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今月の野菜 野菜情報 2024年5月号

そらまめの需給動向

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調査情報部

主要産地

タイトル: p032

 そらまめは世界最古の農産物のひとつといわれ、古代ギリシャ、ローマでも栽培され常食していたといわれる。
 名前の由来は、さやが空に向かって上を向いてなるため「空豆」の字が当てられたといわれるが、さやが(かいこ)の形に似ていることや、蚕が(まゆ)を作る時期においしくなるから「蚕豆(そらまめ)」や「(てん)(まめ)」、旬を表した「四月(しがつ)(まめ)」「(なつ)(まめ)」と呼ばれることもある。
 そらまめのさやを開くと、中には白い綿のような部分に守られるように豆が並んでいるが、この白い部分には栄養を蓄える働きがあり、豆の成長に合わせて豆に養分を送っている。
 そらまめにあるつめのような切れ目の部分を「お()(ぐろ)」と呼び、出始めの頃のそらまめはこの部分の色が薄くてやわらかく、熟しきったものやシーズンの終わりに近づいた時期に採れるものは黒くなる。

作付面積・出荷量・単収の推移

 令和4年の作付面積は、1580ヘクタール(前年比93.5%)と、前年に比べてかなりの程度減少した。
 上位5県では、
●千葉県  313ヘクタール(同 94.6%)
●鹿児島県  229ヘクタール(同 93.1%)
●茨城県  115ヘクタール(同 94.3%)
●愛媛県  85ヘクタール(同 77.3%)
●香川県  81ヘクタール(同 102.5%)
 となっている。

タイトル: p033a
 
 令和4年の出荷量は、9470トン(前年比95.6%)と、前年に比べてやや減少した。
 上位5県では、
●鹿児島県  2900トン(同 99.7%)
●千葉県  1540トン(同 92.8%)
●茨城県  1020トン(同 93.6%)
●愛媛県  465トン(同 95.3%)
●宮城県  359トン(同 110.8%)
 となっている。

タイトル: p033b
 
 出荷量上位5県について、10アール当たりの収量を見ると、鹿児島県の1.41トンが最も多く、次いで茨城県の1.07トン、宮城県の0.72トンと続いている。その他の県で多いのは、熊本県の1.12トンであり、全国平均は0.84トンとなっている。

タイトル: p033c

作付けされている主な品種等

 温暖な気候を好み、生育適温が高いため、収穫時期と地域が限定される。流通の大半を占めるのは「陵西(りょうさい)一寸(いっすん)」や「打越(うちこし)一寸(いっすん)」などの品種に代表される「一寸そらまめ」である。大粒で、豆一粒の大きさが一寸(約3センチ)ほどであることからこの名称がついた。

タイトル: p034a

東京都・大阪中央卸売市場における月別県別入荷実績

 東京都中央卸売市場の月別入荷実績(令和4年)を見ると、12月から鹿児島産が入荷し始め、4月にかけて増加しながら推移する。12月からピークの4月までは鹿児島産が太宗を占め、5~6月以降は鹿児島産が減って、千葉産、茨城産などの関東産や、宮城産、秋田産などの東北産が中心の入荷となる。7月以降の入荷量は一気に減り、夏場の入荷はほぼない。

タイトル: p034b
 
 大阪中央卸売市場の月別入荷実績(令和4年)を見ると、12月から鹿児島産が入荷し始め、4月にかけて増加しながら推移する。12月からピークの4月までは鹿児島産が太宗を占めるのは東京と同様だが、5月以降に関東産の入荷はなく、長崎産、愛媛産、和歌山産、岡山産といった九州産や中・四国産および青森産の入荷が見られる。7月以降の入荷量は一気に減り、夏場の入荷はほぼない。

タイトル: p035a

東京都中央卸売市場における価格の推移

 令和4年の東京都中央卸売市場における卸売価格は、1キログラム当たり384~888円(年平均526円)の幅で推移している。高齢化などにより生産量が減少していることから、入荷量の減少もあり、近年価格は上昇している。

タイトル: p035b

輸入量の動向

 主にチリやフランス、中国などから、夏場を中心に、外食産業や惣菜用向けに冷凍そらまめが輸入されている。輸入量は安定していないが、中国産が減少する中、チリ産の比率が高まっている。

タイトル: p036a

そらまめの消費動向など

 そらまめは、未成熟な豆を収穫したものは野菜に分類され、完熟したものを乾燥させたものは豆類となり、それらは煮豆や甘納豆のほか、フライビーンズ(いかり豆)、味噌やしょうゆといった調味料などの加工品に多く利用される。中国の調味料「豆板醤(とうばんじゃん)」に使われる豆はそらまめである。
 たんぱく質、糖質、ビタミンB群、食物繊維、リン、鉄など、さまざまな栄養素を含む栄養価の高い野菜である。特に疲労物質を身体にため込まないように働くビタミンB1が豊富で、疲労回復に役立つ。鮮度の良いものは皮ごと食べられるため、より多くの食物繊維を取ることができる。
 さやから出して空気に触れると急激に鮮度が落ちるため、出来るだけさやつきのものを求め、ゆでる直前にさやから出す方が良い。さやのふくらみが均一で、緑色が濃く、艶のあるものが新鮮である。

タイトル: p036b