セルリー(セロリ)(以下「セルリー」という)は、紀元前の古代ギリシャ、ローマ時代から薬草や匂い消しとして利用されていた。食用として栽培されるようになった歴史は比較的浅く、ヨーロッパ南部で17世紀に入ってからと言われている。
食用種のセルリーが日本に入ってきたのは江戸時代だが、独特の強い香りが好まれなかったため普及しなかった。しかし、昭和30年代以降、食の欧米化が進むに連れて徐々に利用が広がった。日本での栽培は、大正時代に試験栽培としてスタートしたが、
播種から収穫までおおよそ半年かかるセルリーの栽培には高い技術を要するため、作柄の安定までは多くの年月を必要とした。
セルリーは茎葉の色によって、黄色種、緑色種、中間種などに分けられ、日本ではかつて黄色種が多く利用されていたが、最近は、黄色種と緑色種の特徴を取り入れて米国で育成された中間種が主流となっている。繊維が少なく香りも穏やかな中間種は、サラダなどの生食利用が多い日本人向きの品種として定着している。一方で、スープや煮込み料理、肉料理や魚料理の匂い消しなど加熱して用いることが多い欧米では、肉厚で香りの強い緑色種が好まれている。