これからますますおいしい
冬春トマト 今が旬!
市場から
トマトは日照時間が長いほど、実がぎゅっとしまり、おいしさが増していきます。3月から4月にかけて徐々に日照時間は長くなってきますので、冬春トマトにとっては、これからが“のぼり坂”つまり“食べ頃”となるわけです。一昨年の冬は、記録的な暖冬で、トマトの生産者にとっては、花が散るなど作りにくい年でした。それに引き換え今期の冬は暖冬であったため、生育が進んで12月に多く出来すぎてしまい、この時期にしてはやや不作気味ですが、味は昨年の冬春トマトよりおいしいといえます。今は、桃太郎のMサイズが中心です。
現在出回っている産地としては、愛知みなみ農協のある愛知県田原産のもののほか、千葉県長生、福岡県八女、熊本県八代産のものなどがあり、まもなく栃木県小山産のものも出回り始めるでしょう。
食べ頃の冬春トマト、スーパーなどでみかけたら、ぜひ手にとってみてください。今日の夕食に一品追加してみてはいかがでしょうか。
もっとおいしく! オススメの食べ方
ちょっと手を加え生トマトからパスタ用トマトソースを作ってみてはいかがでしょうか。日本のトマトは海外のトマトと比べて甘いのが特徴ですので、缶詰トマトから作ったソースとは違った、さっぱりとしたトマトの甘さの残る、いわば“和風”トマトソースが作れます。味覚形成のためにも、お子さんに本物の味を作ってあげてください。その時は、国産のおいしいにんにくもお忘れなく!
情報提供:
東京青果株式会社
加藤宏一課長補佐
おいしいトマトを選ぼう!
甘くてジューシーなトマトほど、持った時にずっしりとした重さがあり、それはぎゅっと実が詰まっている証拠です。なかには水に沈むものも。また、新鮮なトマトほど皮にハリがあります。
トマトの栄養と機能性
トマトの栄養素では、ビタミンCやA、カリウムが比較的多く含まれています。大玉トマトひとつを丸かじりすれば、一日に必要なビタミンCの約4分の1を摂取できる程です。また、ミニトマトであれば、普通のトマトと比べ、ビタミンCやカリウム、ビタミンAなどの栄養素が多く含まれています。
*30歳女性1日あたりの食事摂取基準を100とした場合における、トマト100g中に含まれる主な栄養素の割合。(ただし、ビタミンC・A及び葉酸は推奨量の値を、その他は目安量の値を用いた。)
トマトの“リコペン”と“ペクチン”
~リコペンの働きと効用~
トマトの赤い色は、リコペンに由来します。リコペンは、β-カロテンと同じ、カロテノイド色素の一つですが、β-カロテンが体内でビタミンAに変わる一方で、リコペンはそのまま体内へ吸収されます。リコペンはβ-カロテンよりも抗酸化作用が強いことに加え、熱に強くトマトジュースなどに加工しても効用を損なうことがないということが分かり、注目を浴びるようになりました。がんや動脈硬化などは、体内での酸化による障害が一因と考えられています。リコペンの抗酸化作用は、これらの病気についての予防効果があると期待されています。
~忘れてはならないのがペクチン~
肉厚のトマトを丸かじりすると独特の食感が楽しめます。これはペクチンという水溶性食物繊維が豊富だからです。ペクチンは、血液中のコレステロール値を下げる働きがあります。高コレステロール血症は万病の元です。トマトを丸かじりすることでより健康を保つことができます。
監修:実践女子大学
教授 田島 眞
トマトのいろいろ 種類・品種の特徴
監修:元農林水産省野菜試験場育種部 芦澤正和
トマトの主要産地
トマトの生育適温は25-26℃と高く、生育には昼夜の温度差と強い光を好みます。ハウス栽培の普及により周年出荷されるトマトは、冬春トマトと夏秋トマトに区分され、冬春トマトは熊本県、愛知県、千葉県など、夏秋トマトは北海道、茨城県、福島県などを中心に生産されています。
注:図中の番号は「平成17年産 野菜生産出荷統計」の収穫量の多い順番です。
パスタやスープにトマトを利用したい時、皮と種を取り除くときれいに仕上がります。簡単な皮むきの方法としては“湯むき”。トマトの底に浅く十文字の切れ目を入れて、熱湯にくぐらせます。加熱により皮が縮んで切れ目が広がったら、冷水の中で冷やします。すると、つるんと簡単に皮をむくことができます。
また、トマトは乾燥と高温に強い反面、低温には弱いという特徴を持っています。完熟トマトは冷蔵庫の野菜室で保存可能ですが、青い部分の残るトマトは、常温で追熟させましょう。