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(野菜情報 2016年10月号)

今月の野菜

産地紹介:高知県
   JA南国市~日本一のししとうがらし産地~

南国市農業協同組合 経済事業部営農渉外課 ししとう担当 安岡 豊臣


 産地の概要

南国市農業協同組合(以下「JA南国市」という)は一部地区(十市とおち農業協同組合と長岡農業協同組合管内)を除いた南国市を管内としている(図)。南国市は、県下最大の都市である高知市の東に隣接し、総面積は125平方キロメートル、人口は約万人である。



市の南側には太平洋が広がっており、夏季は太平洋からの湿った風を受けて雨が多い。冬季は四国山脈から連なる山々が大陸からの雪雲を遮り、雨が少ないという特徴がある。温暖な気候を利用し、平野部では昔から米の二期作が盛んであったが、現在では米の早期栽培や施設園芸に力を入れている。また、国産ししとうがらしの約割が高知県産であり、その割以上を南国市産が占め、日本一の産地として知られている。

JA南国市の平成27年度の総販売額は27億8492万円であり、園芸が22億6030万円(81.2)、米が億1187万円(11.2)、生乳が億1002万円(7.5)、果樹が273万円(0.1)となっており、園芸が割を占めて主要品目となっている。

園芸の品目別販売高をみると、にら億6633万円(20.6)、ししとうがらし億2474万円(18.8)、大葉億3356万円(14.8)、そのほかピーマン、新しょうが、小なすなどとなっており、ししとうがらしは、園芸品目のなかで番目に位置している。

 栽培概要

高知県のししとうがらしの栽培は、昭和13年に和歌山県から南国市前浜(市南部の海岸線沿い。当時の前浜村)へ移住した人たちによって始まった。それ以降、前浜を中心に栽培されていたが、40年ごろから生産量が増加し、全国位の産地を築き上げた。

JA南国市のししとう部会は、現在、生産者44戸、作付面積451アールで、周年で栽培が行われている。そのうち、促成栽培は33戸で作付面積385アール、雨よけ栽培が11戸で66アールである。高齢化や資材費などの経費の高騰により、栽培戸数はやや減少傾向にある。

促成栽培は、しゅ月末から月上中旬、定植は月で、収穫は10月中旬から翌月下旬まで行われている。雨よけ栽培は、月上中旬に播種、月上中旬に定植し、月中旬から12月下旬まで収穫する(図、写真)。主な栽培品種は「葵ししとう」である。





ししとうがらしは、ピーマンに比べて小さく軽量であることから、高齢者に向いた品目と言える。また、収穫期間が長いことから、安定した収量の確保が望める一方、収穫作業に手間がかかる品目とも言える。

高知県では、害虫に対して農薬をできるだけ使用せず、天敵を利用するエコシステム栽培(総合的病害虫管理(IPM)の一種)という技術の導入を進めている。天敵は、農薬の代わりに購入して放すばかりでなく、土着(もとから生息している)天敵を捕獲してハウス内に放して利用している。具体的には、害虫であるアザミウマ類に対する天敵はタイリクヒメハナカメムシ、タバコカスミカメ(土着天敵、写真2)などであり、アブラムシ類にはコレマンアブラバチやヒメカメノコテントウ(土着天敵)である。また、天敵のすみかとなるバンカープラントを植えている(写真3)。





さらに、施設内環境の数値化や収量の増加、管理作業の省力化を目指す、環境制御という新しい技術の導入も推進している。そのため、ハウス内の温度、湿度および二酸化炭素濃度を測定する環境測定装置や、植物の光合成を促進するために必要な二酸化炭素を発生させる炭酸ガス発生装置、日射量に応じてかん水量をコントロールする日射比例かん水装置など、環境制御技術に基づく新しい装置の普及促進を行っている。

出荷は、生産者各自が選別の上、パック詰めして出荷場に持ち込む個選と、コンテナに詰めて出荷場に持ち込み、そこで共同で選別する共選とに分かれる。JA南国市のししとう部会は中央と南部に分かれており、中央は共選、南部は個選である。共選、個選の違いで販売金額に差がつくことはないが、共選は選別の手数料が必要となる。

 販売戦略

規格は、100グラムパック詰めで、ALAM、Ⓐ種の等階級がある。また、等級をキログラムのネット詰めで出荷している。パックや出荷段ボール、ネットには、生産者番号を記入している(写真)。何か問題があった際にすぐに対応ができるようにという、品質管理上の配慮である。

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ししとうがらしは、県下の各農協で生産されたものを高知県園芸農業協同組合連合会(以下「高知県園芸連」という)で集約され、全国の市場に向けて出荷される。県下の各産地や個選、共選の違いで選別に差が出ないように、高知県園芸連から検査員に来てもらい、生産者による目慣らし会を行っている。

これまで、JA南国市のししとうがらしを広くアピールするため、南国市産のほかの品目と一緒に、関東や関西の量販店などでJA南国市園芸女性部を中心とした試食・宣伝活動を展開してきた(写真)。その際には、高知県園芸連が発行しているレシピの載ったリーフレットや、園芸女性部の作成したレシピ集などを活用し、消費の拡大につなげる提案も実施している(写真7)





一言アピール

南国の太陽に育てられたししとうがらしは、ぷっくりとみずみずしく、ビタミンCやカロテンを豊富に含んでいる。ししとうがらしは切る手間がいらず、洗って調理をし、そのまま食べられる便利な野菜で、苦みが少なく食べやすいといった特徴がある。天敵を使用したエコシステム栽培など、安全・安心を目指して栽培しているJA南国市のししとうがらしを見かけたら、ぜひご賞味いただきたい。

お問い合わせ先

担当部署:南国市農業協同組合 経済事業部 営農渉外課
 住  所:〒783-0032 高知県南国市上野田303-1
 電話番号:(088)863-2415 FAX番号:(088)864-5300
 ホームページ:http://ja-nan59.or.jp/

今月の野菜「ピーマン」


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