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今月の野菜

さといもの需給動向

作付面積・出荷量の推移


 

 さといもは、全国で栽培されていますが、千葉県、宮崎県、埼玉県および鹿児島県で全国の生産量の5割以上を占めています。平成20年の作付面積は1万4,000ヘクタール(秋冬さといも1万4,000、その他さといも42)、出荷量は11万200トン(秋冬さといも11万、その他さといも188)となっています(作付面積・収穫量の全国計は、ラウンドの関係で秋冬・その他さといもの合値と一致していない)。

 作付面積は減少傾向にあり、平成14年と20年と比較すると、作付面積では1万7,100ヘクタールから1万4,000ヘクタールと減少しており、出荷量も12万3,400トンから11万200トンと減少していますが、ここ数年は11万トン前後で安定して推移しています。

作付面積の推移


資料:農林水産省「野菜生産出荷統計」

出荷量の推移


資料:農林水産省「野菜生産出荷統計」

 さといもの主要産地の出荷時期は、千葉県産が8~4月、宮崎県産が7~10月、埼玉県産が10~4月となっています。

 東京都中央卸売市場における平成20年のさといもの月別県別出荷数量を見ると、国産さといもに加えて、中国産のさといもの入荷も見られます。

平成20年 さといも類の月別県別出荷実績(東京都中央卸売市場計)


資料:東京都「平成20年東京都中央卸売市場統計年報」
注1:都道府県は、東京都中央卸売市場への1年間の出荷実績の多い
   上位5都道府県を抽出して表示した。
注2:(  )内の数値は、月別出荷量全体に占める割合(%)である。

東京都中央卸売市場における価格の推移

 

  東京都中央卸売市場における平成21年の価格は、キログラム当たり182~381円(年平均単価245円)となっています。

 平成14年と平成21年の推移を見ると、いずれも出荷量の少ない夏場に価格が高くなっており、季節によって価格が変動しています。

卸売価格の月別推移


資料:東京都「東京都中央卸売市場統計」

輸入量の推移

 

 生鮮さといもおよび冷凍さといもの平成14年以降の輸入状況を見ると、輸入先国は依然として中国が大半を占めていますが、中国の食品安全性が大きな問題となったことから、近年の輸入数量は減少傾向となっています。

 中国からの輸入形態は、平成14年は約3分の1が生鮮でしたが、平成21年には、大半が冷凍品となっています。

輸入量の推移


資料:農畜産業振興機構「べジ探」(原資料:財務省「貿易統計」)

国別輸入量

H14 生鮮さといも


H21 生鮮さといも


H14 冷凍さといも


H21 冷凍さといも


資料:農畜産業振興機構「べジ探」」(原資料:財務省「貿易統計」)

消費量の推移


 

 さといもの消費量は、家庭での調理に手間がかかるなどの理由により、減少傾向にありましたが、皮むきされたさといもが販売され、利用しやすくなったこと、和食の煮物料理の食材やみそ汁の具として根強い人気があることなどから、近年の消費量は安定して推移しています。平成14年からのデータを見ると1人当たり年間購入量は、770~950グラムとなっています。

1人当たり年間購入量の推移


資料:農畜産業振興機構「べジ探」(原資料:総務省「家計調査年報」)


今月の野菜 

おめでたいときの「ハレ」の野菜“さといも”



楕円形と丸形の
‘さといも’が主流

‘親いも・子いも’の
塊の‘八つ頭’


市場から

 

 ホクホクした食感と独特のねばりが特徴で、冬の煮物やお正月料理に欠かせない野菜が‘さといも’です。

 原産地はインド東部からインドシナ半島にかけた熱帯地方で、タロイモの仲間といわれています。

 日本へは中国を経て縄文時代に伝わったといわれ、お米より古い主食であったとも考えられています。江戸時代にさつまいもが栽培されるまでは、‘いも’といえば、‘さといも’を指していました。

 ‘さといも’は、根ではなく球茎といわれる肥大した地下茎で、種ではなく、‘いも’で増えます。球茎の中心にある‘親いも’から‘子いも’、‘孫いも’へと増えていくことから、子孫繁栄の縁起物として、お正月や十五夜などのおめでたい日に食べられる「ハレ」の野菜です。昔はお米を作れない地方で、おもちの代わりとしてお雑煮に入れる習慣があります。

 現在、‘さといも’は、子いも・孫いもを食べる‘子いも用品種’、親いもも子いもも食べる‘親・子いも兼用品種’、親いもを食べる‘親いも用品種’に分類されます。このほか、‘ズイキ’と呼ばれる葉柄を食べる‘葉柄専用品種’もあります。
 近年、消費の減少などにより生産量は減少傾向です。今年の生産動向を見ると、夏場の猛暑の影響で生育が遅れ、供給量は少なめとなっています。価格も高めで推移していますが、年明け後の主産地の関東地方や南九州地方からの供給量の増加が期待されます。

