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産地紹介


新潟県新潟市黒埼地区
(えだまめ)

越後中央農業協同組合  東部園芸センター  桜井 健一


1.産地概要

  JA越後中央は、平成10年2月に10市町村の合併JAとして誕生しました。新潟県のほぼ中央に位置し、穀倉新潟平野の真ん中にあり、西は美しい日本海に面し、また、霊峰弥彦山、角田山を抱き、広い平野と山あり川ありの豊かな自然に恵まれた立地を活かしさまざまな農業が営まれています。
 当JAでは、園芸産地拡大品目として「もぎえだまめ・長ねぎ・いちじく」の3品目を奨めています。なかでも、えだまめの機械化一貫体系での栽培による産地づくりを目指しており、県内一の作付面積を誇る新潟市黒埼地区においては、「えだまめ」特に「くろさき茶豆」の栽培が盛んです。
 「くろさき茶豆」の栽培の歴史は、昭和の初期に新潟市小平方地区の農家の娘が山形県鶴岡市へ嫁ぎ、茶豆の種子を譲り受け栽培したのが始まりです。その後、生産者の努力により黒埼地区の気候と土壌に合うように改良が重ねられてきました。そして、昭和40年代に生産者・行政・農協が一体となり、さらに品種改良を進め、採種事業により各集落へ配布された茶豆を、当時の黒埼村の村長が「くろさき茶豆」と命名し、現在の黒埼地区の特産物となりました。
 平成16年の枝豆作付け戸数は約350戸、面積は約240haで、その内の約120haが、「くろさき茶豆」です。現在も、種子の自家採種を行い、生産者と農協が一体となって、品質・食味向上に向けて取り組んでいるところです。




2.主な栽培品種


 
出荷量(JA取扱実績)



3.生産体制

 「くろさき茶豆」は、コメの生産調整の始まった昭和40年代より本格的に栽培され、生産調整の強化とともに作付面積が拡大してきました。えだまめは、排水不良の農地を嫌うことから、農地の団地形成が図られるよう集落ごとの話し合いによって、作付が決められてきました。また、枝豆栽培農家は、枝豆栽培を水田の転作として多く行っていることから、水稲中心の農家とコメの生産調整面積の調整を集落ごとに行っています。
 しかしながら、えだまめの作付面積の多い生産農家にとっては、収穫作業が夜中から始まる大変な重労働(「朝もぎ」)であるため、面積の拡大が困難になってきました。このため、枝豆収穫機などの導入により、機械化を進めて作業の効率化を図り、1戸当りの栽培面積拡大に努めています。
 「くろさき茶豆」は、「朝もぎ」をはじめとする生産者の努力によって鮮度と食味を維持し、消費者の評価を得て、今では、山形の「だだちゃ豆」と肩を並べる全国ブランドに育ってきました。


くろさき茶豆のほ場


4.出荷体制
(1) 出荷規格



(2) 出荷形態・集出荷施設
 当地区では、収穫されたえだまめを生産者が、個人の作業場で、脱莢→機械選別→手作業選別→洗浄→水切り→手作業選別→袋詰め、を行い集出荷場に出荷します。出荷形態としては、「250g詰めPプラス(微孔フィルムによるMA包装)」と「5kgのバラ詰め(鮮度保持フイルム使用)」の2種類で行っています。また、今後の課題としては、選別・袋詰め作業などを機械の導入により当JAで行い、生産者の負担を軽減し、作付面積の拡大に繋げていくことです。
 予冷施設としては、真空予冷と差圧予冷を、出荷形態により使い分けています。えだまめは、温度が高いほど呼吸量が多く、糖・アミノ酸・香りの消耗が激しくなるため、生産者は収穫後、一刻も早く温度を下げるよう、JAでの検査後もすぐに予冷を行い、品質管理を行っています。
 このように、当JAでは、えだまめの鮮度と食味を維持し、消費者の皆様へ「おいしいえだまめ」を届けられるよう努力しています。

選別の様子


5.販売戦略

 昭和40年代の「くろさき茶豆」は、JAを中心として共販により市場を中心に出荷されてきました。しかしながら、面積の拡大につれて、集落単位に組合がつくられスーパーなどとの契約販売・宅配などの販売が増えるなど、多様な販売が行われるようになりました。これは、それぞれ生産者の努力によるものですが、組合毎に販売活動をするなかで、「くろさき茶豆」としての産地の活動がバラバラになってきており、県内外の他産地の枝豆作付面積も増加傾向にあるため、産地の団結が求められるようになりました。
 そこで、平成15年に「くろさき茶豆」が、「新潟市園芸銘産品」に指定されたことをきっかけに、生産者・行政・JAが一体となって枝豆産地の確立を図り、消費者に対し安心・安全の確保を進めながら、栽培技術の向上や生産拡大を行い、高品質・良食味の茶豆を安定して生産・供給することを目的に、「新潟市黒埼地区茶豆組合協議会」(現在19組合で構成)を設立しました。
 協議会の活動としては、情報交換会や販売会議を行い、組合間の交流を深め、栽培指針の作成による栽培指導会・講習会を行っています。また、PR資材を作成し、各種イベントにも積極的に参加し宣伝・販売促進を行っています。今後は、食味会の実施により、生産者同士で品質・食味を競い合いながら、今以上に「おししいえだまめ」を作っていきたいと思います。
 現在、黒埼地区として「おいしさ三姉妹計画」(下記で品種説明)をスタートさせ、えだまめの長期間品種リレー栽培を行うことで、さらなる「黒埼ブランドの確立」を目指しています。


一言アピール
「おいしさ三姉妹」
・(長女)くろさき茶豆
香りが抜群。実入り8分がおいしさの秘密です。ややボリューム感が足りないと思われますが、アミノ酸(うまみ成分)が充実しています。また特徴のある風味があります。

・(次女)ぴかり茶豆
おやつ感覚の甘さと歯触り。実入りは、くろさき茶豆よりも充実させても甘味は落ちないのでボリューム感があります。名前の「ぴかり」はコシヒカリのひかりよりも、さらに輝くものとして「゜」が加わりました。

・(三女)みかづき姫
秋の枝豆としては莢色が鮮やかで、うまみのある品種です。名前の「みかづき」はやや小莢でわずかに弓型なことから命名されました。

問い合わせ先
越後中央農業協同組合  東部園芸センター
〒950-1122
新潟県新潟市木場53番地
TEL 025-377-2811
FAX 025-377-0456

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