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キャベツの需給動向調査情報部

キャベツの原産地は、ヨーロッパの地中海・大西洋沿岸である。古代ギリシャ人やローマ人も食用とした最古の野菜の一つで、世界で最もポピュラーな葉菜である。もともとの野生種は、青汁にも使われるケールのような非結球タイプのものであった。これをケルト人がヨーロッパ各地に広めたが、その過程で花を食べるブロッコリーやカリフラワー、わき芽を食べる芽キャベツなどに分化し、現在のような結球タイプのキャベツが生まれた。日本に食用として渡来したのは、江戸時代末期である。最初は外国人居留地向けに栽培されていたが、明治末から大正時代にかけて「とんかつ」が流行するにつれ、キャベツの生食も急速に普及した。

キャベツの生育適温は15~20度で、比較的冷涼な気候を好むことから、南から北へ、平地から高原へと各産地をつなぐリレー出荷や作型の多様化により、周年供給体制が確立している。キャベツは、出荷時期によって、大きく春キャベツ、夏秋キャベツ、冬キャベツに分類される。4~6月に収穫期を迎える春キャベツは、千葉県や神奈川県などの海洋性気候の暖かい地域が主産地である。7~10月収穫の夏秋キャベツは、群馬県や長野県の高原地帯、北海道や岩手県などの冷涼地で栽培されている。11~翌3月収穫の冬キャベツは、愛知県や神奈川県、千葉県などが主産地となっている。また、茨城県は加工・業務用の比率が高い。

作付面積・出荷量・単収の推移

平成28年の作付面積は、3万4600ヘクタール(前年比99.7%)と、前年よりわずかに減少した。

上位県では、

●愛知県5450ヘクタール(同 98.4%)

●群馬県3910ヘクタール(同104.0%)

●千葉県2900ヘクタール(同 99.7%)

●茨城県2330ヘクタール(同100.4%)

●鹿児島県1930ヘクタール(同103.2%)

となっている。

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28年の出荷量は、129万8000トン(前年比99.1%)と、前年よりわずかに減少した。

上位県では、

●群馬県24万2800トン(同108.7%)

●愛知県23万8100トン(同 96.1%)

●千葉県11万6500トン(同 97.1%)

●茨城県万9500トン(同101.8%)

●神奈川県万1500トン(同100.4%)

となっている。

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出荷量上位5県について、10アール当たりの収量を見ると、群馬県の6.66トンが最も多く、次いで神奈川県の4.70トン、愛知県の4.62トンと続いている。その他の都県で多いのは、徳島県の4.73トン、東京都の4.49トンであり、全国平均は4.18トンとなっている。

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作付けされている主な品種等

主なキャベツの品種は、春系(春玉)と冬系(寒玉)に大別される。かつては、巻きのい冬系(寒玉)が流通の大半を占め、関西ではお好み焼き用などとして現在でも根強い人気を誇る。その後、生のままでも柔らかい春系(春玉)が好まれ、需要が拡大した。最近は、加工・業務用需要が増加しており、外食・中食企業の基本的食材として使われることが多く、カット野菜に向く冬系(寒玉)の生産量が増加している。

主産地で多く作付けされている品種のうち、「春系305号」「金系201」は春系であり、「冬くぐり」「冬のぼり」は冬系である。

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東京都・大阪中央卸売市場における月別県別入荷実績

東京都中央卸売市場の月別入荷実績(平成28年)を見ると、年間を通して平準化されており、産地リレーによって周年供給されていることがわかる。4~6月は神奈川産や千葉産をはじめ、関東近在産地からの入荷が多い。7~10月は、各月とも群馬産の入荷が60%以上を占めている。11~翌3月は、愛知産および千葉産が主体となっている。

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大阪中央卸売市場の月別入荷実績(平成28年)を見ると、東京都中央卸売市場と同様に、産地リレーによって周年供給されていることがわかる。4~6月は愛知産および茨城産を中心に、兵庫産、三重産、大分産などが入荷している。7月から9月は群馬産および長野産で全入荷量の90%以上を占める。11~翌3月は愛知産を主体に、兵庫産や大阪産などが入荷している。

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東京都中央卸売市場における価格の推移

東京都中央卸売市場におけるキャベツの価格(平成28年)は、1キログラム当たり59~172円(年平均101円)の幅で推移している。28年は、天候不順の影響を受け、10月から12月にかけて高値が続いた。

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輸入量の推移

キャベツの輸入は、ほぼ生鮮品である。平成21年以降のキャベツ(生鮮)の輸入量を見ると、1万3000トンから3万5000トンの間で推移している。キャベツ(冷凍)は、年を追って減少する傾向にあったが、28年は40トンと前年比で2倍超となった。なお、生鮮、冷凍とも、主に加工原料用として輸入されている。

28年の国別輸入量を見ると、中国産が生鮮では95.1%を、冷凍では全量を占めている。

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消費の動向

キャベツは、野菜の中で最も購入量が多い。1人当たり年間購入量を見ると、近年は6000グラム前後で推移していたが、平成28年は6177グラムと、前年比103%の伸びを示した。

小売価格(東京都区部)の動向を見ると、27年以降は1キログラム当たり200円前後で推移している。

キャベツには、骨の健康維持や止血に働くビタミンKのほか、風邪予防や疲労回復に効果的なビタミンC、腸内環境を改善する食物繊維が豊富に含まれている。最近は鍋物で食べられることも多く、炒めもの、サラダなど、どんな料理にも向く万能野菜である。

キャベツに含まれるビタミンCやビタミンUは、水に溶けやすく熱にも弱いので、水にさらす時は短く、調理時間を短縮したり、煮汁ごといただくと効果的である。

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