ふきは、数少ない日本原産の野菜のうち最も古い物の一つで、平安時代にはすでに栽培されていたと言われる。
全国の山野に自生しており、冬に黄色の花を咲かせることから「
冬黄」、茎を折ると糸が出てくる様子から「
布々岐」、息を吹き込める穴があることから「吹き」など、古名や語源も数多くある。
現在市場の大半を占めるのは長さ1メートルほどの「愛知早生」だが、北海道の「ラワンぶき」や秋田の「秋田ふき」のように、葉の直径が1メートル以上、高さが2メートルにもなる巨大なふきもある。秋田ふきは肉質が堅くて苦味が強く、郷土料理の砂糖漬けに加工される。ふきの
花蕾であるふきのとうは、茎に比べて苦味がより強く、早春の食材として親しまれている。