一年中出まわるキャベツですが、4~5月には緑が濃く、巻きの緩い春キャベツが神奈川県や千葉県中心に出荷され、季節感のあるキャベツとして人気があります。
品種的には春系と冬系の融合型の出荷が増えていますが、業務用では歩留まりがよく、甘みがあることから、一貫して固くて平たい冬系の需要が多いのが現状です。
キャベツは野菜のなかでも、学校給食や食堂などには欠かせない食材なので、業務用需要が価格にもっとも敏感に反応する商材でもあります。今年の作柄は干ばつ気味で気温が高いなかでも、地温が上がらないので品質が安定しており、順調に出荷されています。
6月は群馬県などの夏場の産地が本格出荷する前で数量的には少ない時期ですが、愛知県や千葉県産の初夏キャベツの栽培面積が増え、さらに東京産も出荷されていることから量的に潤沢で価格も手ごろなので是非、食べてみてください。
これから夏場にかけては夏秋キャベツの出番です。高原キャベツとも言われるように、岩手県、群馬県、長野県など冷涼な地域での生産が中心になります。
太陽を十分に浴びて育っているのでビタミンCも多く含んでいます。
北海道でもこの時期にキャベツが栽培されますが、巻きがしっかりしていて甘いのが特徴です。
もっとおいしく! オススメの食べ方
キャベツは外葉などにカロテンやビタミンCを多く含んでいます。特にビタミンCは図のように内側よりも外側に多く含まれています。緑黄色野菜に多い葉酸は「造血のビタミン」と呼ばれ、特に胎児の正常な発達には欠かせないビタミンです。妊娠中の女性は葉酸を十分に摂取することが大事です。また、キャベツには胃腸薬の成分にもなっているビタミン様物質のビタミンUが多く含まれ、これは、胃腸の粘膜を正常に保つ効果があります。
一般的に風邪の予防にいいといわれるビタミンCですが、皮膚や軟骨、血管などの結合組織を構成するコラーゲンというタンパク質の合成に不可欠です。さらに、体内で多くの化学反応に関与し強い抗酸化作用があり、「皮膚の色素沈着を防ぐ」、「免疫力の向上」、「鉄の吸収を助けることによる貧血予防」など多様な役割があります。
このように、健康維持に不可欠なビタミンCですが、体内で作ることができないうえ、摂取して2~3時間で体外へ排出されてしまうので積極的にとりたい成分の一つです。
ビタミンCの別名。scorbiaは「壊血病」を意味するラテン語で抗を意味するaを付したのが由来。
大航海時代、船乗りが長い航海の間に新鮮な野菜を取ることができなかったために発見された病気です。ビタミンC欠乏が原因と判明されてからは、長期保存が可能でビタミンCを多く含むばれいしょを船に積んで航海にでるようになり現在では、壊血病はほとんどみられなくなりました。
【調理のヒント】ビタミンCは水溶性!
ビタミンCは水溶性なので水に溶けやすく、また、熱にも弱い栄養素です。
長時間、水にさらすことは避けましょう。また、煮物などはスープごと召し上がるのがよいでしょう。
【保存方法】
カットしてあるものは早く食べましょう
キャベツは収穫後の呼吸作用が少なく比較的保存しやすい野菜ですが、高温下では呼吸が活発になり糖分の減少、味、栄養価の低下につながりますので低温下で保存しましょう。また、カットしてあるものは結球のものよりも劣化が早いので早く食べきりましょう。