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今月の野菜

にんじんの需給動向

作付面積・出荷量の推移

  

 にんじんは、北海道、千葉県および徳島県で、全国の出荷量のおよそ6割を占めている。このほかに、青森県、長崎県、茨城県、埼玉県などでも生産されている。にんじんは、生育適温が18~21度と比較的低温を好む野菜であることから、夏でも冷涼な気象条件である、北海道および東北地方から7~11月に出荷される。関東以西の産地は、高温期を避けて11~6月に出荷される。
 にんじんは、出荷時期により、春夏にんじん(4~7月)、秋にんじん(8~10月)、冬にんじん(11~3月)に区分されている。春夏にんじんは徳島県(主な出荷時期:3~5月)、千葉県(11~7月)および青森県(7~11月)、秋にんじんは北海道(7~11月)、冬にんじんは千葉県(11~7月)が主要な産地である。

 平成23年の作付面積は、1万9200ヘクタール(前年比101.1%、200ヘクタール増)(春夏にんじん4,480ヘクタール、秋にんじん6,450ヘクタール、冬にんじん8,240ヘクタール)となっている。各産地の作付動向は、福島県、宮城県、新潟県、岐阜県などで作付面積が減少しているが、大分県、青森県、東京都、福岡県などで作付面積が増加したことから、全国的には微増となっている。

資料:農畜産業振興機構「ベジ探」(原資料:「野菜生産出荷統計」)

 注1:平成17年の作付面積(にんじん計)の統計は、公表されていないため、春夏、秋、冬にんじんの数字を足したものである。
 2:作付面積の全国計は、ラウンドの関係で、春夏、秋、冬にんじんの合計値と一致していない。

 出荷量は、54万6500トン(前年比103.8%、1万9900トン増)(春夏にんじん15万300トン、秋にんじん16万8600トン、冬にんじん22万7600トン)となっている。各地の状況は、春夏にんじんは、主産地の徳島県(同103.6%、1,700トン増)、千葉県(同104.6%、1,100トン増)および青森県(同130.2%、5,100トン増)はそれぞれ増加していが、特に青森県の増加が大きくなっている。秋にんじんは、主産地である北海道が(同99.8%、300トン減)減少したなかで、青森県(同132.5%、2,480トン増)が増加している。冬にんじんは、千葉県(同107.4%、5,900トン増)が大きく増加している。

資料:農畜産業振興機構「ベジ探」(原資料:農林水産省「野菜生産出荷統計」)

 注:平成17年の出荷量(にんじん計)の統計は、公表されていないため、春夏、秋、冬にんじんの数字を足したものである。

 10アール当たり収量については、全国平均で3.22トン(春夏にんじん3.71トン、秋にんじん2.89トン、冬にんじん3.21トン)で、徳島県が5.24トンと最も高収量となっている。
 徳島県は、春にんじんを大型トンネル(高さ1.5メートル)で栽培しており、小型トンネルと比較して、栽培管理作業(間引きなど)が容易であることや、トンネル内が高温になり過ぎないことから、単収が高いと考えられる。春にんじんの生育は、厳冬期から暖候期と生育ステージで寒暖の差が大きいことから、保温および換気といった管理技術が収量を左右する。大型トンネルの使用により、にんじんの生育特性に合わせた温度環境を保つことができ、安定した収量を上げることができる。また、収穫は、専用の収穫機の普及により、生産者の負担も少なく、労働力の低減に繋がっている。
 出荷量全国第1位の北海道は、秋にんじんの産地だが、降雪が多く寒冷な自然条件を生かして、出荷期後半に収穫を行わず、雪の中で越冬させる「雪下にんじん」により、冬~春夏にんじん前半(3~4月)の出荷を行っている。

資料:農畜産業振興機構「ベジ探」(原資料:農林水産省「野菜生産出荷統計」)

