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今月の野菜 野菜情報 2026年6月号

ピーマンのあれこれ~コロンブスが新大陸から持ち帰り、 広がった「ピーマン」~

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調査情報部

主要産地

タイトル: p028
 
 ピーマンはとうがらしの一種で、辛みのない大型のとうがらしの仲間である。熱帯アメリカ原産で、大航海時代にコロンブスがコショウと混同してスペインに持ち帰ったとされる。ピーマンと同種のとうがらしは、「香辛料」としてヨーロッパ内でも広がり、その後改良されて辛みのない甘味種がピーマンとなった。日本へは、明治時代に大果のベル型が欧米より導入されたが、一般に普及したのは1950年代以降で、日本人の嗜好に合わせ、果肉が薄く特有の青臭さを低減させたくせの少ない品種が誕生し、現在の主流となった。
 ピーマンは、未熟果(緑)での出回りが多いが、完熟させると赤くなり、これが赤ピーマンである。ピーマンは高温性の作物のため、かつては夏から秋に出荷される野菜であったが、現在では施設栽培により周年で供給されている。

作付面積・出荷量・単収の推移

 令和7年の作付面積は、2743ヘクタール(前年比98.6%)と、前年よりわずかに減少した。
 上位5県では、
●茨城県   538ヘクタール(同 100.9%)
●宮崎県   263ヘクタール(同 100.8%)
●岩手県   197ヘクタール(同 100.5%)
●鹿児島県  120ヘクタール(同 90.9%)
●大分県   109ヘクタール(同 99.1%)
 となっている。

タイトル: p029a
 
 令和7年の出荷量は、11万7030トン(前年比94.0%)と、前年よりかなりの程度減少した。
 上位5県では、
●茨城県   2万9358トン(同 92.5%)
●宮崎県   2万2195トン(同 97.9%)
●鹿児島県  1万1200トン(同 89.7%)
●高知県       9010トン(同 83.9%)
●岩手県       7160トン(同 95.6%)
 となっている。
 
タイトル: p029b
 
 出荷量上位5県について、10アール当たりの収量を見ると、高知県の11.94トンが最も多く、次いで鹿児島県の10.10トン、宮崎県の8.96トンと続いている。その他の道県で多いのは、北海道の7.54トン、沖縄県の6.17トンであり、全国平均は4.75トンとなっている。
 
タイトル: p029c

作付けされている主な品種等

 ピーマンは、分類上ナス科トウガラシ属に分類される。とうがらしには、「辛とうがらし」と「甘とうがらし」があるが、「甘とうがらし」のうち、小型のものが「ししとうがらし」、中型のベル系が「ピーマン」、大型で果肉の厚いものが「パプリカ」と呼ばれる。
 ピーマンは、大きさや形、色などのほかに、栽培特性や耐病性などの違いによって多くの品種が存在し、各産地では、それぞれの条件に適した品種を選定し、生産している。比較的多くの産地で栽培されている「薄肉中型種」の主な品種としては「みおぎ」や「(きょう)(すず)」などがある。
 最近では、赤や黄色、黒などのカラーピーマンのほかにも、子どもでも食べやすく肉厚で辛みのない「こどもピーマン」や生で食べられる「バナナピーマン」、種なしピーマンなどがある。
 
タイトル: p030

東京都・大阪中央卸売市場における月別県別入荷実績

 東京都中央卸売市場の月別入荷実績(令和6年)を見ると、施設栽培技術の普及によって通年の栽培が可能となり、茨城産は年間を通じて入荷しており、3~7月、10~11月までが中心となっている。7~10月の夏場から秋にかけては、東北産地の岩手産、福島産、青森産などの入荷もある。また、11月から翌5月にかけては、宮崎産、高知産、鹿児島産などの西南暖地産が入荷している。
 
タイトル: p031a
 
 大阪中央卸売市場の月別入荷実績(令和6年)を見ると、12月から翌6月にかけての入荷は、宮崎産、鹿児島産、高知産などの西南暖地産が中心となっている。6~10月にかけては、大分産、青森産などの入荷が多い。茨城産も3~11月にかけて入荷している。また、兵庫産(7~10月)や岩手産(8~9月)の入荷も見られる。
 
タイトル: p031b

東京都中央卸売市場における価格の推移

 東京都中央卸売市場のピーマンの価格(令和7年)は、1キログラム当たり458~850円(年平均595円)の幅で推移している。総入荷量が増えてくる2月から6月にかけては、価格は下げ基調で推移する。入荷量が安定している7~10月は、価格も400~600円の範囲で安定して推移し、総入荷量が減少する11月から翌2月の価格は上げ基調に転じる。
 
タイトル: p032a

輸入量の推移

 輸入される生鮮ピーマンのすべてが、ジャンボピーマン(パプリカ)であった。直近8年では、令和元年が4万2592トンと最も多く、その後は減少傾向で推移し、7年には1万8853トンと半分以下まで減少した。生鮮ジャンボピーマンの国・地域別輸入量を見ると、韓国が8割近くを占め、次いで、ニュージーランド、オランダとなっている。
 
タイトル: p032b

消費動向など

 近年、ピーマンの1人当たりの年間購入数量は、828~1047グラムで推移している。また、小売価格は令和4年以降、上昇傾向で推移している。
 ピーマンは、栄養豊富な野菜で、緑のピーマンは特にビタミンCが多く、みかんの約2倍、トマトの約5倍も含まれている。完熟果である赤ピーマンや黄ピーマンは、緑ピーマンの約2倍のビタミンCが含まれ、生でも食べやすいことからビタミンCを効果的に摂取できる。ビタミンCは皮膚や粘膜の健康維持を助けるとともに、抗酸化作用を有することが知られている。さらに、赤ピーマンはビタミンAの前駆体であるβ-カロテンを緑ピーマンの約2.5倍有している。ピーマンの細胞組織はしっかりとしているため、熱を加えてもビタミンが失われにくいのが特徴である。苦味が苦手な場合は、横ではなく縦に切って炒めると食べやすくなる。
 ピーマンを使ったレシピを以下に紹介する。