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今月の野菜 野菜情報 2024年3月号

ふきの需給動向

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調査情報部

​主要産地

タイトル: p030
 
 ふきは、数少ない日本原産の野菜のうち最も古い物の一つで、平安時代にはすでに栽培されていたと言われる。
 全国の山野に自生しており、冬に黄色の花を咲かせることから「(ふゆ)()」、茎を折ると糸が出てくる様子から「布々(ふふ)()」、息を吹き込める穴があることから「吹き」など、古名や語源も数多くある。
 現在市場の大半を占めるのは長さ1メートルほどの「愛知早生」だが、北海道の「ラワンぶき」や秋田の「秋田ふき」のように、葉の直径が1メートル以上、高さが2メートルにもなる巨大なふきもある。秋田ふきは肉質が堅くて苦味が強く、郷土料理の砂糖漬けに加工される。ふきの()(らい)であるふきのとうは、茎に比べて苦味がより強く、早春の食材として親しまれている。

作付面積・出荷量・単収の推移

 令和4年の作付面積は、419ヘクタール(前年比91.9%)と、前年よりかなりの程度減少した。
 上位5道県では、
●群馬県  82ヘクタール(同 100.0%)
●愛知県  56ヘクタール(同 88.9%)
●秋田県  30ヘクタール(同 96.8%)
●北海道  22ヘクタール(同 91.7%)
●長野県  21ヘクタール(同 100.0%)
 となっている。

タイトル: p031a
 
 令和4年の出荷量は、6600トン(前年比91.8%)と、前年よりかなりの程度減少した。
 上位5府県では、
●愛知県  3040トン(同 93.0%)
●大阪府  743トン(同 99.9%)
●群馬県  726トン(同 98.2%)
●福岡県  408トン(同 86.8%)
●徳島県  225トン(同 89.3%)
 となっている。
 
タイトル: p031b
 
 出荷量上位5府県について、10アール当たりの収量を見ると、大阪府の7.18トンが最も多く、次いで福岡県の6.20トン、愛知県の5.76トンと続いている。その他の県で多いのは、岐阜県の4.03トン、高知県の3.00トンであり、全国平均は1.83トンとなっている。

タイトル: p031c

作付けされている主な品種等

 全国各地の山野で自生しているふきには野生種も多いが、市場流通の大半を占める「愛知早生」は、葉柄の伸びが早く、収穫量が多いことが特徴である。

タイトル: p032a

東京都・大阪中央卸売市場における月別県別入荷実績

 東京都中央卸売市場の月別入荷実績(令和4年)を見ると、3月から5月に入荷が集中しており、特に4月は主産地の愛知産に加え群馬産が入荷しピークとなる。7月以降9月までの夏場はほとんど入荷せず、10月以降の冬場は愛知産がメインとなる。

タイトル: p032b
 
 大阪中央卸売市場の月別入荷実績(令和4年)を見ると、東京と同様に3月から5月の入荷が最も多い。愛知産の割合が高いが、近在の大阪産、徳島産、高知産などもみられる。

タイトル: p033a

東京都中央卸売市場における価格の推移

 東京都中央卸売市場におけるふきの価格(令和4年・国内産)は、1キログラム当たり348~653円(年平均425円)の幅で推移している。国内生産量が減少していることから、入荷量も減少しているため、近年価格が上昇している。

タイトル: p033b

消費の動向

 ふきは、独特の香りとほろ苦さ、歯ざわりが特徴で、春の到来を感じさせる野菜である。ふきの花蕾である「ふきのとう」は春の季語にもなっている。
 あく抜きなど調理の下処理に時間がかかり、和の食材で煮物や佃煮など調理方法が限られることなどから、近年消費量が減少している。
 春のイメージが強いふきだが、出荷量の多い愛知県では、栽培技術の向上により真夏以外の10月~翌5月まで長期出荷している。2~5月に出荷される「春ふき」は、土の中で春を迎えるため軟らかく、香り(風味)が良いことから、かき揚げやふきご飯など香りを楽しむ料理に向く。10月~翌1月に出荷される「秋ふき」は、寒い時期を経るため繊維が多く、しゃきしゃき感が強いことから、煮物など長時間加熱する料理に向く。
 ふきの爽やかな苦味は油との相性も良いため、肉料理や炒め物に積極的に取り入れ、春に季節の香りを楽しんだり、秋には春との違いを食べ比べるなど、消費の機会を増やしたいものである。

タイトル: p034