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(野菜情報 2015年5月号)

今月の野菜

産地紹介 : 秋田県 JA秋田しんせい
~土づくりへのこだわりで鮮やかなグリーンアスパラガスを栽培~

秋田しんせい農業協同組合
営農生活部園芸販売課 加藤 敏廣

1 産地の概要

 秋田しんせい農業協同組合(以下、「当JA」という。)は、秋田県の南西部に位置し、東に出羽山地、西に日本海、南に鳥海山を擁しており、その海と山がもたらす影響で比較的穏やかな気候となっている。県内の他地域に比べると、積雪量も少なく気温も高い地域で、子吉川こよしかわを本流とする清らかな河川もあり、自然に恵まれた緑豊かな地域である(図1)。

 当JAは、平成9年4月1日に旧本荘市、旧岩城町、旧大内町、旧東由利町、旧由利町、旧矢島町、旧鳥海町、旧西目町、旧仁賀保町、旧金浦町、旧象潟町の11JAが広域合併して誕生した。これらの地域は、17年の市町村合併で、由利本荘市とにかほ市の2市となり、管内の面積は、1450平方キロメートルで、秋田県の約1割を占める(図1)。当JAの26年の販売額は89億円で、そのうち米が62億円(70%)、畜産が15億円(17%)、野菜が5億円(5%)、花きが4億円(4%)となっている。野菜は、アスパラガスが最多で、次いでミニトマト、ねぎとなっている。

 当JAのアスパラガスは13年、農家数21戸、面積約3.5ヘクタールで栽培がスタートし、翌年から関東市場への出荷を開始した。6年後の19年には販売額1億円を突破し、現在は139戸、37ヘクタールで栽培されている。本格的な栽培開始から10年以上経過し、県内でも有数の産地となっている(表1、図2)。

2 収穫時期と栽培の特色

(1)収穫時期

 当JAのアスパラガス栽培は、管内全域で行われているが、特に沿岸部(岩城地区、仁賀保地区、象潟地区)と山間部(鳥海地区、東由利地区)での栽培が多く、その中でも鳥海地区の出荷量が全体の半分を占めている。

 沿岸部は、県内でも雪解けが早いことから、例年5月の連休ごろから出荷が開始され、少し遅れて山間部からの出荷となる。

 アスパラガスは、春と夏から秋にかけて、年2回収穫を行う(写真1、2)。

 当JAでは標高差を生かし、広範囲にわたる収穫リレーを行っており、安定出荷につながっている。また、ハウスを利用した半促成栽培の作付面積が、少しずつではあるが増加し、27年から収穫が開始される。半促成栽培は、雪の少ない沿岸部が栽培地域となるが、27年は半促成~沿岸部~山間部へと収穫リレーの幅が広がり、出荷量の増大が期待される(表2)。

(2)栽培の特色

 当JAは、比較的収量が高い品種であるウェルカムを当初から導入している。

 また、当JAは、土づくりにこだわり、良質な堆肥を使った生産に取り組んでいる。特に、アスパラガスは堆肥を多く使うことから、「アスパラガスは、土づくり」を合言葉に、積極的な土づくりを行っており、地域で生産される牛ふんを主とした堆肥を、毎年10アール当たり4トン投入している(写真3)。しかし、牛ふん堆肥は遅効性で、長期間肥効が発現し、長期栽培ほ場では土壌への過剰な養分蓄積が課題となっている。このため、過剰な追肥などを防ぐために、緩効性肥料(注)を使うことにより、環境負荷の軽減に取り組んでいる。

注:作物の生育に合わせて肥料分(主に窒素)の発現速度を緩やかに調節する肥料。
  代表的なものとして、LPコートなど。

3 出荷および販売戦略

 現在、出荷先は関東市場が64%、県内市場が22%、仙台市場が12%、その他が2%となっており、関東市場への出荷が最多となっている(図3)。関東市場の中でも、東京都や神奈川県など、京浜地域への出荷が多くなっている。

 生産者の出荷作業を軽減するため、平成15年に選別機、結束機を備えた広域集出荷所を本荘地区に建設し、共同選果が可能となった。これにより、全量共選、共販体制が確立された。

 生産者は、収穫したアスパラガスを決められた長さにそろえ、庭先選別を行いコンテナに入れ、各集荷所に運ぶ。各集荷所からさらに広域集出荷所に集約され、広域集荷所で機械選果される。

 規格は、3L、2L、L、M、Sの5種類があり、最多は2Lとなっている。県内で初めてとなる100グラム結束や蓄冷材入りの発砲スチロール箱での出荷に加え、22年からは、3L規格の差別化商品作りに取り組み、鮮度保持フィルムを使用した500グラムの業務用の出荷を開始するなど、多様なニーズに対応している。

4 課題と今後の対応

 当JAのアスパラガスは、「色が濃い・甘い・やわらかい」と市場で高い評価を得ている。

 アスパラガスは、1つの株で10年以上収穫できるが、長期栽培ほ場では、近年、株の老齢化による単収低下が見られ、作付戸数および面積は微増しているものの、販売額はここ数年横ばいの状態が続いている。このため、早急な改植(既存の株から新たな株に切り替えること)の取り組みが求められている。

 主力農産物である生産調整・米価下落の影響もあり、新規の栽培者は微増傾向にある。管内の全域で栽培されているメリットを生かしながら、仲間づくりを今まで以上に強化し、さらなる生産基盤の強化を目指していきたい。

一言アピール

 アスパラガスは、ルチンと呼ばれるビタミンPを先端に多く含む。
また、名前の由来であるアミノ酸の一つである「アスパラギン酸」を多く含むほか、カロテン、ビタミンC、ビタミンE、葉酸、食物繊維を含み、特に根元にはサポニンの一つである「プロトディオシン」が豊富である。
当JAのアスパラガスは、大地と太陽の恵みを受けて太く、まっすぐに育ち、色鮮やかなグリーンを身にまとい、味は甘く軟らかい。当JAの自信作を是非ご賞味いただきたい。

お問い合わせ先

担当部署:秋田しんせい農業協同組合 営農生活部 園芸販売課
住  所:秋田県由利本荘市荒町塒台1-1
TEL:0184-27-1601 FAX:0184-27-1602
ホームページ:http://www.akita-shinsei.or. jp/

今月の野菜「アスパラガス」 /


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