にんにくは中央アジア原産といわれ、紀元前3200年ごろには古代エジプトで利用され、ピラミッド建設を支えた労働者たちの一種の強壮剤として使用されていたといわれている。
日本にも古い時代に中国から伝わり、少なくとも1000年以上前から薬用として栽培されていたとみられている。その臭いが好まれなかったため食用とはされず、強い臭いを嫌う仏僧、公家、武士などのもとでは食することを禁じていたようである。中国料理、西洋料理の普及などから利用が盛んになったのは第2次世界大戦後のことである。
たまねぎの仲間であるにんにくは、ねぎ類の中でもっとも多くアリシンを含み、高い抗菌作用や抗酸化作用を持つ。アリシンは、血流をよくするほか、風邪の予防やがん予防などにその効果が期待されている。
かつてはもっぱら
鱗茎と呼ばれる地下茎が肥大した玉の部分を食べていたが、若い
花茎(にんにくの芽)や葉(葉にんにく)も食べられるようになった。