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(野菜情報 2013年9月号)

岩手県 岩手ふるさと農協園芸部会ピーマン専門部


ピーマン県内一の信頼産地を目指して



岩手ふるさと農業協同組合 営農経済グループ園芸課 吉田 勝弥



 

産地の概要

 岩手ふるさと農業協同組合(以下、「JA岩手ふるさと」という。)は、平成10年7月に旧JA水沢、旧JA前沢、旧JA金ヶ崎、旧JA胆沢、旧JA衣川の5農協が合併して誕生した農協です。西側を奥羽山脈、東側を北上山地で挟まれる、北上盆地の南部に位置する奥州市(江刺区を除く)と金ヶ崎町を事業区域としております(図)。
 JA岩手ふるさとでは、事業区域を旧市町村の区分による5つの地域に分け、それぞれの地域に地域センターを設置し、稲作を中心として、「前沢牛」「いわて奥州牛」の2大ブランド牛をはじめ、野菜、果樹、花きなど、各地域の強みを発揮した多種多様な農畜産物を生産しています(表)。

図:岩手県におけるJA岩手ふるさとの位置と各地域

ピーマン生産経過の概要

 JA岩手ふるさとにおけるピーマン栽培は、昭和50年に水田転作により導入され、栽培面積20アール、栽培者4~5名で胆沢地域から始まりました。当時は手作業による袋詰めのため、出荷作業に時間が掛かり、面積の拡大は困難でした。そこで、昭和53年に手詰め包装機を、昭和54年にはコンピュータスケール(150グラム自動計量)を導入し、昭和55年にはピーマン専用集荷場、予冷施設、製封函機、自動包装機を導入したことで、生産者の省力化を図ることができたことから、面積拡大につながりました。

 ピーマン導入当時は露地栽培が主流でしたが、昭和55年の大冷害を契機に、パイプハウスが導入され、施設園芸への取り組みが進み、一時は栽培面積が50ヘクタール台まで拡大しました。しかし、転作緩和による復田や基盤整備などにより、昭和62年をピークに栽培面積が減少してきました。そのため、JA岩手ふるさと園芸部会ピーマン専門部、県などの関係機関、JA岩手ふるさとの重点支援などの取り組みを継続的に進めた結果、現在の栽培面積は約30ヘクタールまで回復し、ここ数年の生産量は右肩上がりで推移しており(表2)、JA岩手ふるさとにおける園芸販売金額の約25%を占めております。

ピーマン生産拡大の取り組み

 JA岩手ふるさとでは、ピーマンのブランド力を強化することと、強固な生産基盤の確立を図るための生産技術といった課題を整理し、JA岩手ふるさと園芸部会ピーマン専門部、県など関係機関が一体化を図り、反収向上を核とした生産量の確保と生産技術の向上を目指しております。

(部会活動の強化)

 JA岩手ふるさとでは、部会の組織強化と生産者間における情報交換の強化を図る生産者交流により、栽培管理に係わる情報支援(病害虫発生及び防除情報、品質不良の発生状況など)を行っております。また、集落班での栽培協力体制を整備し、栽培課題の解消、安定生産(反収向上)と高品質化を遂行するため、生産向上対策会議を集落班ごとに開催し、地域性に則した生産課題を整理し、改善に向けた対策活動の展開を推進しております。生産課題対策活動の進捗状況の把握と新たな課題の洗い出しを目的とした栽培指導会についても、集落班単位を基本に月1回開催しております。きめ細かな栽培指導会の実施により、栽培指導会の参集率も大幅に向上しました。また、栽培指導会は、JA岩手ふるさと管内各地区の定期的な生育状況などの情報収集にもつながり、市場などに対して発信する役割を担っております。

(安心産地確立の仕組みづくり)

 平成20年より、岩手ふるさと農業協同組合農畜産物安全・安心推進本部を設置し、「世界一安全・安心な産地」の確立を目指し、トレーサビリティ(生産履歴)やGAP(農業生産工程管理)の記帳運動徹底を図るとともに、全生産者を対象とした放射性物質測定や出荷用コンテナの全量洗浄による除染対策など、生産、販売に関するリスク管理体制を強化しております。また、集落班長にFAXの配置を勧め連絡網を整備し、技術情報や品質安定・改善対策などのリアルタイムな情報を配信できる体制を構築しております。

一言アピール
 
 ピーマンはこれからが旬です。他の野菜にない独特の香りや苦味を楽しませてくれるピーマンは、ビタミンAとビタミンCを多く含み、料理の彩りを良くしてくれます。ぜひ、JA岩手ふるさとの肉厚でやわらかいピーマンをお試しください。

問い合わせ先
 
岩手ふるさと農業協同組合 営農経済グループ園芸課
岩手県奥州市胆沢区小山字菅谷地276番地1
TEL 0197-47-0742
FAX 0197-47-2230
E-mail:engeika@jafurusato.or.jp

 
今月の野菜「ピーマン」 / 

今月の野菜
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