たまねぎは、カレーやシチューなどの定番料理のほか、おつまみでおなじみのオニオンリングフライ、サラダに添えて香りや歯触りを楽しむオニオンスライスなど幅広い調理法に対応でき、世界中で愛されている野菜のひとつである。
品種としては、春先に出回り新たまねぎとして知られる「秋まき種」と夏から秋に収穫する黄色い皮が特徴で長期保存に適した「春まき種」に大きく分けられる。国内最大の収穫量を誇る北海道では春まきの貯蔵たまねぎが主流となっており、通年、供給できる体制が整っている。
その他、鮮やかな色で彩りに使われる赤たまねぎやグリーンの葉の部分を利用する葉たまねぎ、ペコロスと呼ばれる一口サイズのたまねぎなどバラエティも増えている。
平成28年の作付面積は、2万5800ヘクタール(前年比100.4%)と、前年よりわずかに増加した。
上位5県では、
●北海道1万4300ヘクタール(同100.7%)
●佐賀県2580ヘクタール(同 95.6%)
●兵庫県1720ヘクタール(同 99.4%)
●長崎県823ヘクタール(同106.1%)
●愛知県609ヘクタール(同100.3%)
となっている。
28年の出荷量は、110万7000トン(前年比98.5%)と、前年よりわずかに減少した。
上位5県では、
●北海道78万3000トン(同102.8%)
●兵庫県7万8000トン(同 96.2%)
●佐賀県7万4500トン(同 68.9%)
●愛知県2万8300トン(同112.7%)
●長崎県2万2300トン(同 79.6%)
となっている。
出荷量上位5道県について、10アール当たりの収量を見ると、北海道の5.90トンが最も多く、次いで愛知県の5.23トン、兵庫県の5.06トンと続いている。その他の県で多いのは、栃木県の5.40トン、富山県の4.70トンであり、全国平均は4.82トンとなっている。
出荷量が最大の北海道は貯蔵たまねぎの産地であるが、九州地方は新たまねぎの産地としても有名である。
作付けされている品種を見ると、高温に対する感受性が高いため北の産地と南の産地で大きく品種が異なる。
東京都中央卸売市場の月別入荷実績(平成28年)を見ると、北海道産と九州産が同時に入荷する4月が最も多く、佐賀県産、兵庫県産の入荷が増える5月から7月の夏場にかけて減少し、8月以降はふたたび北海道産が多くなり9月以降は入荷し1万トン前後で推移する。
大阪中央卸売市場の月別入荷実績(平成28年)を見ると、東京市場と同様に北海道と西の産地が同時に入荷する春先の入荷が最も多い。兵庫県産は通年入荷しており、特に5月から8月の入荷が多い。
東京都中央卸売市場における国内産たまねぎの価格(平成28年)は、1キログラム当たり80~183円(年平均106円)の幅で推移している。6月から8月ごろまでは上げ基調で推移し、9月から12月ごろにかけて下げ基調に転ずる。
たまねぎは家庭での消費以外に中食や外食での利用が多い食材でもあり、生鮮野菜のなかでもっとも輸入量が多い野菜である。
平成28年の生鮮たまねぎの輸入量は平成21年の1.3倍となっており、中国産、ニュージーランド産の輸入が増える一方で米国産が急減しているのが特徴である。
冷凍たまねぎについては、平成21年以降、右肩上がりで推移し、平成25年以降は1万トンを超えて推移している。乾燥たまねぎの輸入については数量、輸入国ともに大きな変化はみられず、米国が約6割、中国が約2割を占めている。
たまねぎは、野菜のなかでキャベツに次いで購入量の多い野菜である。
1人当たりの年間購入量の推移を見ると5000~5800グラムで推移しており、ゆるやかに上昇している。
小売価格は平成26年以降、1キログラム当たり260円程度で推移している。
たまねぎに含まれる硫化アリルの一種であるプロピルメチルジスフィドはコレステロールの代謝促進や血栓予防に効果があり動脈硬化の予防につながることから「たまねぎは血液をサラサラにする」という認識も広まっており、健康志向の高まりとともに関心が高まっている野菜である。