~「暮らしのとなり」のカリフラワー産地~
埼玉ひびきの農業協同組合
営農販売課 課長 門倉 恒茂
当地域は埼玉県西北端で都心から80キロ圏に位置し、平成9年4月に、本庄市、上里町、美里町、児玉町、神川町、神泉村の1市4町1村のJAが合併し、誕生しました。
行政においても、平成19年1月に本庄市が児玉町と、神川町が神泉村と合併し、1市3町となり、人口は約14万人、面積は200平方キロメートルとなっています。
地域内の耕地面積は5,660ヘクタールで総面積の約30パーセントを占め、耕地の大部分は標高45~90メートルの間にあり、地域の中央部には火山灰土壌の畑地帯、その周辺に沖積土壌の水田地帯が広がり、南西部は秩父山系に連なる山間山沿い地帯となっています。
農業粗生産高は約180億円(埼玉県内の約1割)であり、埼玉農業の中枢として、首都圏へ新鮮な食料を供給する産地となっています。
今回紹介するのは、平成19年1月に児玉町と合併し、年々、カリフラワー栽培の拡大が著しい本庄市です。
気象条件は、夏は高温多湿、冬は赤城連峰から吹く北西の季節風の影響の大きい、乾燥している寒冷地です。
本庄市のカリフラワー栽培は、1950年代後半、食生活の欧米化に伴い急速に普及しましたが、1980年以降、ブロッコリーに押されて作付面積が減少していきました。
しかし、本庄地域の施設園芸農家の生産者は、施設園芸作物の収穫終了と共に、耕作地への転換作物として、平成18年以降、田畑への作付拡大を図っています。
カリフラワーは、従来、低温に弱いとされていましたが、耐寒性の強いキャベツ等との交配により、越冬も可能な品種が誕生し、施設園芸農家の複合経営の礎となっています。
特に、旧本庄市利根川沿岸の沖積土壌地帯でのカリフラワーの栽培では、花蕾が 一ヵ所に集中した形状が、白雪を連想させる美しさを醸成するため、鑑賞用としても注目されています。
また、カリフラワーとブロッコリーをかけあわせてできた「ロマネスコ」の栽培農家も増えています。
カリフラワーの販売数量、販売額ともに、除々にではありますが、年々増加傾向にあります。平成23年度は、販売数量350トン、販売額77百万円となっています。
作型は、すべて露地栽培です。出荷時期は10月~翌年5月上旬で、現在の品種構成は、福月、磯月、輝月、知月、寒月、春月、オレンジブーケ、パープルフラワーなどが導入されており、ロマネスコについては、ユーロスター1品種の構成になっています。
販売においては、出荷品の規格の厳格化を図るために、生産者(部会役員)が当番制での検査を図る一方、生産者名が押された段ボールでの出荷に際し、責任の明確化を持っての出荷を心掛けています。
また、市場からの要請による契約販売(値決販売)、業務用等との幅広い販売対応を図るなど、売り場確保の仕組み構築を図っているほか、「安心・安全・新鮮」をスローガンに、生産に取り組んでいます。
◆一言アピール◆
「暮らしのとなりが産地です。」
◆問い合わせ先◆
埼玉ひびきの農業協同組合 営農販売課
住 所:埼玉県本庄市若泉1-11-27
TEL:0495-24-7721
FAX:0495-24-7763