こまつなは、かぶやはくさいと同じアブラナ科で、本来は冬の野菜である。寒さに強く、霜が降りてから甘みが増すと言われ、冬菜とも呼ばれる。江戸時代、東京の小松川(東京都江戸川区)付近で作られていたことからこの名前が付いたと言われている。江戸庶民の重要な冬野菜で、江戸っ子の雑煮には欠かせないものであった。
現在では品種改良や栽培方法が工夫され、また栽培期間も短くさまざまな環境に適応できることから、ハウス栽培、トンネル栽培、露地栽培と年間4~8作され、周年出回っている。
全国で生産されており、東京、神奈川、埼玉、千葉などの都市近郊が主な産地であるが、各地でさまざまな種類が栽培されており、新潟県の女池菜や大崎菜、福島県の信夫菜、京都府の畑菜など、多くの地方品種がある。