[本文へジャンプ]

文字サイズ
  • 標準
  • 大きく
お問い合わせ

今が食べ頃!
甘くて美味しい“春にんじん”





市場から


 にんじんは大きく中国伝来の東洋系との西洋系に分類されます。近年は収穫作業の効率性などから長根の東洋系よりも短根の西洋系品種が主流となっていますが、金時にんじんに代表される長根系も関西以西にかけて栽培されています。

  品種としては「向陽2号」が30年近く栽培されているロングセラーで代表品種として知られています。この品種は、硬くて機械収穫が可能であること、選別や輸送に耐性があることから栽培しやすく人気があります。
  そのほかに、「愛紅」や「彩誉」も最近、栽培が増えてきています。

  現在、出回っている産地は徳島県板野郡、阿南のほか、千葉県習志野地区、埼玉県大里地区などで、これから茨城県産のものが出荷されてきます。

  今年の春にんじんは暖冬の影響で入荷量が多く、価格は平年並みからやや安値で推移しています。


もっとおいしく! オススメの食べ方

 最近のにんじんは表面を洗浄してありますので、栄養成分の多い表皮部分をを剥かずに食べて下さい。また、3月下旬から5月下旬のにんじんは寒さに当たって、甘くて柔らかいものが多く出回っています。煮物や浅漬け、サラダなどにして食べるのがおすすめです。

情報提供:東京青果株式会社
課長補佐 加藤宏一



おいしいにんじんを選ぼう!
 にんじんを選ぶポイントは、表面のツヤとハリです。また、新しいものほど、茎の切り口が小さく、緑色をしています。茎の切り口の大きいものは甘みの少ない芯の部分が多いので、なるべく小さい切り口のものを選びましょう。表面が黒ずんでいるものや溶けているものは鮮度が落ちていますので避けましょう。


にんじんの栄養と機能性

  にんじんは、なんといってもビタミンAが豊富だということが特徴です。80g程度のMサイズなら1本で、200g程度のLサイズなら約半分で1日分のビタミンAを摂取できます。ビタミンA効果を示す食品成分には、レチノールとカロテンの2種類がありますが、植物の場合はカロテンとして含まれています。

  もともと、カロテンの語源は、にんじんの英名のキャロットに由来します。



「五訂日本食品標準成分表」
  にんじん(根・皮付き・生)より
  30歳女性1日あたりの栄養摂取基準を100とした場合における、にんじん100g中に含まれる主な栄養素の割合。(ただし、ビタミンC、A及び葉酸は、推奨量の値を、その他は目安量の値を用いた。)





にんじんのβ-カロテン



~β-カロテンの働きと効用~
 β-カロテンは体内でその約半分がビタミンAに変換されます。このビタミンAは「目のビタミン」とも呼ばれるほど、目の健康に深く関わっています。
  まず、眼球の表面に粘膜の層をつくり涙をつなぎ止め乾燥から目を守ります。
  また、ビタミンAはタンパク質とともにロドプシンという光を感受する物質となります。ロドプシンは、暗いところでの視力を保つ機能(暗反応)に関わっています。
  さらに、ビタミンAはたん白質の合成に欠かせないので、胃腸や気管支といった粘膜を正常に保ち皮膚の状態を整える働きもあります。
  これからの季節に強くなる紫外線は有害な活性酸素を生み出し、体をさびつかせます。紫外線に常にさらされている動植物は色素によってこの害から身を守っていますが、β-カロテンなどの色素は人間にも有効に働き、日焼けやシミを予防してくれます。
【にんじんの色について】
  にんじんがオレンジ色なのは、カロテンが黄橙色をしているためです。

  オレンジ色以外に最近では赤や紫、黄色といったようにカラフルなにんじんも見かけるようになりました。紫色はポリフェノール類が、赤い金時にんじんにはリコペン、黄色い島にんじんにはキサントフィル類が豊富に含まれています。


監修:実践女子大学教授 田島 眞


 


にんじんのいろいろ 種類・品種の特徴






監修:元農林水産省野菜試験場育種部 芦澤正和   
写真提供:朝日工業、JAおきなわ中部地区営農センター
農畜産業振興機構「野菜ブック」

にんじんの主要産地

 にんじんは気温・地温が暖かい時期に地上部の生育を促し、気温が下がると根部に養分を蓄えるという性質があります。このため、適温期に肥大・着色期を迎えられるように、春夏にんじん、秋にんじん、冬にんじんと季節によって産地が移行します。乾燥ぎみの気候を好み、湿気を嫌うので大雨などの気象災害に生産量が大きく左右される品目でもあります。


資料:農林水産省「平成17年産 野菜生産出荷統計」
注:図中の番号は収穫量の多い順番です。


 にんじんに含まれるカロテンは脂溶性ビタミン。ドレッシングをかけたり、油と一緒に調理することで吸収力がアップします。

  一方で、にんじんにはアスコルビナーゼというビタミンCを破壊する酵素が含まれています。これは、すりおろすと活動が活発になる特徴があるので、ジュースや“もみじおろし”などにするときは、直前に混ぜたり、レモン汁を加える、加熱するなどの工夫でビタミンCの損失を最小限に食い止めましょう。

  カロテンは皮の部分に一番多いのでよく洗って、皮ごといただきましょう。皮を使ったきんぴらなどもおすすめです。

  水気があると腐敗しやすくなるので、十分に乾燥させて夏場は冷蔵庫の野菜室、冬場は冷暗所に保管します。また、高温と日射により呼吸作用、蒸散作用が活発になり成分が消耗していまいます。湿気と高温を避ければ非常に保存の利く野菜です。上手に保存しましょう。




 





産地紹介
元のページへ戻る


このページのトップへ