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香川県 香川県農業協同組合(にんにく)

~にんにく産地(仲多度地区)の紹介~

香川県農業協同組合 営農部 
販売促進課 審査役 西山 盟



 

産地の概要

 香川県中西部に位置する仲多度地区(善通寺市・丸亀市・琴平町・まんのう町・多度津町、2市3町)では昭和46年頃からにんにくの栽培が始まり、約40年を迎えます。

 にんにく栽培以外に露地野菜では、レタス・ブロッコリー・青ねぎ・なばな、施設野菜ではアスパラガス・ミニトマト、果樹では桃・キウイフルーツ・びわ、水稲の後に裸麦・小麦とさまざまな作物が生産されています。

 昭和62年~平成2年頃には、香川県下でのにんにく栽培面積は約200ヘクタール以上でしたが、海外からの輸入攻勢により、平成9年頃から毎年栽培面積が減少傾向となり、平成23年産の栽培面積は66.4ヘクタール(生産者数594名)、出荷計画580トンまで減少しました。そんな中、仲多度地区は県下栽培面積の約半数を占める33.5ヘクタール(生産者数256名)で栽培しており、除湿乾燥施設および葉たばこ乾燥施設を利用した乾燥品出荷にも積極的に取り組み、産地維持・拡大を図っています。

栽培カレンダー

 にんにくの作型は、マルチ栽培(透明・赤外線・グリーン等)と普通栽培(露地)に分類しています。早く出荷できるのはマルチ栽培で、透明マルチ、赤外線マルチ、グリーンマルチの順に収穫・出荷し、その後、露地栽培のにんにくを収穫・出荷します。植え付けはどちらも10月上旬から中旬に行い、マルチ栽培は11月からマルチを張り、収穫時期を早めます。

生産・栽培上の特色

 にんにくは、これまで機械化が難しい品目でありましたが、昨年、農機具メーカーとの共同開発により簡易植付機が開発され、各地区で導入が進んでいます。これまでの植え付け方法では足腰に負担がかかり、かなりの重労働でしたが、導入後は高齢者や女性の方でも楽に植え付けできるようになりました。

 植え付け1ヶ月前には、有機物(完熟堆肥3トン/10アール)または土壌改良資材を施しています。また、裂球防止と排水対策のため、植え付け後、芽が出てから3~4回程度一輪管理機での土入れを実施しています。

 種子消毒から植え付け、マルチ張り、病害虫防除、除草、土壌水分管理までを徹底して行うため、産地ごとに定期的に現地講習会を開催するなど、各栽培農家に周知徹底を図っています。

植え付け風景

一輪管理機による土入れ風景

出荷の工夫

 出荷規格として、秀3L(球径6.5cm以上)、秀2L(球径5.8cm以上)、秀L(球径5.0cm以上)、秀M(球径4cm以上)と優品・良品(A・B)の3等級10階級に選別します。

 面積拡大を目指した作型分散を図っており、出荷期間は生にんにくが4月下旬~6月上旬、乾燥にんにくが6月上旬~8月で、京浜市場を中心に京阪神・中四国へ出荷しています。

 特に、乾燥にんにくについては乾燥施設の導入により品質向上に努めるとともに、乾燥から出荷調整作業をJAが支援することで、生産者が安心して面積拡大を行える環境を整えています。

除湿乾燥施設風景

にんにくと葉たばこの共同乾燥施設風景

支援作業員による調整作業風景

支援作業員による調整作業風景

農産物の安全・安心確保について

 生産者から誓約書を提出して頂き、生産者は栽培履歴書を様式どおり正確に記帳して、出荷7日前までに集荷場へ提出します。JA担当者は栽培履歴内容(適用外農薬使用の有無と収穫前の農薬使用期間と使用回数の適合)の一次確認を行い、生産情報管理システムに登録しています。トレーサビリティーシステムの導入も行い、消費者等からの農産物の栽培情報照会にも対応しています。

 また、農薬残留基準を超える農産物が市場に出荷されることを防ぐために、出荷直前の圃場から試料を採集して残留農薬分析を実施し、農産物の安全性を消費者および実需者に示しています。

 これらの取り組みについては、研修会・講習会を通じて各生産者に周知徹底を図っています。

販売戦略

 他産地との差別化として、1Kgネットを基本に1個ネット(個包装)対応やバラ出荷など、各市場・量販店のニーズに対応して取り組んでいます。特に、契約取引による個包装・バラ対応については15年以上前から行っているため、ルート化が構築されています。

 また、下級品対応として、農商工連携(JA・行政・商工会)により加工品を開発し、地域ブランド品として地元のJA支店・ホテル等で販売している産地もあります。パッケージデザインは地元の高校生が行い、ネーミングについても地元で募集し、愛着のある商品名で限定販売されています。

にんにく加工品(ガァリック娘・ゴマふりかけ・しょうゆ・みそ)

生産者紹介

 香川県にんにく部会部会長である横田敏秋部会長は、香川県がにんにく産地として地元でも意外に認知されていなかったことから、JA支店職員と協力し、地元小学校で植え付け・収穫体験などを行っています。積極的に地元のにんにくをアピールすることにより、にんにく産地を存続させる努力をしています。

小学生による収穫体験(左側 横田部会長)

支店職員による乾燥施設の説明風景

 一言アピール

 香川県のにんにくは、出荷期間限定(毎年4月中・下旬~8月上旬頃)ではありますが、西南暖地の産地として維持拡大を図り輸入物に負けない産地作りを目指しています。

◆ お問い合わせ先

 香川県農業協同組合 営農部 販売促進課
 住所:〒761-8084 香川県高松市一宮町字刷塚1431番地1
 TEL:087-818-4147 FAX:087-818-4123

 
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