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かんしょの需給動向   調査情報部





かんしょの原産地はメキシコから中央アメリカであるという説が有力である。1492年にコロンブスがアメリカ大陸を発見した際にスペインに持ち帰りイサベラ女王に献上したという有名な話がある。その後、南欧に広がったと考えられているが、高温を好む作物であるため、寒冷地が多いヨーロッパではそれほど重要視されなかった。わが国へは、17世紀初期に中国の福建省あたりから沖縄を経て薩摩藩に伝わり、本州へ伝搬したとされる。18世紀前半に蘭学者・青木昆陽が救荒作物として全国に普及させ、以後、大飢饉や戦中・戦後の食糧難から国民の命を救った作物である。かんしょ(甘藷)の由来は「甘みのある芋」を意味し、薩摩藩で栽培が盛んであったことから「さつまいも」という名称で全国に普及した。高温を好む作物なので、作付けが多いのは九州や関東だが、最近は北海道での栽培も試みられている。

作付面積・出荷量・単収の推移

平成29年の作付面積は、35,600ヘクタール(28年比98.9%)と、28年よりやや減少した。

上位県では、

鹿児島県11,900ヘクタール(同 99.2%)

茨城県6,700ヘクタール(同 99.7%)

千葉県4,130ヘクタール(同 98.6%)

宮崎県3,690ヘクタール(同102.8%)

徳島県1,100ヘクタール(同 98.2%)

となっている。

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29年の出荷量は、807,100トン(28年比93.8%)と、28年よりかなり減少した。

上位5県では、

鹿児島県282,000トン(同 87.4%)

茨城県174,900トン(同101.7%)

千葉県101,200トン(同 97.8%)

宮崎県90,000トン(同 97.5%)

徳島県30,300トン(同105.9%)

となっている。

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出荷量上位5県について、10アール当たりの収量を見ると、徳島県の2.75トンが最も多く、次いで茨城県の2.61トン、千葉県の2.45トンと続いている。その他の県で多いのは、熊本県の2.23トン、石川県の2.05トンであり、全国平均は2.27トンとなっている。

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作付けされている主な品種等

最近のかんしょは、焼きいも、干しいもなどを中心に食用かんしょの静かなブームが続いている。品種数は世界で4000種、品種改良が進んでいる日本では40種類ほどが栽培されていると言われている。食感によって大きく「ほくほく系(ベニアズマ、高系、パープルスイートなど)」、「しっとり系(シルクスイート、べにまさりなど)」「ねっとり系(べにはるか、安納紅、安納こがねなど)」の3タイプに分類される。

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東京都・大阪中央卸売市場における月別県別入荷実績

東京都中央卸売市場の月別入荷実績(平成29年)を見ると、9月から入荷量が増え、12月がピークとなる。その後、4月までは多く、5月から8月は少なくなる。千葉県、茨城県、徳島県からは通年の入荷がみられるほか、10月から3月までは鹿児島県、6月から8月には四国の高知県、香川県からの入荷がみられる。

かんしょは、青果物として市場へ出荷されるほかでん粉原料や焼酎原料などの加工用に使用されているものも多

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大阪中央卸売市場の月別入荷実績(平成29年)を見ると、9月~4月までは入荷量が多く、ピークは月となっている。徳島県、茨城県、千葉県、宮崎県と幅広い産地から通年の入荷があるほか、12月から4月にかけては大分県、4月から6月は熊本県、7月から11月は鹿児島県からの入荷がみられる。

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東京都中央卸売市場における価格の推移

東京都中央卸売市場におけるかんしょの価格(平成29年)は、1キログラム当たり197~243円(年平均220円)の幅で推移している。通年、キログラム当たり200円から300円の間で推移し、品薄になる夏場、5月から8月にかけて高めに推移する傾向がみられるものの、29年については季節間の価格差は小さくなっている。

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輸出入量の動向

かんしょ(生鮮・乾燥)の輸入量は、減少から横ばい傾向で、中国からの輸入が減少している。冷凍かんしょの輸入量は波があるが、平成29年と22年を比較すると、中国からの数量が横ばいなのに対し、ベトナム、インドネシアからの輸入が増えているのが特徴である。

かんしょ(生鮮・冷凍・乾燥)の輸出量は、年々増加しており、特に香港向けの伸びが大きく、次いで台湾、シンガポールと東南アジア向けが中心となっている。日本産は現地のものよりも食感がよく甘味が強いことから人気が広まっている。また、炊飯器で蒸して食べる食文化がある香港では、小振りサイズが好まれている。

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かんしょの消費動向

人当たり年間購入量は1キログラム前後で推移しており、大きな増減はないが、安納いもなど焼きいもに適した品種が登場したことや産地が焼きいもオーブンとセットで販売促進を行ったことなどから平成15年ころから「平成の焼きいもブーム」が到来し、スイーツとして、また食物繊維を豊富に含むことから健康食品の一つとして需要が伸びている。

かんしょは、品種によって、ほくほく系、しっとり系、ねっとり系と分かれるが、どの品種でも収穫後、適度な温度と湿度を保ちながら貯蔵することによりでん粉がショ糖などに変化し、甘味が増していく。熟すスピードは品種によって異なり、産地ではこの特性を生かして出荷時期を調整し、需要に応じて出荷できる体制を整えている。一年を通して市場に出回るかんしょだが、同じ品種でも時期によって食感や甘味に変化があるのはそのためである。かんしょの旬といえば、収穫直後の月、成熟後の月というのが通説であったが、最近ではかんしょスイーツの人気から夏場を第の旬とする販売促進が始まっている。ねっとり系の焼きいもを冷凍し、自然解凍するとお手軽なスイーツになる。市場関係者もおすすめする食べ方であり、ぜひお試しいただきたい。

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