さやえんどうは、えんどうを早採りしたもので、開花15日程度の小型の若いさやを食べる「絹さやえんどう」が日本では最も馴染みが深い。さや同士がこすれ合う音が
衣(絹)ずれに似ていることから、こう呼ばれるようになったともいわれる。
えんどうの原産は中央アジアから中東地域で、古代ギリシャ、ローマ時代から麦作の発祥とともに栽培されてきたといわれる。もともとは麦類の間にあった雑草で、マメ科の持つ土壌の肥沃に有効な「根粒菌」により栽培が進んだとも考えられている。日本へは9世紀頃、穀物として中国から渡来したといわれているが、さやえんどうとして本格的に栽培され始めたのは明治時代に入ってからである。
開花25日程度まで子実を大きくしてさやごと食べる「スナップえんどう」は、1970年代にアメリカから導入された品種で、肉厚で柔らかいさやと甘みの強さが特徴である。また、「
豆苗」は発芽したえんどうの若芽であり、えんどうの風味と香りがある。