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みょうがの需給動向   調査情報部





みょうがはショウガショウガの宿根性の多年草である。原産は、日本を含むアジア東部の暖温地帯とされ、日本以外では台湾や韓国の一部で生息が確認されている。半日陰で乾燥しないところが栽培に適しているが加湿には弱い。Japanese Gingerという英名が表すとおり食用として栽培しているのは日本だけと言われている。食用とされるのは、地下茎の先端に形成されるじょ(蕾)で、一般的にみょうがと呼ばれている「花みょうが」(以下、「みょうが」という)と幼茎を遮光して軟白栽培した「みょうがけ」に分けられる。日本国内全域で自生が確認されるが、みょうがは高知県、みょうがたけは宮城県が代表的な産地として知られる。

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作付面積・出荷量・単収の推移

平成26年の作付面積は、308ヘクタール(24年比70.5%)と、24年より大幅に減少した。

上位5県では、

●高知県106ヘクタール(同103.9%)

●奈良県52ヘクタール(同 75.4%)

●秋田県32ヘクタール(同 40.0%)

●山形県29ヘクタール(同 42.6%)

●群馬県18ヘクタール(同 58.1%)

となっている。

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26年の出荷量は、5622トン(24年比100.3%)と、24年よりわずかに増加した。

上位5県では、

●高知県4899トン(同104.9%)

●秋田県223トン(同110.9%)

●奈良県176トン(同 72.7%)

●群馬県89トン(同 52.0%)

●和歌山県58トン(同 95.1%)

となっている。

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出荷量上位5県について、10アール当たりの収量を見ると、高知県ハウスと露地栽培で周年生産しているため、4.62トン最も多くなっており、次いで秋田県の0.70トン、群馬県の0.51トンと続いている。その他の県で多いのは、山梨県の1.00トン、北海道の0.65トンであり、全国平均は1.83トンとなっている。

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作付けされている主な品種等

みょうがは、蕾の発生時期によって夏みょうが(早生種)と秋みょうが(中・晩生種)に分けられる。早生種としては、群馬県で在来種から選抜育成された陣田早生が知られている。早生種はみょうが、中・晩生種はみょうがたけに使うことが多い。土着の在来種が栽培されており品種は少なく、系統も分化していない。

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東京都・大阪中央卸売市場における月別県別入荷実績

東京都中央卸売市場の月別入荷実績(平成29年)を見ると、通年で高知県からの入荷がありピークは7月となる。高知県が減少する8月以降は、群馬県、秋田県の入荷が増え、9月以降は、長野県や青森県、栃木県、茨城県からの入荷もみられる。

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大阪中央卸売市場の月別入荷実績(平成29年)を見ると、ピークは6月となっており、高知県から通年で入荷されるほか、わずかに和歌山県からの入荷もみられる。

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東京都中央卸売市場における価格の推移

東京都中央卸売市場におけるみょうがの価格(平成29年)は、1キログラム当たり1313~3728円(年平均1818円)の幅で推移している。消費量が増える7月から8月にかけて価格が上がり、秋口の9月に一時的に下落するものの、入荷量が減ってくる年末にかけて上昇するという傾向がみられる。

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輸出量の推移

平成29年の輸出量を見ると、3.1トン(前年比87.4%)となっており、数量的には多くはないものの安定した輸出が見られる。平成27年以降、米国への輸出量は減少する一方でタイ向けの数量が増えている。台湾およびタイには季節変動なく、通年、コンスタントに輸出されている。

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みょうがの消費動向

みょうが、みょうがたけともに鮮度が高いものはピンク色が美しく張りがある。成分としては、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどが含まれている。みょうがは通年、店頭に並ぶようになったが、みょうがたけは栽培方法も独特であることから季節性が高く、冬から春にかけて高級日本料理店などで魚肉料理の添え物として珍重されている。

みょうがは昔から家の軒先などにも自生しており、露地栽培の旬は夏であることから、その清涼感ある風味はそうめんや味噌汁の薬味として日本人に愛されてきた。薬味としての利用以外に、甘酢漬けや卵とじなど加熱料理にもおすすめである。

東京で100年以上にわたり、わさびを中心に香辛野菜やつま物を扱う仲卸「甲菊の社長によると、わさび、みょうが、山椒は日本で古くから食用として栽培されてきた食材であり、近年は和食の海外進出に伴い、外国人からも注目されているそうだ。


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