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今おいしい“さといも”が人気
関東でよく出回る
土垂
(
どだれ
)
。
粘りが強いのが特徴。
色鮮やかな“セレベス”。
ホクホク感が持味。
市場から
さといもの名前は、山に自生するやまのいも(自然薯)に対して、村(里)で栽培されることに由来しています。日本への渡来は古く、中国や南方から縄文時代に伝わったとされています。さといもは、縄文時代には主食であったとの説もあり、稲作より歴史のある作物です。また、子いもがたくさん増えることから子孫繁栄のめでたい食べ物とされ、正月や節句の料理には欠かせないものです。
さといもは、種ではなくいもで増えます。株の中心に大きな親いもがあり、そこから子いもが分球して増えていきます。孫いもは子いもからさらに分球したいもをいいます。
さといもは食べる部位によって子いもや孫いもを利用する子いも用品種(土垂、石川早生など)、親いもと子いもをともに利用する親・子いも兼用品種(唐いも、八つ頭、セレベスなど)、親いもを利用する親いも用品種(たけのこいもなど)に分類されます。その他葉柄(ずいき)を食べるための品種もあります。品種によって大きさも形も味も様々で、日本にあるさといもは15種類33系統あるといわれています。
価格の動向を見ると、今年は主産地の関東産が夏の高温・干ばつにより肥大が悪く、また台風で葉がやや損傷したため作柄があまり良くなかったことと、中国からの輸入の減少により、平年より高めに推移しています。
今出回っている主な産地は埼玉の川越や所沢地域、千葉の八街地域などですが、最近は地域特産のさといもも出回るようになり、福井県の大野在来や愛媛県の女早生など値段は少々高めですが、粘質が強く煮崩れしにくいことから人気を得ています。
また最近は、高齢化の進展もあり、おいしい和食を食べたいという和風回帰の傾向がみられ、国産のおいしいさといもを食べたいという消費者が増えています。
品種によって大きさも形も味も様々ですが、おいしい“さといも”を使った料理を是非一品に加えてみてはいかがでしょうか。
もっとおいしく! オススメの食べ方
さといもといえば筑前煮などの煮ものがおすすめです。
仙台味噌や赤味噌を使った味噌汁や田楽もおすすめです。
蒸して塩をかけて食べるきぬかつぎやけんちん汁もいいですね。
情報提供:東京青果株式会社
課長補佐 加藤宏一
おいしいさといもを選ぼう!
適度な泥が付いており、少し湿り気のあるものを選びましょう。
さといもは品種によって形も大きさも多様ですが、大きさと形のそろいのよいものを選びましょう。
表面が割れているものや触って柔らかいものは避けましょう。
さといもの栄養と機能性
さといもはいも類の中では低カロリーで食物繊維が豊富なため肥満予防に効果的な食べ物といえます。
また、アミノ酸代謝や神経伝達物質の生成等に関与しているビタミンB6、血圧を上昇させるナトリウムを体外に排泄することにより血圧を下げて高血圧の予防・改善を促す効果があるカリウム、骨を丈夫にするマグネシウム、鉄欠乏性貧血を防ぐ鉄、味覚の発達を促す亜鉛、欠乏すると悪性貧血を招く銅などのミネラルを豊富に含む健康食品といえます。
「五訂日本食品標準成分表」 さといも(球茎・生)より
30歳女性1日あたりの食事摂取基準を100とした場合における、さといも(球茎・生)100g中に含まれる主な栄養素の割合。(ただし、葉酸、ビタミンB6、マグネシウムは、推奨量の値を、その他は目安量の値を用いた。)
さといもは食物繊維が豊富
さといもには独特のぬめりがありますが、ぬめりにふくまれるガラクタン、グルコマンナンは水溶性食物繊維の一種です。食物繊維は腸を刺激して便秘の予防改善をするのと同時に、血糖値やコレステロール値を下げる働きがあるといわれ、生活習慣病の予防が期待されています。グルコマンナンは、こんにゃくに多く含まれていることで知られています。
監修:実践女子大学教授
田島 眞
さといものいろいろ 種類・品種の特徴
※クリックすると拡大します。
※クリックすると拡大します。
監修:元農林水産省野菜試験場育種部 芦澤 正和
さといもの主要産地と収穫時期
全国の収穫量は174,400トン(平成18年)となっています。
さといもの生育適温は25~30℃で、生育には多日照と高温多湿が必要です。
さといもは北海道を除く全国で生産されています。主な産地は、南九州の鹿児島県や宮崎県、関東の千葉県や埼玉県です。初夏にはトンネル栽培で作られた南九州の早堀りさといもが出荷され、秋まで全国各地で収穫されます。秋に収穫されたさといもは子いもと親いもに選別して出荷するほか、翌年まで出荷できるように畑の中に貯蔵し、1月から順次掘り出して春先まで出荷されます。
資料:農林水産省「平成18年産 野菜生産出荷統計」
注:図中の番号は収穫量の多い順番です。
【調理のヒント】レンジで簡単
「きぬかつぎ」皮ごとゆでて塩をふるだけの素朴な味わいの「きぬかつぎ」。電子レンジでも簡単にできるので、子いもが手に入ったらぜひお試し下さい。
さといもには独特のぬめりがあるため調理しづらいところもありますが、土を洗い落した後、よく乾かすか水気をふきとると、むきやすくなります。また、かゆみの原因は針のように尖っているシュウ酸カルシウムの結晶で、これが皮膚を刺激してかゆくなるようです。シュウ酸カルシウムは酸に弱いので、いもを酢水につけたり、指に酢か塩をつけてむくとかゆみがやわらぎます。
さといものぬめりには薬効成分がたっぷり含まれているので、できるだけ落とさずに調理したほうがよいのですが、ぬめりが多いと味がしみ込みにくく、火を通した時に色が濃くなってしまうので皮をむいた後塩もみするか、いったんゆでてさっと洗って適度にとりましょう。
産地紹介「福井県大野市・勝山市(さといも)」
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産地紹介
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