7月は準高冷地(長野県・松本など)から八ヶ岳などの高冷地へと産地が移行し、本格的に高原レタスの出荷が始まる時期です。
準高冷地での出荷が始まるまでは、茨城県などが橋渡し役となっていましたが、最近は契約栽培の増加とともに群馬県で生産が増えています。
リーフ系のレタスというと、以前は敷物として扱う傾向がありましたが、外葉をはずす必要がある玉レタスよりも歩留まりがいいこと、また、箱に入る玉数が多いことなどから外食店を中心に非結球(リーフ・コス)レタスの需要が伸びています。
価格的には水耕栽培が可能なコスレタスなどは価格が安定していますが、結球レタスは露地栽培が中心なので天候に左右されやすく、また、業務筋の需要に敏感に反応することもあり変動が激しい野菜の一つです。
昨年は梅雨明けが遅れた影響などから価格が高めに推移していましたが、今年は平年並みで求めやすい価格になってます。
日本の結球レタスは主としてクリスプヘッド型でパリパリしており、一部で栽培しているバターヘッド型は滑らかで油滑感があります。レタスは高い栽培技術が要求される野菜で、特に日本のものほど繊細なものはありません。パリパリした歯触りをサラダ等で楽しんで下さい。
もっとおいしく! オススメの食べ方
緑黄色野菜であるリーフレタスは淡色野菜の結球レタスに比べて緑色の濃い部分が多く栄養価が高いのが特徴です。例えば、ビタミンEで4.7倍,ビタミンCで3~4倍、カロテン(ビタミンA)で9倍となっています。ビタミンEは特に抗酸化作用が知られており、老化防止などの効果が知られています。
「五訂日本食品標準成分表」 レタス(結球葉・生)、リーフレタス(葉・生)より 油と一緒に摂取すると吸収されやすい脂溶性のビタミンです。「K」はドイツ語の「Koagulation(血液凝固)」の頭文字に由来することからもわかるように出血を止める際に必要な酵素トロンビンの前駆体の生成に不可欠なビタミンです。
また、カルシウムが骨に沈着する際に必要なオステカカルシンというタンパク質を活性化する働きもあり、ビタミンDとともに丈夫な骨作りに欠かせないビタミンです。
ビタミンKには緑葉野菜などの葉緑体に含まれるK1と、微生物から作られるK2の2種類があります。K2は体内で大腸菌などの腸内細菌でも作られ、必要量の約半分は腸内細菌が作っていると推定されています。微生物を利用した発酵食品、特に納豆に多く含まれます。どちらも同様に血液凝固作用がありますが、骨への作用はK2が強いといわれています。
【調理のヒント】油を使ってビタミン吸収率アップ
よく水を切ることが美味しいサラダ作りの基本です。
また、レタスに含まれるビタミンKやEは油になじみやすい脂溶性なのでさっと火を通した炒め物など、油と一緒にいただくと効果的です。
長時間、水にさらすことは避けましょう。また、煮物などはスープごと召し上がるのがよいでしょう。
<レタスで作るハネムーンサラダ>
Lettuce only(レタスだけ)=Let us only(2人きりにして)の発音と同じことから欧米ではレタスだけのサラダを「ハネムーンサラダ」とも呼びます。
【保存方法】
低温保存でパリッとさせます
特に低温障害に敏感になる必要はなく、むしろ低温での貯蔵が好ましいのでご家庭では冷蔵庫の利用をお奨めします。
ただし、夏場のレタスはフィルム包装をしないで販売されている場合が多いので冷蔵庫で保存する場合は、乾燥を防ぐためにもラップでくるんで保存しましょう。