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今月の野菜 野菜情報 2023年4月号

キャベツの需給動向

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調査情報部
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 キャベツの原産地はヨーロッパの地中海・大西洋沿岸で、もともとの野生種はケールのような非結球タイプのものであった。日本に食用として渡来したのは江戸時代末期だが、初めはもっぱら観賞用で、明治末から大正時代にかけて「とんかつ」が流行するにつれ、生食が急速に普及した。
 比較的冷涼な気候を好むことから、南から北へ、平地から高原へと各産地をつなぐリレー出荷や作型の多様化により、周年供給体制が確立している。出荷時期によって大きく春キャベツ、夏秋キャベツ、冬キャベツに分類される。春キャベツは、千葉県や神奈川県などの海洋性気候の暖かい地域が主産地であり、柔らかく甘みがあるのが特徴で、サラダや即席漬けなどにも向く。
 キャベツに由来して命名されたビタミン様物質キャベジン(ビタミンU)を含む。キャベジンは胃の粘膜を正常に保つ効果があることから、胃腸障害に有効な成分と考えられている。また、葉の付け根のわき芽が結球した芽キャベツは、ビタミンCを豊富に含み、その含有量はキャベツの4倍近くある。

作付面積・出荷量・単収の推移

 令和3年の作付面積は、3万4300ヘクタール(前年比100.9%)と、前年よりわずかに増加した。
 上位5県では、
●愛知県5440ヘクタール(同 101.3%)
●群馬県4340ヘクタール(同 106.4%)
●千葉県2730ヘクタール(同 98.2%)
●茨城県2370ヘクタール(同 100.0%)
●鹿児島県1860ヘクタール(同 96.9%)
となっている。

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 令和3年の出荷量は、133万トン(前年比102.9%)と、前年よりわずかに増加した。
 上位5府県では、
●愛知県25万2200トン(同101.9%)
●群馬県25万1700トン(同108.6%)
●千葉県11万2300トン(同100.4%)
●茨城県10万3500トン(同103.7%)
●長野県6万7400トン(同119.7%)
となっている。

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 出荷量上位5県について、10アール当たりの収量を見ると、群馬県の6.73トンが最も多く、次いで愛知県の4.91トン、長野県の4.65トンと続いている。その他の都道府県で多いのは、北海道の4.99トン、神奈川の4.62トンであり、全国平均は4.33トンとなっている。

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作付けされている主な品種等

 主なキャベツの品種は、春系(春玉)と冬系(寒玉)に大別される。かつては、巻きの堅い冬系(寒玉)が流通の大半を占めたが、その後、生のままでも軟らかい春系(春玉)が好まれ、需要が拡大した。最近は、加工・業務用需要が増加しており、外食・中食産業の基本食材として使われることが多く、巻きが固く歩留まりの良い冬系(寒玉)の生産量が増加している。

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東京都・大阪中央卸売市場における月別県別入荷実績

 東京都中央卸売市場の月別入荷実績(令和3年)を見ると、年間を通して平準化されており、産地リレーによって周年供給されていることがわかる。4~6月は神奈川産や千葉産や茨城産など、関東近在産地からの入荷が多い。7~10月は、各月とも群馬産の入荷が約60%以上を占めている。11月~翌3月は、愛知産および千葉産が主体となっている。

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 大阪中央卸売市場の月別入荷実績(令和3年)を見ると、東京都中央卸売市場と同様に、産地リレーによって周年供給されていることがわかる。4~6月は愛知産および茨城産を中心に、兵庫産、和歌山産などの入荷もある。7~10月は群馬産および長野産で全入荷量の約90%以上を占める。11月~翌3月は愛知産を主体に、兵庫産や大阪産などが入荷している。

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東京都中央卸売市場における価格の推移

 東京都中央卸売市場におけるキャベツの価格(令和4年)は、1キログラム当たり69~112円(年平均86円)の幅で推移している。令和2年は、7月の記録的な長雨、日照不足などの影響で生育が不良となり8月に価格が急騰した。

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輸入量の推移

 キャベツの輸入はほぼ生鮮品である。平成26年以降のキャベツ(生鮮)の輸入量を見ると、平成30年と令和3年を除き2万3000トンから3万8000トンの間で推移している。平成30年は、前年からの天候不良などにより国内産が品薄になり、輸入量が急増した。主な輸入先国は中国で、令和3年は96.8%を占める。中国産は周年輸入されているが、卸売市場にはほとんど入荷されず、多くは加工・業務用に直接仕向けられている。

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消費の動向など

 キャベツは野菜の中で最も購入量が多く、販売価格に関係なく安定している。1人当たりの年間購入量を見ると、平成27年以降は6000グラム前後で推移していたが、コロナ禍による家庭内消費の増加などにより、令和3年は6338グラムと過去10年間で最も多い。
 小売価格(東京都区部)の動向を見ると、平成27年以降は1キログラム当たり200円前後で推移している。
 キャベツに多く含まれるビタミンCやビタミンUは、水溶性のため、サラダや浅漬け、汁ごと食べられるスープや鍋物が効率的に摂取できる。
 産地をリレーして栽培することで周年供給されるが、収穫の季節や産地によって品種や味が異なるため、それぞれの特徴を知って年間を通じておいしく食べたいものである。

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お詫びと訂正

 「野菜情報」の掲載内容に誤りがありました。
 謹んでお詫び申し上げますと共に、以下の通り訂正いたします。
2023年2月号 今月の野菜 にんじんの需給動向(29ページ 令和3年産の主産地の単収

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