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今月の野菜 野菜情報2022年8月号

みょうがの需給動向

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調査情報部





 みょうがはショウガ科の多年草で、香味野菜として日本では古くから親しまれている。 本州から沖縄までの日本各地に自生しているが、野菜として栽培しているのは日本だけである。普段われわれが食べている赤くふっくらとしたみょうがは「花みょうが」と呼ばれる地下茎の先端に形成され、地面に顔を出した花が咲く前のつぼみの部分である。一方、若い茎を軟白栽培したものを「みょうが竹」と呼んでおり、辛みがあって香りもよく、酢の物や吸い物などに使われる。

作付面積・出荷量・単収の推移

 平成30年の作付面積は、242ヘクタール(28年比80.7%)と、28年より大幅に減少した。
上位5県では、
●高知県105ヘクタール(同 98.1%)
●秋田県35ヘクタール(同 134.6%)
●山形県27ヘクタール(同 29.0%)
●奈良県17ヘクタール(同 100.0%)
●群馬県14ヘクタール(同 116.7%)
となっている。

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 平成30年の出荷量は、5376トン(28年比103.6%)と、28年よりやや増加した。
上位5県では、
●高知県4885トン(同 103.4%)
●奈良県138トン(同 100.7%)
●秋田県120トン(同 144.6%)
●群馬県85トン(同 87.6%)
●山形県39トン(同 83.0%)
となっている。

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 出荷量上位5県について、10アール当たりの収量を見ると、高知県の4.65トンが最も多く、次いで奈良県の0.81トン、群馬県の0.62トンと続いている。その他の県で多いのは、長野県の0.35トン、福島県の0.32トンであり、全国平均は2.23トンとなっている。

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作付けされている主な品種等

 みょうがは、つぼみの発生時期によって夏みょうが(早生種)と秋みょうが(中・晩生種)に分けられる。早生種としては、群馬県で在来種から選抜育成された陣田早生が知られている。土着の在来種が栽培されており品種は少なく、系統も分化していない。

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東京都・大阪中央卸売市場における月別県別入荷実績

 東京都中央卸売市場の月別入荷実績(令和3年)を見ると、通年で高知県からの入荷がありピークは7月となる。高知県が減少する8月以降は、群馬県、秋田県の入荷が増え、青森県や長野県からの入荷もみられる。
 
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 大阪中央卸売市場の月別入荷実績(令和3年)を見ると、ピークは7月となっており、高知県から通年で入荷されるほか、わずかに和歌山県や長野県からの入荷もみられる。

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東京都中央卸売市場における価格の推移

 東京都中央卸売市場におけるみょうがの価格(令和3年)は、1キログラム当たり1339~3649円(年平均2016円)の幅で推移している。消費量が増える7月から8月にかけて価格が上がり、秋口の9月に一時的に下落するものの、入荷量が減ってくる年末にかけて上昇するという傾向がみられる。

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輸出量の動向

 みょうがは、数量的には多くはないものの安定した輸出がみられる。平成26年以降、輸出は増加傾向で推移しており、タイ、台湾のほか、近年はオランダへの輸出もみられる。

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みょうがの消費動向

 みょうがは、小ぶりで紅色がきれいなもの、光沢があり、花が咲く前の身の締まったものがよい。
 みょうがにはカリウム、カルシウム、マグネシウムなどが含まれており、カリウムはナトリウムとのバランスを取り、細胞の正常な活動を保つ働きがある。また、ナトリウムを体外に排出する働きがあることから、血圧を下げる効果があるとされている。
 みょうがの露地栽培ものの旬は夏であり、清涼感ある風味はそうめんやみそ汁の薬味、刺身のつまとして日本人に愛されてきた。薬味としての利用以外に、甘酢漬けや卵とじなど加熱料理にもおすすめである。みょうが竹は栽培方法も独特であることから季節性が高く、冬から春にかけて日本料理店などで魚肉料理の添え物として利用されている。