作付されている主な品種

 品種は、北海道および長崎県を中心に、古くからある「向陽2号」が多く作付けされているが、千葉県などは、「彩誉」が多く作付けされている。


東京都・大阪中央卸売市場における月別入荷実績

 東京都中央卸売市場のにんじんの月別入荷実績(平成24年)を見ると、周年で安定的に入荷されており、季節に応じて、主に千葉県産、徳島県産および北海道産が多く入荷している。11月から3月までの冬にんじんは、千葉県産、4月から7月までの春夏にんじんは、徳島県産および千葉県産、8月から11月までの秋にんじんは、北海道産が入荷している。
 4月から6月までにかけて中国や台湾などの外国産が輸入されているが、春にんじんの主要産地である徳島県の動向によるものである。平成24年は徳島県産の生育停滞により、4月の入荷量が前年を大きく下回ったことから、輸入量が前年より増加した。
 大阪中央卸売市場のにんじんの月別入荷実績(平成24年)を見ると、東京都中央卸売市場同様に、周年で安定的に入荷している。東京と比較すると、入荷量に差があるものの、冬にんじんは、長崎県産および鹿児島県産、春夏にんじんは、徳島県産、長崎県産および青森県産、秋にんじんは、全国で9割のシェアを誇る北海道産が入荷している。

東京都中央卸売市場における価格の推移

 国内産の東京都中央卸売市場の価格(平成24年)は、キログラム当たり96~176円(年平均単価126円)の幅で推移している。
 年別の価格の推移を見ると、天候等の影響を受けるものの、1月から4月までは、需要の増加により、卸売価格は上昇基調となる。5月からは産地の入れ替わりや需要の減少等により、卸売価格は下落基調となる。10月以降は、需要の減少により再び卸売価格は下落基調となる。平成22年の夏は高温少雨の影響により入荷量が減少したため、卸売価格は上昇した。また、平成24年7月については、北海道産の定植遅れの影響から、出荷が遅れたことにより入荷量が伸びなかったため、卸売価格は下落しなかった。
 外国産の東京都中央卸売市場の価格(平成24年)は、キログラム当たり66~109円(年平均単価80円)の幅で推移している。
 主に外食向けとなる外国産の卸売価格は、国内産の入荷量の増減により上下する。国内産地が限られ入荷量が最も減少する4月が高くなり、5月以降は、国内産の入荷量が増加するために下落基調となる。

輸入量の推移

 生鮮にんじんの輸入量は、平成18年には年間10万5099トンとなったが、平成19年以降、減少傾向で推移し、平成21年には4万2357トンとなった。平成22年には増加に転じ、平成24年には8万2849トンに達した。
 冷凍にんじんの輸入量は、平成16年には年間4,605トンであったが、平成20年以降、減少傾向で推移し、平成22年には2,862トンとなった。平成23年には増加に転じ、4,401トンとなったが、平成24年には3,739トンとなっている。
 生鮮にんじんは、ポジティブリスト制度の導入などを契機に、輸入量は減少したが、最近は、日本国内の天候不順等により秋にんじんおよび冬にんじんの出荷量が減少していることから、輸入量は増加傾向となっている。
 平成24年の生鮮にんじんは、中国7万1259トン(輸入量に占めるシェア:86.0%)、ニュージーランド4,531トン(5.5%)、台湾3,692トン(4.5%)となっている。冷凍にんじんの輸入量を国別で見ると、中国が3,633トンで、97.2%を占めている。

資料:生鮮にんじんは農畜産業振興機構「ベジ探」(原資料:財務省「貿易統計」)、冷凍にんじんは農林水産省「植物防疫統計」

 注:冷凍にんじんについては、検査数量の数値である。

国別輸入量

資料:生鮮にんじんは農畜産業振興機構「ベジ探」(原資料:財務省「貿易統計」)、冷凍にんじんは農林水産省「植物防疫統計」

 注:冷凍にんじんについては、検査数量の数値である。

消費の動向

 にんじんは、カロテンが豊富に含まれ栄養価が高く、家計消費用では、和洋中さまざまな料理に活用できることから、カレー、煮物、サラダなどの野菜としての利用のほか、ケーキや野菜ジュースの食材としても需要がある。料理としての用途が広いため、安定した消費となっており、1人当たり年間の購入量は、最近では2,800グラム前後で推移している。
 なお、加工・業務用需要としては、家庭用同様、カット野菜、冷凍野菜、ジュース用原料などの需要がある。それぞれの用途で求められる規格は、家計消費用が、M~L程度の大きさで、加工・業務用は、加工歩留まりを高めるため、2L以上の大型のものとなっている。




今月の野菜「にんじん」 

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