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今月の野菜 野菜情報 2022年5月号

グリンピース(実えんどう)の需給動向

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調査情報部

主要産地(グリーンピース)

主要産地の図

 えんどうは、若いさやごと食べるさやえんどう、未成熟の中の実を食べるグリーンピース(実えんどう)に大きく分けられる。また、完熟の実を豆大福などに用いるえんどう豆があり、えんどうは成熟するまで各過程で味わうことができる作物である。
 グリーンピースは、ほとんどが缶詰や冷凍食品に加工されており、一年中手に入るが、生のものの風味は格別で4~6月が旬である。関東地方ではグリーンピースとして親しまれているが、関西地方ではうすいえんどうが春を告げる食材として親しまれていている。
 近年では、豆がグリーンピースほどの大きさになってもさやごと食べられるスナップえんどうが開発され、日本でも昭和50年代から流通している。えんどうを発芽させた若い茎葉を食べるものを豆苗という。

作付面積・出荷量・単収の推移

 令和2年の作付面積は、685ヘクタール(前年比93.7%)と、前年よりかなりの程度減少した。
 上位5道府県では、
●和歌山県213ヘクタール(同 91.0%)
●鹿児島県96ヘクタール(同 94.1%)
●北海道49ヘクタール(同 94.2%)
●大阪府34ヘクタール(同 97.1%)
●福島県27ヘクタール(同 96.4%)
となっている。

作付面積の推移

 令和2年の出荷量は、4450トン(前年比89.0%)と、前年よりかなり大きく減少した。
 上位5道県では、
●和歌山県2200トン(同 92.4%)
●鹿児島県668トン(同 83.6%)
●熊本県233トン(同 96.7%)
●北海道194トン(同 59.1%)
●大阪府107トン(同 93.9%)
となっている。

出荷量の推移

 出荷量上位5道府県について、10アール当たりの収量を見ると、和歌山県の1.17トンが最も多く、次いで熊本県の1.13トン、鹿児島県の0.80トンと続いている。その他の県で多いのは、福岡県の0.76トン、岐阜県の0.68トンであり、全国平均は0.82トンとなっている。

令和2年の主産地の単収

作付けされている主な品種等

 主に関西地域で流通、消費されているうすいえんどうは、明治時代に米国から入ってきたグリーンピースが、栽培条件が適していた大阪府羽曳野市碓井地区に導入されたことが名前の由来となっている。

主な品種

東京都・大阪中央卸売市場における月別県別入荷実績

 東京都中央卸売市場の月別入荷実績(令和2年)を見ると、11月から鹿児島県の入荷が始まり、2月がピークとなる。5月から8月にかけては福島県、北海道からも入荷する。

令和2年 グリーンピースの月別入荷実績

 大阪中央卸売市場の月別入荷実績(令和2年)を見ると、主産地である和歌山県からの入荷が11月から増え始め6月まで続く。3月から5月にかけては、数量は少ないが長崎県や大阪府からの入荷がみられる。

令和2年 グリーンピースの月別入荷実績(大阪中央卸売市場計)

東京都中央卸売市場における価格の推移

 東京都中央卸売市場における国内産実えんどうの価格(令和2年)は、1キログラム当たり749~2409円(年平均889円)の幅で推移している。7月以降は数量が激減し、卸売価格は高くなる傾向にある。

卸売価格の月別推移(国内産:実えんどう)