 ‘さといも’の旬は10~12月の秋から冬にかけてですが、土の中に埋めて保存することができるので、貯蔵性が良く、最近では一年中出回っています。品種によって、真夏や真冬に旬を迎えるものや、食感がホクホクしたものもあれば、ねばりが強いものもあります。また、何年か続けて栽培すると連作障害を起こすことから、毎年畑を変えています。

 ‘さといも’は、長い伝統がある料理やなつかしい郷土料理に欠かせません。また、日本人が昔から大好きな‘いも’の代表格として歴史が深い上、形や食感が各地で異なるので、実に‘奥の深い’野菜です。

もっとおいしく! オススメの食べ方

 

  ‘さといも’は、煮物料理やみそ汁に入れて食べることが多いですが、品種によって食感が異なるので、好みによって使い分けると一味違った料理になります。
 寒い夜には、けんちん汁の具材として利用すると、ホクホクとおいしい上、体を温めることができます。

情報提供:東京青果株式会社
 加藤 宏一
おいしい“さといも”を選ぼう!
おいしいばれいしょを選ぼう!
 
 
 
  土が適度についており、表面がしっとりと湿っているものが新鮮です。シマ模様がくっきりと出ているものが、順調に生育した良品のさといもです。重量があり、固くて、しまったものを選びましょう。

 表面の土を洗ってあるものは、品質の低下が早く、風味が落ちている場合があります。乾燥に弱いので、表面に傷やひび割れがあるものは避けましょう。押すとふかふかするものは、傷んでいる可能性があります。

 

さといもの栄養と機能性


ばれいしょの栄養と機能性

 

 主成分がでんぷん質のさといもは、水分が多いことから、一般的にカロリーが高い‘いも類’の中では、最も低カロリーです。また、さといもは、‘いも類’の中で最もカリウムが豊富に含まれているので、余分な塩分を排出する効果があり、高血圧の予防につながります。
 そのほか、食物繊維が多く含まれています。食物繊維は便秘の解消に効果があるので、低カロリーのさといもを食べれば、肥満解消にもなり、生活習慣病の予防にもなります。寒い冬には煮物などに積極的に利用し、たくさん食べると良いでしょう。

「五訂日本食品標準成分表」 さといも(球茎・生)より
30歳女性1日当たりの栄養摂取基準量を100とした場合における、さといも(球茎・生)100グラム中に含まれる主な栄養素の割合(ただし、カリウムおよび食物繊維は、目安量の値を、そのほかは推奨量の値を用いた。)



さといもに含まれる心強い‘ぬめり’成分のいろいろ



 さといもの特徴の一つである‘ぬめり’は、マンナン、ガラクタンなどの多様な成分から構成されています。
 マンナン、ガラクタンは食物繊維の一種で、マンナンは便秘の解消や糖尿病の予防効果で知られています。ガラクタンには、腸の働きを活発にする上、血糖値の上昇を抑える効果があります。さといものぬめり成分は、生活習慣病の予防に心強い存在です。

監修:実践女子大学教授
田島 眞





さといものいろいろ 種類・品種の特徴 ばれいしょのいろいろ
ばれいしょのいろいろ ※クリックすると拡大します。


監修:元農林水産省野菜試験場育種部 芦澤 正和

さといもの主要産地
ばれいしょの主要産地と収穫時期
 注:図中の番号は収穫量の多い順番、期間は主な出荷期間を表しています。
資料:農林水産省「平成20年産野菜生産出荷統計」、東京都中央卸売市場統計、大阪府中央卸売市場統計


調理のヒントと保存方法

【調理のヒント】
 さといもを調理する際に、手の皮膚がかゆくなるのはシュウ酸カルシウムのとがった結晶が原因です。この物質は酸に弱いので、皮をむく前にさといもを酢水にひたすとよいでしょう。ゆでるとアクが出るので、お米のとぎ汁に酢を少し加えてゆでると、仕上がりが白くてきれいな上、柔らかくなります。
 さといものぬめりは、皮をむいた後に塩もみをするか、水洗いをすれば取れますが、多くの健康効果が期待できるので、できるだけ落とさないようにして調理するのがポイントです。ぬめりを残した料理としては、「煮ころがし」がよく知られていますが、ぬめりを落とすと味がしみ込みやすくなるという特徴もあります。

【保存方法】
 さといもは、寒さと乾燥が苦手なので、冷蔵庫には入れずに新聞紙に包んで常温で保存しましょう。表面が湿っている場合は、そのままだとカビ臭くなるので、天日でさっと乾燥させるのがよいでしょう。皮をむいてあるものは、痛みが早いので2~3日で使いきりましょう。皮をむいて固めに塩ゆでして、水気を取れば、冷凍保存も1カ月程度可能です。数が多いときは、冷凍が便利です。









今月の野菜「さといも」 

産地紹介
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