(年平均877円)の幅で推移している。月別の推移を見ると、国内産の入荷量が減少する10月以降は上昇基調となり、国内産の入荷量が大幅に減少する1月から3月の価格が最も高くなる。鹿児島産の入荷が始まる4月以降は価格が落ち着き、国内産の入荷ピークとなる7月から8月の価格が最も安くなる。
輸入量の推移
生鮮オクラの輸入量は、平成19年は4038トンで、20年は一時減少したものの、その後は増加傾向となり、26年は5918トンとなっている。冷凍オクラは、19年の2349トンから減少傾向になっており、26年は576トンとなっている。
26年の輸入先国を見ると、生鮮オクラは、主にフィリピン(輸入量に占めるシェア63.3%)、タイ(同36.7%)、冷凍オクラは、主に中国(同66.6%)、タイ(同15.4%)、ベトナム(同13.9%)、インドネシア(同4.1%)から輸入している。
消費の動向
7月から8月は、国産オクラの入荷が最も多い時期である。胃腸の夏バテ予防に効果的なオクラを、是非召し上がっていただきたい。