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(野菜情報 2011年12月号)

茨城県 なめがた農業協同組合(しゅんぎく)

~温暖な気候と豊かな土壌が生み出す「なめがた」のしゅんぎく~

なめがた農業協同組合
営農経済部 園芸流通課 栗山 裕仁



 

1.産地の概要

 なめがた農業協同組合(以下、「JAなめがた」という。)は、茨城県の南東部に位置し、霞ヶ浦・北浦に挟まれた半島状の地形で、両湖岸及び南端には平たんな水田地帯が広がり、中央部は火山灰土からなる平地と起状に富んだ傾斜畑作地帯に大別され、全国的にも数少ない立地条件をなしています。年間平均気温は14度と比較的温暖な気候に恵まれ、耕作地は9,210ヘクタール、内57パーセントが水田となっています。農業粗生産額をみると野菜部門が52パーセントと、野菜園芸を中心とした農業地帯となっています。

 水田地帯では、セリ・れんこんといちご・きゅうりの施設園芸が行われ、畑作地帯では、かんしょ・ごぼうによる土地利用型経営と、みずな・ちんげんさい・エシャレット・みつば・しゅんぎく・ほうれんそうなど軽量野菜による集約・周年出荷型経営及び大葉専作経営が行われ、年間60品目の野菜を生産しています。また当地域は、首都圏消費地に70キロメートルという地の利を生かし、生鮮食料品の他品目供給基地としての役割を果たしています。

 そのような中、22年度のしゅんぎく出荷量は550トン、管内のしゅんぎく部会員は現在約300名となっています。

2.山地栽培カレンダー

 栽培は、露地栽培の直まき方法とハウス栽培の移植方法の2通りがあります。ハウス栽培のは種は9月上旬から始まり、9月下旬に定植、10月下旬より出荷が開始されます。露地栽培では随時は種を行い、は種後40~60日で収穫します。ハウス栽培の普及により、周年出荷となっています。

ハウス栽培暦

3.生産・栽培上の特色

 JAなめがたのしゅんぎくは、中葉種、株張り種の2種類を中心に栽培しています。品種により栽培試験を行い、結果を踏まえて品種を限定し、品質の高位平準化を図っています。市場などからの要望を受け、主に西日本で栽培されている「おたふく春菊」についても、5年程前から栽培しています。

 また、農薬の適正防除法や防虫ネット、補虫テープなど減農薬栽培技術の普及を推進するとともに、平成22年度よりGAP導入の説明会を開催するなど、安全・安心・おいしい、高品質のしゅんぎく栽培に取り組んでいます。

株張り春菊のハウスでの様子

おたふく春菊生産者

4. 出荷の工夫

1)出荷体制

 規格の統一を図るため、地区ごとに10~11月、3~4月の年2回、目揃い会を実施するとともに、JA職員が無作為抽出による検査を実施し、規格・品質の徹底に努めています。

出荷企画

2)安全・安心の確保

 出荷時に生産履歴書の提出を義務付けるとともに、1袋ごとに生産者番号を記載することで生産者の特定を容易にし、消費者などからの栽培情報照会やクレームに迅速に対応出来る体制をとっています。

 また、年に1回程度、全部会員を対象とした栽培講習会を実施し、農薬取締法やポジティブリスト制度についての学習を行うとともに、最新情報の周知を行っているほか、農薬の自主検査を実施するなど、安全・安心なしゅんぎくの生産を行っています。

栽培講習会の様子

5. 販売戦略

 出荷計画の検討・策定として、は種実績表に基づくシミュレーションを行い、時期・気候的に品物不足が予想される場合には、全部会員には種を呼びかけ、安定的に供給出来るよう努力しています。

 安定した販売体制として、周年の値決めによる量販店との契約販売も行っています。特別規格として100グラムや75グラムなどの出荷規格にも対応するほか、直送依頼(コールドチェーン化)や休市日の特別注文にも対応するなど、取引先のニーズに合わせた出荷体制を整えています。

 また、部会員での販売推進活動として、レシピの作成や量販店での試食消費宣伝を定期的に実施し、消費拡大にも努めています。

6.一言アピール

 『なめがたのしゅんぎく』、それは温暖な気候と水はけの良い豊かな土壌が生み出す芸術品です。彩りの良さはもちろん、豊かな香味が、あなたの食卓をさらに引き立ててくれることでしょう。
 色、つや、形、そして香り・・・・どれを取っても一級品の『なめがたのしゅんぎく』を、ぜひ、一度ご賞味下さい。

◆ お問い合わせ先

なめがた農業協同組合 営農経済部 
住 所:〒311-3835 茨城県行方市島並857-35
TEL:0299-72-1880
FAX:0299-72-1113
Eメールアドレス:jan-eino@alpha.ocn.ne.jp

 
今月の野菜「しゅんぎく」 

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