[本文へジャンプ]

文字サイズ
  • 標準
  • 大きく
お問い合わせ

今月の野菜


れんこん
 穴が開いていることから「見通しがきく」ということで、お正月のおせち料理や祝い事には欠かせないれんこんは、ビタミンCや食物繊維が豊富な野菜です。

調査情報部 調査情報第二課



学名:Nelumbo nucifera
英名:East Indian Lotus
仏名:lotus
日本での呼び名:蓮根
植物学上の分類:ハス科
れんこんの花

1)品種と種類





【れんこんの収穫】


2)主な産地
 我が国のれんこんの収穫量は、年間6万4,200トン(平成17年産)です。都道府県別にみた収穫量の割合は、茨城県が全国の43%、次いで徳島県が15%で、この2県で全体の6割弱を占めています。

□「れんこん」の月別入荷量および県別割合(平成17年)
<東京都中央卸売市場>

 
<大阪中央卸売市場>

資料:平成17年 東京都中央卸売市場及び大阪中央卸売市場「青果物流通年報」
注:( )はその月の県別出荷割合


3)プロフィール
 れんこんとは、はすの地下茎の肥大した部分です。一般的に、植物全体としては「はす」、そのうち食用のはすを、れんこんと呼びます。「はす」の呼び名は、花が咲いた後の実の入った花托の表面が蜂の巣に似ていることから、「蜂巣(はちす)」、それが略されて「はす」になったといわれています。

 食用として普及している東洋系のはすの原産地は、インド、エジプトなど諸説がありますが、一般的には中国説が有力です。日本には、古くから鑑賞用の花はすがありましたが、食用品種のはすは、鎌倉時代の僧道元や江戸時代の僧隠元らによって中国から導入され、現在の在来種の元となりました。

 れんこんは、穴が開いているため「見通しがきく」といわれることや、薄桃色の美しい花で、種が多いため多産の民族信仰に繋がったことなどから、縁起の良い食べ物とされています。


早朝に咲く、薄桃色のはすの花


はすの花托
中国では、はすの実を砂糖漬けにして食べる習慣もあります


4)栄養
 れんこんの栄養素として、まず着目されるのは、ビタミンCが多いことです。その量はみかんの約1.5倍にもなります。熱に弱いビタミンCですが、れんこんに含まれるでんぷん質がビタミンCを守るため、加熱しても比較的その残存率は高いといわれます。また、成分表には出てきませんが、鉄分の吸収を助けるビタミンB12も豊富であることが知られており、その鉄分自体も多く含まれることから、れんこんを食べることで貧血予防に効果があるといわれています。その他、高血圧予防に繋がるペクチンなどの食物繊維も多く含まれています。なお、れんこんの切り口が黒ずむことがありますが、これは消炎止血作用のあるタンニンが含まれているからです。

5訂 日本食品成分表 可食部100g当たり


5)選び方と保存方法
○選び方
1 節と節の間が長く、ふっくらとしているものを選びましょう。
2 自然な肌色をしているもので、傷の少ないものを選びましょう。
3 切り口が茶色に変色しているものはなるべく避けましょう。

○保存方法
 れんこんを丸ごと保存する時は、冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。
 切り口が空気に触れると変色してしまいますので、切った場合はラップで切り口をぴったりと包んで保存しましょう。皮をむいたれんこんも、変色してしまうので、水や酢水に浸して保存する方法がありますが、ビタミンCが流れてしまうので、翌日には食べるようにしましょう。

○豆知識
 からしれんこんは、そもそも病弱だった熊本城主細川忠利に、禅僧玄宅がれんこんを食べるように勧めたことから作られました。城主は、れんこんの穴に和からしを混ぜた麦味噌を詰め衣を着けて油で揚げて作られるからしれんこんを食べて、剛健になったとか。今は熊本を代表する郷土料理です。




産地紹介
元のページへ戻る


このページのトップへ