[本文へジャンプ]

文字サイズ
  • 標準
  • 大きく
お問い合わせ

いちごの需給動向   調査情報部





いちごはバラ科オランダイチゴ属の多年草であることから一般的に果樹に含めることが多く、日本のように野菜として扱う国は珍しい。わが国へは江戸後期(18世紀)にオランダ人によって長崎に伝えられたことからオランダイチゴと呼ばれたが、野生のいちごに親しんでいた当時の日本人には受け入れられなかった。

日本での栽培は明治以降で、品種は福羽が中心だったが、第二次大戦後、高度経済成長に伴い電照技術も発達し昭和40年代以降は幅広い産地と作型に対応できる品種に移り変わっていった。いちごは一定の寒さにあうと花芽をつけるという性質があり、これを利用して夏場に苗を冷蔵するなどの方法で生育をコントロールし現在では、ほぼ周年で栽培・出荷が可能となっている。ちなみに、いちごの赤い実は果実ではなく、種子のベッドの役割をしている花托(かたく)の部分である。

作付面積・出荷量・単収の推移

平成29年の作付面積は、5,280ヘクタール(28年比98.3%)と、28年に比べてやや減少した。

上位県では、

栃木県554ヘクタール(同 94.5%)

福岡県455ヘクタール(同 98.3%)

熊本県316ヘクタール(同 98.4%)

静岡県303ヘクタール(同 98.4%)

長崎県268ヘクタール(同 96.8%)

となっている。

059a

29年の出荷量は、150,200トン(28年比103.6%)と、28年に比べてやや増加した。

上位県では、

●栃木県23,600トン(同 100.9%)

●福岡県16,900トン(同 114.2%)

●熊本県10,300トン(同 106.0%)

●静岡県9,950トン(同 105.3%)

●愛知県9,410トン(同 105.5%)

となっている。

059b

出荷量上位県について、10アール当たりの収量を見ると、栃木県の4.53トンが最も多く、次いで福岡県の3.90トン、愛知県の3.79トンと続いている。その他の県で多いのは、佐賀県の4.32トン、茨城県の3.70トンであり、全国平均は3.10トンとなっている。

059c

作付けされている主な品種等

明治初期に米国より栽培用品種の導入が試みられたが定着せず、その後、明治32年にふくはやがフランスの品種から育成した「福羽」の成功により本格的に商業的栽培が始まった。「福羽」はさまざまな品種の親となり、その後、昭和40年代に至るまで70年間ほど営利栽培された。戦後、ハウス栽培も普及し冬場でも栽培できる作型も広まったことから、現在では、北海道から九州まで栽培されており、栽培地域や作型に加え、果色やサイズにより差別化した品種など多様化が進んでいる。

060a

東京都・大阪中央卸売市場における月別県別入荷実績

東京都中央卸売市場の月別入荷実績(平成29年)を見ると、11月から栃木県入荷が増え始め、12月からは福岡県、茨城県、静岡県、佐賀県も加わり急増する。ピークは3月で5月まで入荷が続く。6月以降は宮城県から入荷するものの量は少なく、10月までは入荷が非常に少ない時期が続く。

060b

大阪中央卸売市場の月別入荷実績(平成29年)を見ると、11月から入荷が始まる長崎県、熊本県、福岡県、佐賀県は春に向けて数量を増やしていく。1月以降は徳島県、香川県も入荷し3月のピークに向けて数量を増やし、5月まで出荷が続く。6月は長崎県、香川県から出荷がみられるが7月から10月までは非常に入荷が少ない時期が続く。

6 061a

東京都中央卸売市場における価格の推移

東京都中央卸売市場における国内産の生鮮いちごの卸売価格(平成29年)は、1キログラム当たり968~2630円(年平均1738円)の幅で推移している。出荷の増える1月からは下落し、4~5月に底となり、7~10月にかけて上昇する傾向がみられる。一方、外国産の生鮮いちごの卸売価格は1000円~1500円の幅で推移し、国産に比べて変動が少ない。

061b

輸入量の動向

生鮮いちごの輸入量は3000トン前後で推移しており、国産の出荷量が極端に少なくなる夏場に業務用として輸入される米国産が中心である。冷凍いちごは万5000トンから万トンの間で推移しており、中国、米国のほかチリからも増えてきている。ピューレなどが含まれる調製いちごは、中国、米国、フランスなどから輸入されている

062a

062b

062c

062d

063a

輸出量の動向

いちごの輸出実績を見ると、平成22年から24年まではほぼ横ばいとなっているが、25年から徐々に増え始め、29年には対前年比1.7倍まで増加した。関税がないうえに、日本の港で植物検疫を受けずに輸出できることから香港向けが太宗を占めるが、台湾、シンガポールへの輸出量も伸びている。海外では、日本産いちごの食味の良さに対する認知度が高まっており、今後は富裕層に加えて中間層もターゲットにした価格帯も伸びていくものと期待されている。

063b

いちごの人当たり年間購入数量は減少傾向にあり、平成29年には778グラムとなった。これは、標準的ないちごパックで約3個分である。いちごは、1960年代までは春から初夏が旬であったが、品種改良やハウス栽培も普及し、クリスマス需要に合わせた冬場の出荷も増えてきている。老若男女に人気があるいちごは、野菜、果実の中でもビタミンCが豊富で、5~6粒で1日に必要な50ミリグラムを摂取できるという魅力もあ。ビタミンCは抗酸化作用があることから動脈硬化や脳卒中を予防したり、風邪の予防も期待でき。冷凍で保存もできるので、ジャムやジュースの材料としてストックしておくのもお薦めである。切らずにそのまま食べられるので、気軽に食卓に乗せたい。

063c


産地紹介
元のページへ戻る


このページのトップへ