えだまめは、未成熟な大豆を食用とする野菜である。いつ頃から野菜として食べるようになったのかははっきりしていないが、17世紀末の江戸時代には枝付きのえだまめをゆでてスナック感覚で食べ歩いていたという記録がある。最も流通量が多いのは表面のうぶ毛が白色の白毛系、晩夏から初秋に出荷されるうぶ毛が茶色い茶豆系は小ぶりだが人気が高まってきている。そのほか、秋の数週間のみ出回る京都・丹波の黒豆、地方野菜として根強い需要のある山形県・鶴岡市のだだちゃ豆など在来種が多いのがえだまめの特徴である。
平成28年の作付面積は、1万2800ヘクタール(前年比102.4%)と、前年よりわずかに増加した。
上位5道県では、
●新潟県1570ヘクタール(同100.6%)
●山形県1480ヘクタール(同103.5%)
●秋田県1210ヘクタール(同105.2%)
●群馬県1120ヘクタール(同100.0%)
●北海道1050ヘクタール(同118.4%)
となっている。
28年の出荷量は、4万9700トン(前年比101.2%)と、前年よりわずかに増加した。
上位5道県では、
●千葉県5660トン(同 93.2%)
●群馬県5560トン(同131.4%)
●北海道4830トン(同 93.8%)
●山形県4800トン(同 99.4%)
●埼玉県4270トン(同101.9%)
となっている。
出荷量上位5道県について、10アール当たりの収量を見ると、千葉県の0.81トンが最も多く、次いで埼玉県の0.80トン、群馬県の0.57トンと続いている。その他の県で多いのは、東京都の0.99トン、大分県の0.94トンであり、全国平均は0.52トンとなっている。
収穫適期が短く、収穫後は急速に食味が落ちてしまうことから、庭先で栽培し自家消費するほか、産地で消費されてしまい他県に出回らないこともあり、地方品種の多さにもつながっている。最近では湯あがり娘のように全国的に栽培されている品種もある。
東京都中央卸売市場の月別入荷実績(平成28年)を見ると、5月はハウス栽培の静岡産が入荷する。6月以降、近在の神奈川県、千葉県、埼玉県からの入荷がみられ、7月から10月には秋田県、群馬県、山形県、新潟県が増える。11月以降は入荷量が激減する。
大阪中央卸売市場の月別入荷実績(平成28年)を見ると、3月から5月は台湾産が入荷しており、6月から7月は近在の徳島産、岐阜県、大阪府、8月から10月にかけては岐阜県などに加えて秋田産、山形産など東北産が入荷し11月以降は入荷量が激減する。
東京都中央卸売市場におけるえだまめの価格(平成29年)は、1キログラム当たり538~2235円(年平均810円)の幅で推移している。国産の入荷がスタートする5月から価格は下がり、10月以降は徐々に高くなり1月がピークとなる。
冷凍えだまめの輸入量は増加傾向で推移しており、輸入国に大きな変化はないものの、平成27年にはタイ産が初めて中国産を上回り、台湾産に次ぐ第2位の輸入国となった。
大豆といえば「畑の肉」とも言われるほどタンパク質や脂質などが豊富だが、未成熟の大豆であるえだまめも同様に栄養価が高く、ビタミンB2や葉酸が多く含まれている。冷凍・貯蔵技術の発達により、旬を問わず、通年、入手できるようになり飲食店のメニューにも欠かせない存在であるだけでなく、栄養面からも注目されEDAMAMEとして世界的に知られる日本発祥の食文化のひとつである。国内の供給量に大きな変化はないものの、供給量の約半分を輸入品が占めている。