産地の概要
とうほく天間農業協同組合(以下、「JAとうほく天間」)は、青森県の東部に位置する3町1村(東北町、野辺地町、七戸町、六ヶ所村)を区域としており、東西に約30キロメートル、南北に約40キロメートル、総面積が662.81平方キロメートルと青森県全体の面積の6.9パーセントを占めています。
管内の西側一帯には、広大な国有林が生い茂る八甲田山系が広がり、東にのびる丘陵は、小川原湖、太平洋に接しています。また、小川原湖へと流れ込む河川流域一帯は、水田地帯を形成し、北東部には、広大な丘陵地帯に畑や草地が広がり、耕地面積は13,741ヘクタール、耕地率は21パーセント(県平均17.2パーセント)の純農村地帯です。
JAとうほく天間管内の年間平均気温は9.6度、年間降水量は1,236ミリ、年間日照時間は1,235時間となっています。一年を通して気象の変化が激しく、特に梅雨期は、オホーツク海高気圧の冷気が吹き込む偏東風(やませ)にみまわれ、低温や日照不足となる場合があります。
このような厳しい自然条件のもとで、昭和39年に組合員の経営安定と所得向上を目的に、ながいも栽培が奨励され、4ヘクタールの作付けから生産は開始されました。
産地栽培の概要
ながいもは、地中深くで生育することから、ほ場をよく耕しておくことが大切です。4月中旬には、トラクターなどに装着したトレンチャー(溝などを掘削する機械)を使用して、幅15センチ、深さ1メートル程度に耕します。5月上旬になると種いもの植え付けを行いますが、覆いかぶせる土は浅めに調整し、芽が出やすくします。10月下旬に葉や茎が黄色くなり、枯れてきたら収穫ができます。11月~12月にかけてパワーショベルなどの大型機械を使用して深い穴を掘り、丁寧に収穫します。
生産・栽培上の特色「エコファーミング(有機の里づくり)」の取り組み
JAとうほく天間では、管内で生産される全品目について、資源循環型環境保全農業の実践とPBC栽培(土の物理的特性、生物的特性、化学的特性を管理しつつ栽培すること)を推進し、品質・収量向上による組合員の所得底上げに取り組んでいます。
特に、畜産資源(たい肥)、野菜の選果残渣・給食残渣など地域資源を有効利用して製造されたたい肥を活用し、野菜にとって最も重要な土壌の改善を行い、土壌診断の結果を踏まえて、作物にあったバランスの良い施肥との相乗効果により、肥料を無駄なく吸収させることで、野菜本来の抵抗力を向上させ、病害虫や天候の影響にも負けない健康な野菜を生産しています。これらの取り組みが、化学肥料、化学農薬の低減を可能にし、環境にやさしい生産に取り組んでいます。
また、「健康な畑に健康な野菜が育つ」との信念から、新たにJA独自でエコファーミング認証システムがスタートしました。基本となるほ場目標値を設定し、土壌診断結果と巡回確認によって登録された生産ほ場ごとに認証します。
それぞれの生産ほ場の管理データを蓄積していくことで、そのデータを反映させることによって適地・適作の指導と栽培技術の向上にも活用しています。
さらに、今後は、ほ場ごとに認証データの細かいトレース開示を積極的にアピールすることで、消費者に「安全・安心」を訴求し、産地イメージの向上を図っていきます。
出荷の工夫
平成19年度から平成20年度にかけて、強い農業づくり交付金事業(事業実施主体:東北町)を活用して、東北町ながいも洗浄選別・貯蔵施設を整備しました。この施設は、洗浄選別処理量が日量48.7トン、貯蔵能力は、原料貯蔵庫1,996トン、製品自動倉庫89トンという能力を持っており、施設の整備を行ったことにより、一年を通じた出荷体制の拡充、選別基準の統一、特別注文対応の拡充など実需者ニーズに応じた迅速な対応が可能となりました。
また、下位等級品に付加価値を付けるため、鮮度保持フィルムを活用した産地パックを行っています。
販売戦略
産地の顔が見える消費拡大運動の一環として、「消費宣伝会」や「おいしいながいも決定戦」を開催しています。
また、今年度は、JAとして初のドラマ制作(大地からのメッセージ)に取り組み、テレビ放映をいたしました。併せて食育用のDVDを制作し、消費宣伝への活用や教育機関への教材用としての提供を予定しています。
とうほく天間農業協同組合 とうほく営農センター
〒039-2632 青森県上北郡東北町日影林ノ上山479-1
TEL:0175-62-2112 FAX:0175-62-2387