中国原産ともエジプト原産ともいわれるれんこんは、ハスの地下茎が肥大したものである。日本へは奈良時代以降に中国から伝わったものが各地に広まったとされている。これが在来種と呼ばれるれんこんであるのに対し、現在主流となっているのは明治以降に導入された中国種と呼ばれるれんこんで、病気に強く収量も高いため、急速に普及した。
れんこんは、ほかの野菜のように畑で栽培されるのではなく、水田や沼沢地で育つ。収穫は、水を張ったまま行う「水掘り」と、水を抜いて行う「
鍬掘り」がある。「水掘り」は、ポンプを使って水圧を加え、れんこんを浮かび上がらせて収穫する。「鍬掘り」は、水を抜き鍬で土を除きながら収穫する。いずれの収穫方法も、れんこんを傷付けないよう細心の注意を払いながらの繊細な作業である。
新潟県長岡市の大口地区で栽培されている大口れんこんや、山口県岩国市で栽培されている岩国れんこんなど、地名をとった地域の特産となっているものもある。