しいたけの原産地は日本と中国で、自然界では主に、コナラ、クヌギ、シイなどの広葉樹の枯れ木に生えるきのこである。温暖湿潤な日本には、6000種を超えるきのこがあり、このうち食用きのこは約200種類、栽培きのこは約100種類あるが、その代表の一つがしいたけであり、西洋のマッシュルーム、東南アジア・中国のフクロタケとともに、世界三大栽培きのこの一つとされる。
しいたけの栽培方法は、クヌギなどの幹に胞子を植える「原木栽培」と、おがくずに栄養となる米ぬかを加え滅菌した培地で栽培する「菌床栽培」の二つがあり、この2種の人工栽培技術が昭和時代に確立されてからその生産量は飛躍的に伸びた。現在流通しているしいたけの約9割は菌床栽培となっており、安定した品質のしいたけが一年を通して出回るようになった。
原木栽培のしいたけは、本来のしいたけの旬である春と秋に出回り、天然のしいたけに似て香りが高く肉厚とされることから、菌床栽培のしいたけより高値で流通している。1本のほだ木から約1キログラムのしいたけが収穫できるが、このほだ木は約10キログラムあり、これを扱うのは重労働のため生産量が減少している。