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今月の野菜 野菜情報 2023年9月号

ちんげんさいの需給動向

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調査情報部

主要産地

タイトル: p030


 ちんげんさいはアブラナ科の野菜で、結球しないはくさいの一種であり、日本で最もポピュラーな中国野菜の一つである。肉厚な軸と、大きな濃緑色の葉のシャキシャキした歯ごたえや癖のない味、煮崩れしないなどの扱いやすさから人気が出た。
 日本における歴史は浅く、日中国交回復後の昭和47年以降に、千葉県の中国料理店が種を持ち込み栽培を始めたのが先駆けといわれている。
 栽培は比較的簡単で、播種(はしゅ)後50日程度で収穫ができ、底堅い需要があるため、主産県では周年で出荷されるなど、安定した生産動向となっている。病気に強くさまざまな土壌での栽培が可能であり、軽量のため収穫作業の負担も少ないなどの理由から、産地は全国に広まっている。一般的なちんげんさいは1株100グラムほどだが、30~40グラムのミニちんげんさいもあり、これは株のまま丸ごとや葉1枚をそのまま使う。

作付面積・出荷量・単収の推移

 令和3年の作付面積は、2100ヘクタール(前年比97.7%)と、前年に比べてわずかに減少した。
 上位5県では、
●茨城県  495ヘクタール(同 96.7%)
●静岡県  293ヘクタール(同 99.3%)
●群馬県  134ヘクタール(同 95.0%)
●愛知県  124ヘクタール(同 91.9%)
●埼玉県  102ヘクタール(同 95.3%)
 となっている。

タイトル: p031a

 令和3年の出荷量は、3万7200トン(前年比101.1%)と、前年に比べてわずかに増加した。
 上位5県では、
●茨城県  1万600トン(同 99.1%)
●静岡県  6940トン(同 101.5%)
●愛知県  2840トン(同 103.6%)
●埼玉県  2070トン(同 97.6%)
●群馬県  1860トン(同 105.1%)
 となっている。

タイトル: p031b

 出荷量上位5県について、10アール当たりの収量を見ると静岡県の2.50トンが最も多く、次いで愛知県の2.43トン、茨城県の2.36トンと続いている。その他の道県で多いのは、長野県の2.20トンであり、全国平均は1.99トンとなっている。

タイトル: p031c

作付けされている主な品種等

 生産量の多い主産県では周年出荷され、収穫期に合わせて、暑さに強い夏用の品種と、晩抽性(とう立ちしにくい性質)で寒さに強い品種などを組み合わせて作付けしている産地が多い。

タイトル: p032a

東京都・大阪中央卸売市場における月別県別入荷実績

 東京都中央卸売市場の月別入荷実績(令和4年)を見ると、通年で茨城産、静岡産、千葉産が入荷している。茨城産が圧倒的なシェアを占めており、4~11月には埼玉産、2~4月は群馬産がみられる。

タイトル: p032b

 大阪中央卸売市場の月別入荷実績(令和4年)を見ると、静岡産、愛知産、福岡産が通年入荷しているほか、5~10月には長野産のシェアが大きくなる。

タイトル: p033a

東京都中央卸売市場における価格の推移

 令和4年の東京都中央卸売市場における卸売価格は、250~360円(年平均293円)の間で推移した。3~7月は露地物が出回り、ハウス物が出回る冬場にかけて価格は上昇する傾向が見られる。

タイトル: p033b

消費動向など

 ちんげんさいは、くせが少なく使い勝手が良いため、年間を通して一定の需要がある。淡白な味であくが少なく、加熱してもシャキシャキした良い歯ざわりが残る。中華料理には欠かせない食材だが、みそ汁やお浸しなどの和食や、クリーム煮など洋食系などにも幅広く使われており、周年で安定供給される身近な中国野菜である。
 緑黄色野菜であるちんげんさいは、β-カロテンを多く含み、油と一緒に摂取すると吸収が良くなるため、炒め物などによく利用されるのは理にかなっている調理法と言える。β-カロテンは、粘膜や皮膚の健康維持、のどや呼吸器系統を守る働きがあるとされるビタミンAに体内で変換される。また、カリウムやカルシウムも豊富に含み、特にカリウムは塩分を体外に排出する役割があり、血圧を下げる効果があるとされる。