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今月の野菜 野菜情報 2026年9月号

にんじんのあれこれ 栄養価の優等生「にんじん」生でも良し加熱しても良し

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調査情報部

主要産地



 にんじんはアフガニスタンが原産とされ、トルコを経てヨーロッパに伝播した西洋種と、アジア東方に伝わった東洋種に大別される。日本へは、江戸時代に中国から東洋種が、明治時代になり西洋種が伝来した。東洋種は、黄色、紅色、紫色などがあり、京都をはじめとする関西地方で多く出回り、お正月の料理に利用される「金時にんじん」や、沖縄で栽培され黄色い見た目と強い甘みが特徴の「島にんじん」などがある。現在の主流は、栽培しやすくβ-カロテンを多く含むオレンジ色の西洋種の短根で、短根種は、丈の長さにより三寸(注1)、四寸、五寸などに分かれており、中でも現在は五寸の品種が主流である。昭和30年代までは、60センチメートルを超える長根種が大勢を占めていた。産地や品種を替えて冬にんじん、秋にんじん、夏にんじんとして一年を通して出回る。
(注1)一寸は約3センチメートル。

作付面積・出荷量・単収の推移

 令和6年の作付面積は、1万6000ヘクタール(前年比98.2%)と、前年に比べてわずかに減少した。
 上位5道県では、
●北海道  4290ヘクタール(同 100.2%)
●千葉県  2720ヘクタール(同 98.6%)
●青森県  1150ヘクタール(同 96.6%)
●徳島県  921ヘクタール(同 98.4%)
●茨城県  786ヘクタール(同 99.0%)
 となっている。

タイトル: p030a
 
 令和6年の出荷量は、48万500トン(前年比93.8%)と、前年に比べてかなりの程度減少した。
 上位5道県では、
●北海道  16万4400トン(同 112.3%)
●千葉県  7万7500トン(同 74.2%)
●徳島県  3万9700トン(同 87.6%)
●青森県  3万3700トン(同 103.1%)
●長崎県  2万4500トン(同 81.7%)
 となっている。

タイトル: p030b
 
 出荷量上位5道県について、10アール当たりの収量を見ると、徳島県の4.70トンが最も多く、次いで北海道の4.11トン、長崎県の3.66トンと続いている。その他の県で多いのは、和歌山県の4.64トン、愛知県の4.19トンであり、全国平均は3.32トンとなっている。

タイトル: p030c

作付けされている主な品種等

 主産地では、極早生種の「(あい)(こう)」や早生種の「(あや)(ほまれ)」「向陽(こうよう)二号(にごう)」といった、濃紅色の品種が多く作付けされている。秋まきのにんじんは、トンネル栽培で冬は保温して栽培される。春まきのにんじんは「向陽二号」など抽台しにくい品種を使い、冷涼な土地で栽培される。

タイトル: p031a

東京都・大阪中央卸売市場における月別県別入荷実績

 東京都中央卸売市場の月別入荷実績(令和7年)を見ると、千葉産は同年を通した入荷があるが、特に11月~翌2月にかけては千葉産が主体となり、その他、埼玉産、茨城産など近県からの入荷が続く。3~5月は徳島産が中心の入荷となり、6月は再び千葉産などの近県からの入荷となり、7~10月は夏が冷涼な青森産、北海道産が中心となっている。

タイトル: p031b
 
 大阪中央卸売市場の月別入荷実績(令和7年)を見ると、11月から長崎産が出始め、6月まで継続して一定量が入荷する。12月~翌3月までは、鹿児島産が増え主体となり、3~5月は徳島産が入荷した。6月は長崎産に加え、近在県の和歌山産が中心となり、7月は冷涼な産地へ移行し、青森産や北海道産が出始め、8~11月は北海道産が中心の入荷となった。

タイトル: p032a

東京都中央卸売市場における価格の推移

 東京都中央卸売市場における国内産のにんじんの価格は、令和5年は、9~10月に主体となる北海道産の不作により入荷量が少なく、この時期に高値で推移した。一方、令和6年および7年は1~4月にかけて上昇し、5月に低下した。
 同市場における外国産の平均価格(令和7年)は、1キログラム当たり124円で、国産の価格(同200円)の6割程度で推移した。



輸入量の動向

 にんじん(生鮮)の輸入先は、中国が大部分を占め、その他豪州や台湾、ベトナムからの輸入も見られる。平成30年は国内産の不作により輸入量が増えた。中国産は、主に加工・業務用として年間を通じて輸入されている。

タイトル: p033a

にんじんの消費動向

 にんじんの1人当たりの年間購入量は、令和7年は2497グラムで、過去10カ年平均は2700グラムとなっている。炒め物や煮物など、和洋中で幅広い料理に使われるにんじんは、その鮮やかな色からお菓子やジュースの原料としても人気があり、長期貯蔵も可能で、家庭に常備される野菜だが、購入数量は減少傾向である。にんじんは緑黄色野菜の中でもα-カロテン、β-カロテンが豊富で、約50グラム(注2)食べると成人が1日に必要なビタミンAの量をカバーすることができる。β-カロテンは、体内でビタミンAへの転換が最も効率よく進み、抗酸化性も強く、活性酸素の動きを抑制し、免疫力を高め、粘膜や皮膚を健康に保つといわれている。カロテンは、油と調理することでビタミンAとしての吸収率が高まるため、サラダで油分を含むドレッシングやマヨネーズと一緒に摂取すると良い。また油を使った野菜炒めなどでも積極的に使いたい。にんじんを使ったレシピを以下に紹介する。
(注2)にんじんおよそ3分の1本。

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タイトル: p033c