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いるま野農業協同組合(かぶ)
白くて、甘くて、美味しいかぶ、
切れ目のない供給体制を目指しています


いるま野農業協同組合
営農部販売課 リーダー栗原 一寿


産地の概要

 JAいるま野は、県の南西部に位置し、都心から30~60キロの首都圏にあり、総土地面積は698.43平方キロと県内の約18.5%を占める地域を事業区域としております。この地域は、10市3町(川越市、所沢市、飯能市、狭山市、入間市、富士見市、坂戸市、鶴ヶ島市、日高市、ふじみ野市、三芳町、毛呂山町、越生町)からなっています。

 管内を概観すると、西部は、秩父山系に連なる山岳丘陵地帯で、ここを源として、越辺川、高麗川、入間川の河川が東流し荒川に合流しており、東部は、堆積された肥沃な水田地帯を形成しており、中部から南部にかけては、加治・狭山丘陵の入間洪積台地で畑地帯となっています。

 いるま野管内の野菜生産が県全体の生産量に占める割合を品目別にみると、ほうれんそうの収穫量が43.7%、かぶ66.6%、さといも65.4%であり、県内における野菜の一大産地として位置づけられております。農業産出額でみると、いるま野管内全域の農業粗生産額約300億円のうち、野菜類が56.1%を占めています。

 このような地域概況の中、農業環境のめまぐるしい変化に対応し、協同活動の力強い基盤づくりを通じた「たくましい地域農業」、「健康で心豊かな生活文化活動」が展開されています。


栽培の特徴

 かぶは気温上昇や豪雨などの天候不順に対して、影響を受けやすい作物です。寒さにも弱いため、1月~3月中旬の生産においては、ハウスや二重のトンネル(ベトコン)栽培を行っています。

図1 かぶの作型カレンダー

(1) 栽培準備

 周年栽培を行いながらも連作は避け、完熟たい肥を10アール当たり2トン程度を目安に施用しています。その後、生産者ごとにほ場状態を把握するために任意で土壌診断を実施しています。

 施肥については、栽培期間が短いため基肥のみの栽培が多く、播種の1週間位前までに施用し、耕耘して土壌に馴染ませます。季節に応じて施肥内容を細かく分けるとともに、独自の栽培基準(JAいるま野版減化学肥料栽培)に沿った栽培も行われています。

図2 品種別のおもな出荷期間

表1 出荷規格と品質区分



図3 手押し式播種機による播種
図4 収穫風景(ベトコンハウスを撤去)

(2) 播種および生育ステージ

 播種に関しては、現在、シードテープと手押し式播種機が主流です。播種前には砕土と整地を丁寧に行うとともに土壌水分を保つようにします。播種後は、発芽を揃えるため、十分にかん水を行います。

 播種後は、5月~9月播きは直ちに寒冷紗や防虫ネットなどでトンネル被覆し、温度を下げるとともに害虫を防ぎます。また、11月~2月播きは播種後、不織布や換気孔付きのフィルムをトンネル被覆して保温に努める栽培を実践しています。厳寒期の栽培は、特にトンネル内の温度を5~25度に保つよう保温と換気管理を行い、生産者は日々細心の注意をはらい、かぶと対話しながら管理しています。

図5 生産履歴の記帳による出荷時のチェックの仕組み



図6 調製および結束作業
図7 洗浄


図8 最終洗浄および水切り
図9 箱詰めされたかぶの様子

 病害虫防除においては、かぶの登録農薬が少ないため、ほ場管理が重要になります。そのため、「緑肥を組み合わせた輪作」や「太陽熱などによる土壌消毒」、「被覆資材に細かい目の物を用いた管理」による防除を呼びかけるとともに、平成14年10月から始めた、JAいるま野独自の「生産履歴の記帳」を全出荷者に義務づけ、管理徹底を行っています。当該ほ場の生産履歴書は出荷時にJAへ提出され、確認が取れた商品のみを出荷・販売を行っています。

(3) 収穫調製作業

 気温などにより生育日数は異なりますが、春先から秋頃までは、最短で30日~35日前後、最長で60日~65日前後の生育日数であり、冬は90日~95日前後で収穫期に入ります。かぶの特性上、生育日数が100日を超えてしまうと花芽分化を起こし、玉の食感が若干筋張ってくる事から、出来るだけその生育日数を越えないよう栽培指導を行っています。

 収穫は、当日収穫を基本としていますが、冬期は寒さの影響による品質劣化が懸念されるため、凍結の心配が少ない前日の夕方に収穫を行う生産者が多くなります。

 一般的なタイムスケジュールとしては、(当日出荷の場合)午前4時頃から収穫を行い、朝食前に収穫を終える生産者が大半です。その後、①枯葉などの外葉取りなどの調製作業、②玉の大きさによる選別作業、③結束作業、④洗浄、⑤水切り、⑥かぶの箱詰め作業を行います(箱詰め作業時には、再度品質の確認を行います)。

 ①から⑤までの作業を午前中に行い、⑥の作業は午後に行います。箱詰め後、午後3時30分までにJA出荷場へ運び込みます。

出荷と販売促進活動

 量販店への配慮などから、周年出荷に取り組むとともに、計画出荷を実践しております。露地栽培が中心ですが、厳冬期にはハウスやベトコンハウスを用いた栽培により計画的に切れ目なく市場および量販店へ供給できる体制を構築しております。

 年間のかぶ全体の出荷量としては、20万ケース~22万ケース(1ケース/15kg換算)の出荷を行っています。

 かぶは、漬物やみそ汁の具・酢付けなどの食べ方が一般的でしたが、最近では、サラダ志向が高まっているため、皮が柔らかく、甘みのある品種も多く出荷するようになりました。

 さらに当JAでは独自の栽培基準(JAいるま野版減化学肥料栽培)を設け、各量販店などへ品質の揃った商品の安定出荷に努めています。

 販売促進活動としては、当JA管内は軟弱野菜と土物野菜の複合的な経営の生産者が多いことから、季節に合わせた旬の商材の販売促進活動を展開しています。また、関係企業とのタイアップによる収穫体験、加工業務用向け、中食・外食産業などの展示イベント参加など積極的な販売促進の取り組みを行っています。

 現在は卸売市場および量販店への販売が主軸ですが、今後は加工や外食産業需要に応じた販売も視野に入れた活動を行っていく予定です。


図10 量販店でのフェアーの様子
一言アピール

純白でキメの細かい甘くて美味しいかぶを出荷しています。汁物や煮物にも大活躍!
ぜひご賞味ください。

お問い合わせ先

いるま野農業協同組合営農部販売課
Tel 049-238-1118
Fax 049-241-1147
http://www.ja-irumano.or.jp/

 

今月の野菜「かぶ」 / 

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