(1)選果基準
JAごしょつがるでは、メロンの選果基準として、規格品の等級は5段階、階級は重量に応じて7段階の計35等階級に分かれている。等級は、糖度や熟度といった内部品質と、球形、ネット密度、傷の有無といった外部品質で分類している。最上級の「プレミアム」は、糖度17度以上、なおかつ外観やネット密度が極上のものが該当する。プレミアムの基準を満たす個体は、年間数%である。次が「特秀」、「秀」、「優」で、糖度14度以上17度未満のものを、外観とネット密度に応じて3段階に分類している。このうち糖度15度以上のものを「つがるブランド」として販売している。その次が「A」で、糖度13度以上14度未満とやや低いが、ネット密度がしっかりしているものが該当する。そして、糖度12.9度以下は「糖度落ち」に分類する。
(2)荷受けから出荷までの工程
選果場の工程を大まかに見ると、まずコンテナで荷受けしたメロンを、コンベアに載せて選果ラインを移動させる。オート・ラベラーで、1個1個にシリアルナンバーを記載したシールを貼付する(図の(2))。
次に、充実度センサーと内部品位センサーで充実度・糖度といった内部品質の非破壊検査を行い(同(3)、(4))、画像処理装置で外観(同(5))を計測する。その次に、高温による品質低下や輸送中の荷傷みへの対策として、また、メロン果皮の黄化やカビを抑制するために、鮮度保持装置で近赤外光を照射する(同(6))
(注3)。(3)、(4)、(5)で1個1個計測したデータに基づいて、選果基準に照らして高速ソータが仕分けを行い(同(7))、自動箱詰装置のロボットがメロンを吸引して等階級別に段ボール箱に詰める(同(8))。
このように、コンベアで運搬し、ロボットで吸引して箱詰めを行うなど、荷傷みを防ぐために、人間の手が極力触れない設計となっている。選果データは、出荷日ごとに生産者にフィードバックしている。プレミアムを目指す生産者は、収穫するタイミングの調整に選果データを活用している。
(注3)秦亜矢子・垣渕和正(2024)「収穫後のメロンの品質に及ぼす近赤外光照射の影響」四国総合研究所『研究期報』、27~34ページ
(3)内部品質と外観の測定方法
前述したように、嗜好品であるメロンは内部品質と外観によって価値が決まる。前述した選果基準に基づいて選果するために、メロン1個1個の内部品質と外観を測定し、そのデータに基づいて選果を行っている(写真1、2)。これらを測定する(3)、(4)、(5)が特に重要な工程である。
(3)の充実度センサーでは、重量と体積を計測して密度を算出している。重さにより階級を判別するとともに、密度の高低により、にがみ果などの傷害果を識別している。
また、(4)の内部品位センサーでは、光センサーで糖度を計測し、過熟果やうるみ果を識別する。さらに(5)の画像処理装置では、CCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)カメラで上部と側面2カ所の計3カ所を撮影してデジタル画像処理し、球形のバランス、外部障害の有無、ネット密度を算出する。ネットはメロン表皮の網目であるが、白く映し出されるネット面積が表皮面積に占める割合を計測して、ネット密度を算出する。
このように計測した結果を基に、選果基準に則し1個1個に等階級を付与している。
(4)選果による販売への効果
このように、内部品質と外観を客観的に測定し、細かい選果基準に則って選果することにより、等級に応じた販売が可能となった。「プレミアム」は高級果実店や贈答用に出荷し、「つがるブランド」は大阪を中心に大消費地の量販店で販売している。規格外品の「糖度落ち」についても、選果機導入前は地元で直売していたが、洋菓子店や外食店といった実需者の要望に応じて販売できるようになった。