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今月の野菜 野菜情報 2022年9月号

だいこんの需給動向

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調査情報部
 
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 だいこんは、古代エジプトでは紀元前から栽培され、ピラミッド建設の労働報酬のひとつにもなっていたともいわれる。日本には中国から伝わったとされ、「古事記」にはすずしろ(清白)の名で記されている。
 品種改良や栽培技術が進んだ江戸時代の書物には、品種数の最も多い野菜と記述されている。そのころ、保存食として漬物や切り干しなどの加工も行われ、庶民の生活に欠かせない野菜となった。
 現在流通しているものは「青首系」がほとんどだが、ずんぐりとした三浦だいこんや丸型の聖護院だいこん、太くて短い源助大根など、色も形もバラエティ豊かで地方色の強い品種も多くある。
 

作付面積・出荷量・単収の推移

 令和2年の作付面積は、2万9800ヘクタール(前年比96.4%)と、前年よりやや減少した。
 上位5道県では、
●北海道2970ヘクタール(同 91.4%)
●青森県2830ヘクタール(同 95.3%)
●千葉県2620ヘクタール(同 98.5%)
●鹿児島県1970ヘクタール(同 95.6%)
●宮崎県1750ヘクタール(同 96.2%)
となっている。

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 令和2年の出荷量は、103万5000トン(前年比96.5%)と、前年よりやや減少した。
 上位5道県では、
●北海道13万8300トン(同 90.7%)
●千葉県13万7700トン(同 103.8%)
●青森県10万5300トン(同 95.0%)
●鹿児島県7万8100トン(同 91.6%)
●神奈川県6万8600トン(同 97.2%)
となっている。

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 出荷量上位5道県について、10アール当たりの収量を見ると、神奈川県の7.01トンが最も多く、次いで千葉県の5.65トン、北海道の4.96トンと続いている。その他の県で多いのは、長崎県の6.96トン、徳島県の6.56トンであり、全国平均は4.21トンとなっている。

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作付けされている主な品種等

 だいこんは、栽培の歴史が古く、日本全国でそれぞれの土壌、気候に適応した作型に分化したこと、さらに用途も幅広いことから日本における品種数は世界的に見ても多いと言われている。主に“青首だいこん”と“白首だいこん”の2つの品種群に大きく分かれるが、流通の主流は青首だいこんである。最近では辛みの強い品種や、赤、紫、黒、縞模様といった色とりどりの品種も消費者から注目を集めている。

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東京都・大阪中央卸売市場における月別県別入荷実績

 東京都中央卸売市場の月別入荷実績(令和3年)を見ると、6月から10月までは北海道、青森県といった東北の産地からの入荷が見られるが、11月から翌5月にかけては近在の千葉県、神奈川県、茨城県の入荷が大きな割合を占めるほか、徳島県や鹿児島県からの入荷も見られる。

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 大阪中央卸売市場の月別入荷実績(令和3年)を見ると、6月から10月は北海道産や東北、北陸からの入荷割合が高く、11月から翌5月にかけては長崎県、徳島県、和歌山県、鹿児島県などからの入荷がみられる。

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東京都中央卸売市場における価格の推移

 東京都中央卸売市場におけるだいこんの価格(令和3年)は、1キログラム当たり55~109円(年平均82円)の幅で推移している。

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輸入量の動向

 生鮮だいこんの輸入量は、国内の台風や秋以降の低温などの影響により、国産が不作となったため平成30年に急増したが、その後は減少し、直近の令和3年は2500トン程度となっている。中国からの輸入が大部分を占めている。冷凍だいこんは、中国から主に業務用のだいこんおろし用として周年で輸入している。令和2年、3年の輸入量は、コロナ禍による業務用需要の減少により230トン程度となった。乾燥だいこんは、主に中国から切り干しだいこんの原料として、周年で輸入されている。

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消費の動向

 だいこんの年間購入量は、平成26年以降減少傾向にあったが、令和2年はコロナ禍による家庭内消費もあり、4186グラムと増加した。近年は、家庭で漬物を作らなくなり、はくさいなどと並んで消費量の減少が大きい野菜である。東京都区部の小売価格は1キログラム当たり170円前後で推移しており、価格が高くなると購入数量が減るような傾向が見られる。

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