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(野菜情報 2012年7月号)

山形県最上地区(にら)

~「達者de菜」ブランドのにら産地~

山形県農林水産部新農業推進課
流通対策推進員 平田 和則



 

1.はじめに

 山形県は東北地方の日本海側南に位置し、面積は全国第9位の9,323平方キロメートル、県の東側には奥羽山脈、これに平行して中央に出羽山地・朝日山地・飯豊山地が連なっています。県中央を南から日本海へと最上川が縦断し、盆地の村山、最上、置賜そして庄内平野と、4地域で構成されています。
 本県の農業は豊かな四季折々の自然条件を生かし、米や果樹をはじめ野菜、花き、畜産など、多彩で良質な農畜産物を生産しています。

2.最上にら「達者de菜」のご紹介

 今回ご紹介するのは、最上広域野菜振興協議会にら部会において生産されている「達者de菜」ブランドのにら産地です。
 最上地域は、山形県北東の内陸部に位置し、北は秋田県南部、東は宮城県北西部に接しており、新庄市を中核に1市4町3村からなる地域です。
 気象条件は、夏は一般に高温多湿で、冬は最上川の峡谷にそって日本海から吹く北西の季節風の影響が大きく、積雪寒冷地帯となっています。年平均の降水量は県内4地域の中で最も多く、日照時間は最も少なくなっています。
 当地区のにら栽培は、転作作物として昭和55年から栽培が開始され、転作の重点作物として作付が拡大し、平成22年度の栽培面積は170.2ヘクタール、生産者数は384人となっています。にら導入当初は小規模な栽培農家中心でしたが、現在では1ヘクタールを越える栽培農家も増えており、規模拡大によって雇用を入れた経営も増加しています。
 特に金山町は、最上地域でにら導入当初からの先駆者として栽培をリードしてきた地域です。「にらは月給!米はボーナス!」を合言葉に、にら生産を拡大させてきました。いち早く自動は種機や自動定植機を導入し、株更新を容易にして品質の向上を図ってきました。


「達者de菜」ほ場


「達者de菜」統一ダンボール

(1)販売数量と販売額の推移

 販売数量、販売額ともに年々増加傾向にあります。平成22年度は、過去最高の高単価に支えられ、史上最高の販売数量(2,850トン)、そして目標であった販売金額10億円を初めて突破(11億8千万円)することができました。


(“もがみの農業”より)

(2)作型と品種構成

 作型は、ほとんどが露地栽培で、出荷時期は、5月中旬~10月上旬です。
 過去には出荷期間延長のため、ハウスを利用した栽培も試みられましたが、価格動向や気象条件により定着までには至りませんでした。
 現在の品種構成は、パワフルグリーンベルトが9割以上となっており、他に西安大葉やミラクルグリーンベルトなどが導入されています。
 栽培の特徴としては、品質維持の観点から、基本的に同じ株からの収穫は年3回までとしていることです。そのため、長期収穫を行うために、春刈り、夏刈り、夏秋刈りの各収穫時期別にほ場を分割しています。そして、各ほ場は2年~3年収穫で改植しています。

(ア) 春刈り

 春刈りでは、生育に差をつけないと、1番刈りの後半に葉が伸びすぎとなってしまうため、べた掛けや刈り捨てを行い、生育を調節します。

(イ)夏刈り

 春に収穫を行わないで養成した、夏刈り専用のほ場を使用します。6月中旬から株の刈り捨てを行い、その後に発生してくる葉を収穫します。品種は、春刈りと抽だい時期が異なる品種(西安大葉、ミラクルグリーンベルトなど)を用い、収穫時期は7月中旬~8月上旬を目標としています。

(ウ)夏秋刈り

 抽だい終期に株の刈り捨てを行い、その後に発生してくる葉を収穫します。抽だい時期は品種によって異なるため、それぞれの品種の70%の抽だい時期を目安として刈り捨てを行います。

(3)販売対応

 生産者が当番制で規格検査にあたり、規格の厳格化を図る一方、生産者名が入った結束テープを使用するなど、責任の明確化とプライドを持っての出荷を心がけています。
 また、市場からの要請による休日出荷や値決販売のほか、業務用・加工用需要にも対応するなど、幅広い販売対応・販路開拓により、売場の確保と拡大の仕組みづくりを進めています。
 徹底した品質管理と安定出荷で販売先との信頼関係を強め、さらなるブランド力の確立を図っていきます。

一言アピール

 「めざせ夏にら日本一」

問い合わせ先

山形県農林水産部新農業推進課
 電話 023-630-2465
 ファックス 023-630-2431

 
今月の野菜「にら」 

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