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(野菜情報 2012年1月号)
福岡県 にじ農業協同組合(ほうれんそう)

~ほうれんそう産地(久留米市田主丸町)の紹介~

にじ農業協同組合 営農部
園芸課 野菜係長 郷原 裕司



 

1.産地の概要

ア 自然条件

 当産地は福岡県南部の筑後平野の南東部に位置し、筑後川中流域南側の恵まれた条件下でほうれんそうをはじめとした野菜、果樹、花木類などの園芸品目の作付けが盛んです。沖積層の砂土壌、土壌からなる排水性・保水性ともに優れた土質により、野菜生産に適した土壌条件を有するとともに、年間平均気温は17度、年間降水量は1,993ミリ、無霜期間は6ヵ月余りと気象条件にも恵まれており、西南暖地の特性を生かした野菜栽培が行われています。

イ 産地形成の歴史

 当地区では、昭和35年頃に自然条件など地域立地条件を生かした水田裏作作物としてほうれんそうが導入され、昭和51年に部会を結成し共同販売が始まりました。昭和53年に国の野菜指定産地の指定を受け、昭和54年には野菜指定産地生産近代化計画を樹立し、生産流通の条件整備を図った結果、販売体制の充実・強化が進むとともに、栽培技術の向上による品質向上・安定供給が図られ、ブランド化が進みました。このように、ほうれんそうは本地域の水田裏作品目として定着しており、平成9年に指定区域変更を行い同じ農協管内の吉井町・浮羽町を加えて産地規模拡大に取り組みましたが、吉井町・浮羽町についてはほうれんそうの作付けが伸び悩み、共販生産者が激減したため、指定産地の区域変更を行う事で、指定産地の基盤強化に取り組んでいる状況です。

ウ 産地の展望

 当地区では、平成23年10月末現在70名の系統生産者が、露地栽培(簡易トンネル)にてほうれんそうを1戸当たり平均43アール栽培しています。生産面では連作障害回避のために「かっぱ堆肥」、「ペレット鶏糞」による土づくりや、湿害に強い品種選定、根張を良くするためにけい酸カリを施用し高畝栽培を基本としています。厳寒期には、簡易トンネル被覆による低温時の管理作業の省力化などに取り組んでいます。また、流通・販売面については出荷規格の集約化や予冷処理の徹底による秋口、春先の有利販売に努める事で、生産面積の拡大や農家所得の安定・向上に取り組み、年間400tの生産量があります。

2. 産地栽培カレンダー

3.生産・栽培上の特徴

 主な栽培品種はクロノス、アグレッシブを中心に、極濃緑で平滑な広葉、株張りがよく収量性の高い立性で、収穫作業性に優れている品種を選定し、生育が強健で耐湿性、耐寒性に優れた非常に作りやすい品種を導入しています。

 また、秋口や春先の品種については生育スピードが早いため、生育がゆっくりで株張りのよい多葉数型の新品種を取り入れて生産量の確保に取り組むとともに、出荷最盛期の2月に収穫量を確保するため、生育が早いアグレッシブ、生育が遅いパワーアップを同時には種し、収穫幅を持たせる作型を取り入れています。

 土づくりは当産地のかっぱ堆肥を中心に使用し、石灰窒素を使った稲わらの腐熟促進や、稲刈り後の作業の効率化に機械散布ができるペレット鶏糞(径5mm)を使用するなど、簡単で有機肥料を多用した栽培に取り組んでいます。また、浸水害に備え畝幅は狭く高畝とし、湿害からの被害をなくすために稲刈後サブソイラーを利用しただんがんあんきょを施しています。

 害虫対策については、チョウ目害虫を中心に9月~11月に発生動向を確認し、秋口からの発生が多い事から1~2回程度、10月下旬頃からは1回の基本防除に取り組んでいます。病気については、べと病の発生が近年他産地で確認されており、抵抗性品種の導入と予防散布に取り組んでいます。

ほうれんそう栽培風景

種まき風景

ほうれんそう生産者

4. 出荷体制

 収穫作業は午後から行います。出荷調整は各自で行い、L中心の規格23㎝~32㎝に合わせ選別を行います。1袋210グラム入りの専用の袋にほうれんそうを入れ、5キロダンボールに25袋ずつ詰めて、各生産者がJAの集荷場へ午前中までに持ち込みます。気温が高い時期は朝収穫を行い、夕方までに調整して一晩予冷し、翌日の午後から予冷車で輸送します。品質低下を抑えるため確実に予冷処理を行い、品質管理の徹底を行っています。

ほうれんそう出荷袋

出荷荷姿

5. 販売戦略

 ~JA全農安心システムのしくみ~

 当産地ではJA全農安心システムの認証を受け、期間を通して相対販売に取り組んでいます。具体的には生産工程管理を記録しながらしっかり記帳し、生産者からお客様までを商品と情報で結ぶ仕組みをつくっています。そして、これらの内容を第3者が客観的に確認することにより、お客様の安心につながる商品の提供と情報発信を目指しています。
 近年、農産物への残留農薬などの問題が広く伝えられる中、JAにじ園芸流通センターでは残留農薬問題に対する検査施設を設け、シーズンを通し定期的に検査を実施しており、安心安全なほうれんそう生産に努めています。

一言アピール

 当JAにじほうれんそう部会では、栽培期間が長期化したことにより個別には規模拡大も進んでいます。生産者が高齢化する中で出荷量の安定化を目指し販売量の確保を課題としていますが、重量野菜から軽量野菜への品目転換を進め、新規就農者や部会外生産者の推進に部会一体となって取り組んでいます。また、近畿生協グループとの相対販売を行うことで、価格の安定化にも取り組んでいます。
 当地は温暖化の影響から秋口、春先の生産が難しくなってきていますが、優良品種の選定や新たな栽培技術の更新により、品質の高いほうれんそうとしてブランド化し、高値での取引が成されています。

お問い合わせ先

にじ農業協同組合 営農部 園芸課
福岡県久留米市田主丸町田主丸5-5
TEL 0943-72-1019 FAX 0943-72-1036
メールアドレス y.syuuka@ja-niji.com

 
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