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ブロッコリーの需給動向   調査情報部





ブロッコリーはアブラナ科で原産地は地中海沿岸である。明治時代に日本に渡来したものの、すぐには広まらず、第二次世界大戦後に洋菜類の需要が増えはじめ、昭和30年代後半からレタスとともに各地に栽培が広がった。本格的な経済栽培が始まったのは40年以降で、45年頃から夏まき秋どり、50年以降に都市近郊を中心に冬春まきの初夏どりの作型が確立された。当初は同じハナヤサイであるカリフラワーの栽培面積の方が大きかったが、繊細で扱いにくかったことや緑黄色野菜の存在感の高まりとともに、50年代に入ると栽培面積、出荷量ともにブロッコリーが逆転した。

作付面積・出荷量・単収の推移

平成30年の作付面積は、1万5400ヘクタール(前年比103.4%)と、前年に比べてやや増加した。

上位5県では、

●北海道2,560ヘクタール(同 102.4%)

●埼玉県1,240ヘクタール(同 102.5%)

●香川県1,170ヘクタール(同 105.4%)

●長野県 942ヘクタール(同 102.1%)

●愛知県940ヘクタール(同 99.6%)

となっている。

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平成30年の出荷量は、13万8900トン(前年比106.7%)と、前年に比べてかなりの程度、増加した。

上位県では、

●北海道21,700トン(同 91.2%)

●愛知県12,900トン(同 107.5%)

●香川県12,200トン(同 117.3%)

●埼玉県12,000トン(同 107.1%)

●徳島県9,480トン (同 116.7%)

となっている。

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出荷量上位5道県について、10アール当たりの単収を見ると、愛知県の1.48トンが最も多く、次いで徳島県の1.16トン、埼玉県の1.13トンと続いている。その他の県で多いのは、大阪の1.42トンであり、全国平均は1.00トンとなっている。

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作付けされている主な品種等

品種の分化は多くないが、花蕾だけを利用する頂花蕾型、スティック状の枝分かれしたわき芽を収穫する側花蕾型に分類される。さらに、ブロッコリーの芽もスプラウト(発芽野菜)として人気が高まっている。花蕾が出来る時期に低温に当たることが必要で気温に敏感なため、関東以北の産地ではしゅから収穫までの時間が短い中早生種、南の産地では晩生種が多い。クリアやベルネは寒さに当たっても紫色に変色しないアントシアニンレス品種である。

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東京都・大阪中央卸売市場における月別県別入荷実績

東京都中央卸売市場の月別入荷実績(令和元年)を見ると、11~翌5月までは香川産、愛知産、熊本産、長崎産といった西南暖地に加えて埼玉産が入荷する。6月以降10月までは産地が北に移り、長野産、北海道産、福島産、青森産の入荷となる。

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大阪中央卸売市場の月別入荷実績(令和元年)を見ると、11月~翌5月までは徳島産の入荷が多く、長崎産鳥取産、香川産、熊本産など九州・四国からの入荷が多い。6~10月は産地が徐々に北へ移行して北海道産、長野産の入荷が増える。

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東京都中央卸売市場における価格の推移

東京都中央卸売市場における国内産ブロッコリーの卸売価格は、1キログラム当たり300600円の間で推移し、8~9月は上昇する傾向がある。平成29年11から30年2月秋口の台風の影響で野菜全体の価格が高騰し、その影響を受けて高値で推移した。外国産については、年間を通して300400円で安定的に推移している。

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輸入量の動向

生鮮ブロッコリーの輸入量は、米国産が大きな割合を占めていたが近年は大きく減少し、メキシコ産が見られるようになっている。一方、冷凍ブロッコリーの輸入量は年々増加しており、特にエクアドル産の伸びが大きく、中国とともに主要輸入先国となっている。

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ブロッコリーの消費動向

1人当たり購入数量は年々上昇傾向にあり令和元年には1590グラムとなった。近年の東京都区部における小売価格は、平成27年を境に上昇し1キログラム当たり650750円台で推移している。ブロッコリーは緑黄色野菜に分類され、「栄養宝石の冠(Crown of Jewel Nutrition)」とも呼ばれている。特にビタミンC、ビタミンK、カルシウム、葉酸が豊富である。また、抗酸化作用と解毒作用が期待できる成分として知られるスルフォラファンも含まれる。さらに、野菜の中では比較的たんぱく質が多く低カロリーなので、アスリートからの注目も高まっている。食用となる部分は、収穫後の鮮度低下が激しいので、特に春から夏にかけては涼しい場所で保管したい。

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