[本文へジャンプ]

文字サイズ
  • 標準
  • 大きく
お問い合わせ

(野菜情報 2014年6月号)

今月の野菜

産地紹介:福島県
福島県産きゅうりの生産状況と“キュウリビズ®”
による消費拡大について

全国農業協同組合連合会福島県本部
園芸部園芸課 一条 正人

産地の概要

 福島県は、東北地方の南部に位置し、面積は約1万3782平方キロメートルで、北海道、岩手県に次ぐ全国3番目の広さである。県庁所在地の福島市は、東京から約270キロメートルで、JR東北新幹線で約90分の位置にあり、関東地方に隣接している(図1)。
 東西に広い本県は、南から北へ連なる阿武隈高地と奥羽山脈によって、「中通り」「会津」「浜通り」の3つの地方に分けられる。同じ県内でも、この3つの地方では、気候が大きく異なる。


きゅうり生産状況

 本県産のきゅうりは、平成25年の栽培面積が728ヘクタール(全国第2位)、同出荷量が3万7600トン(全国第4位)で、全国的にもきゅうりの主産県となっている(表1)。中でも本県は夏秋きゅうり(露地栽培)が主力の産地で、夏秋時期での同出荷量は2万9800トン(全国1位))となっており(表2)、本県本部扱いでも、野菜全体の販売額の43%を占める主力品目である。


 夏秋きゅうりは、例年7月下旬~8月上旬が出荷ピークとなるが、関東・京浜市場を中心に8月下旬以降の出荷量の確保を要望されていた。この要望に対し、は種および定植の分散化など、産地の努力の成果もあり、極端な出荷のピークも抑えられたことから、出荷後半(8月下旬以降)の出荷量も緩やかに減少する傾向となっている(図2)。

 作型を見ると、4月上旬は種の雨よけ栽培から7月中旬は種の抑制栽培まで、は種期間が長期化しており、収穫および出荷についても、5~12月上旬まで長期にわたる。
 これにより本県は、関東産等との端境期の出荷量を確保することができ、国産きゅうりの安定供給を担っている。

物理的防除を活用した栽培

 きゅうりは、アブラムシによるウイルス病(急性萎凋いちょう症)の被害が大きく、り病株は治療剤の効果もないため、アブラムシ防除の徹底が求められている。本県では、薬剤防除に頼りすぎない物理的防除として、露地作型に対して1ミリ目防虫ネットでアーチを被覆することにより、薬剤散布回数を削減し、アブラムシ密度の軽減を行っている(写真1)。また、防虫ネット被覆栽培では、着果と果形の安定を図るため、ミツバチを導入している。これらの技術を励行することにより、本県産夏秋きゅうりの安定出荷が図られている。

<キュウリビズ®とは?>

 キュウリビズ®(平成19年3月商標登録)とは全農福島県本部が、「暑い夏にはきゅうりを食べて、体をクールダウン」することと「クールビズ」をもじって提唱した。きゅうりは、成分の95パーセントが水分であり、ほてった体を冷やす効果(クールダウン)がある。また、きゅうりに多く含まれるカリウムは、体内の塩分の排出を助ける働きがあると言われており、暑い夏にきゅうりを食べることは理にかなっているため、旬のきゅうりの消費拡大を促すことを念頭に考えたキーワードである。

キュウリビズ®による消費宣伝

 平成18年より、キュウリビズ®を前面に、きゅうりの消費拡大へ向け取組みを実施してきた。
 まず、東北6県統一のPR活動である。大田市場に東北全農各県本部トップとキャンペーンガールがそろい「キュウリビズ®・キックオフ宣言」を行い、試食会では、氷水で冷やした各県自慢のきゅうりに、自慢の味噌を付けてまるごと1本食べ比べするなど、場内の仲卸業者および買参人達に東北産きゅうりのPRを行った(写真2)。

 さらに、キュウリビズ®ポスター(写真3)を活用し、継続的にJR車両内に掲載した交通広告により、消費者へのPRを行った。

 特に、昨年実施した「キュウリビズ®フェアin銀座」(写真4)では、商業施設(プランタン銀座・マロニエゲート)前で、旬のきゅうりを2000名に配布し、商業施設内にある21店舗の飲食店の協力を得て、東北産きゅうりを使用した料理を7月9日~21日まで販売するなどの取り組みを行った(写真5)。加えて、多数の報道関係者の方にも足を運んでいただき、取組みを大きく取り上げていただいた。


一言アピール

 きゅうりは、さわやかな香りと食感が特徴である。福島県産きゅうりは、6月から出荷が始まり、7~8月にかけてピークを迎える。露地栽培が多いこと、昼夜の気温差が大きいことなどから、食味が良いことでも定評がある。
 これから本格的な夏を迎えキュウリビズRの広告やイベントを見かける機会の増える季節に入るが、涼を呼ぶ福島県産きゅうりをぜひともご賞味いただきたい。

東北のきゅうりで、夏を涼しく。
「お・ひ・と・つ・ど・う・ぞ」

お問い合わせ先

全農福島県本部 園芸部園芸課
〒960-0296 福島市飯坂町平野字三枚長1-1
TEL:024-554-3293 
FAX:024-554-3289
E-Mail:ichijou-masato@zennoh.or.jp

今月の野菜きゅうり


今月の野菜
元のページへ戻る


このページのトップへ